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丹野智文, 奥野修司 / 文春e-Books (18件のレビュー)
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総合評価:
shohji
とにかく知ること、そして普通に接することが大切なのだと思った
39歳で若年性認知症を宣告された丹野さんを知ったのは2015年12月のNHK認知症キャンペーンだった。 誰もが認知症にはなりたくないと言う。そんな病気に自分はなってしまったという絶望から暫く立ち直れ…なかった。というお話を聞いて大変なショックを受けたことを覚えている。私は深く考えもせず認知症の様々な症状を知りもせず「認知症にはなりたくない」といつも言っていたからだ。 最近になって丹野さんが本を出されたことを知った。43歳になられた丹野さんは現在も公共交通機関で会社に通い仕事を続けている。 社員が病気になっても戻ってこれるなら誰でも戻す。という社長の言葉も凄いが様々な工夫を凝らして仕事を続けているのは凄い。 トップ営業マンだった丹野さんだが発症後は本社勤務となった。記憶が悪くなったぶんノートに手順を詳細に記録しているため結果的に人より覚えている状態になっているとのこと。 通勤が一番大変なので「若年性アルツハイマーの本人です+乗車駅・降車駅」を書いたカードを持ち歩いている。このカードを見せることで周りの人がサポートしやすくなるからだ。残念ながら報道の場などでも極端な重症の症例が介護する立場から語られることが多い。そのため私達は知識不足なうえ、かえって迷惑になるのではと考えて何をサポートしていいのかわからないのだ。 みんなそうだよ、気にすることないよ、などの言葉も当事者を混乱させるという事実も納得できる。とにかく知ること、普通に接することが大切なのだと思った。続きを読む
投稿日:2017.10.26
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chinoboo
「丹野智文 笑顔で生きる」読了。 「オレンジ・ランプ」「認知症の私から見える社会」に続いて3冊目の丹野さんに関する書籍。39歳で若年性アルツハイマー型認知症を発症し、その後、認知症の「当事者」からの…発信や、ピアサポートの重要性を発信している方。 認知症の告知によって、一度は落ち込んだ丹野さんが、「当事者からの発信」を積極的に行なっていこうと行動していることの種明かしというのか、理由が書かれていました。 丹野さんの本を読んで、私が感じたのは、 ・認知症に対する偏見を自覚して取り払う努力をしようよ(当事者も周りの人も) ・認知症と「共に生きる」方法を模索してみましょうよ(当事者も周りの人も) ということ。 丹野さんはスコットランドでの認知症の当事者の団体の視察に行ったとのこと。 スコットランドでも、日本と同様に認知症に対する偏見もあるし、認知症と診断された当事者が家に引きこもってしまう事例もたくさんある。けれど、その団体では、 「認知症と共に生きる」ということに主眼を置き、「当事者を支える考え方」として ・ストレスをなくす ・不安をなくす ・「自立の手助けをする」 という3つがあると感じたとのこと。 日本でも、1、2項目は同様の取り組みがされているけれど、3つ目に関しては「自立の手助け」ではなく「当事者を守るため、周りの人たちが代わりにやってあげる」という方向性になっているという方向に向かうことが多いのではないか、と丹野さんは書いていました。 前に読んだ本でも感じたのですが、これは「認知症」だけに限らず、障害者や高齢者にも当てはまることなんだろう。 当事者の安全のため、介護者の安心のため、 という理由をつけて、「自立」を、逆に阻害しているのかもしれない、と。 日に日に弱っていく高齢の親を看ながら、これらのことは心に留めておかなくては、と、また気付かされました。 本を読むたびに気づきを得られるけれど、実際には、すぐに実行できるものではないというのも本心。でも、心の片隅に思っていることで、少しずつでも考え方を修正していければいいかもしれない、と思いました。 認知症、障害者、高齢者。身内にはそのような方がいない、という方も、心の片隅に、「介護」だけではなく「自立支援」が必要なのだ、という話を読んでおいてもいいかもしれない。 いろいろな立場の方にぜひ。 余談: 紙の書籍を購入して読んだのですが、この書籍、字が大きめに印刷されていました。高齢者、障害者、認知症の当事者の方にも読みやすいような配慮なのかな。好感が持てました。続きを読む
投稿日:2024.01.18
hono-Reyife
いつかのセミナーでお会いして、涙ながらに懸命に話す丹野さんを観て、とても感動と価値観を揺さぶられた瞬間があった。 それから程なく、図書館で出逢った本がこの一冊。都内のカフェで、モンブランを美味しく味…わいながら、読んでいたら、 わたしはこれまで当事者に寄り添えてると自負していたけれど、それは病気というカテゴリやフィルターを通して相手を決めつけて、そのひと本来もつ力やエンパワーメントを狭めていた、、 と。 認知症でも、人により進行も度合いもさまざまで、ちょっとの見守りや外出の付き添いがあれば、電車にだって乗れるし、仕事も限られるけれどそれまで培った作業記憶のスキルを活かして働くことができる、ということ。 当事者以上にその苦しみを理解することは出来ないし、追体験もできない。 けれども、当事者からの素直な語りを生の声で聴くことからわかる、一市民として、街中の当事者の支えになれることが見えてくるんだ、と。 測らずとも、カフェで号泣してしまいましたが、とても切実で病気を抱えながらもゆっくり、少しずつ受け入れて乗り越えて、周りの家族のサポートで一生懸命働く、彼の努力家で、誠実なお人柄が、温かい見守りのなかで、認知症とともに笑顔で生きられる所以なのだろう。 こうして、書籍にしていただき出逢えたことに感謝したいです。 オレンジランプ見損ねてしまい、残念でしたが! 抱えてる病気は途方もないほどの付き合いだとしても、 同じ悩みを抱えてる人と分かち合う場所づくりや理解ある隣人との人脈を築いて一緒に支え合う人的基盤。 この二つを、わたしも大切にして、感謝しながら日々を笑顔で生きようと改めて。 毎日に感謝を忘れかけたとき、心に留めたいエッセンスが詰まった一冊。 ひとは誰でも老いるし、認知症になることもある。自分には関係ない他人事、のような世代の方々にこそ、出逢ってほしい本です。 日々を愛しく生きるためのヒントが溢れていました。 また読み直そう♡ (商品情報:https://www.amazon.co.jp/dp/4163906819?th=1&psc=1&linkCode=ll1&tag=honnoakari-22&linkId=8404a3a9fbb891876a3f19e881ec33fc&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_tl)続きを読む
投稿日:2023.12.12
かな
湖永さんの「オレンジランプ」のレビューを読んだのがきっかけで手にしました。ありがとうございます。筆者の丹波智文さんは、「オレンジランプ」のモデル、39歳で若年性アルツハイマー型認知症の診断を受けられ…れた方です。 著者の丹野智文さんは、車のセールスマンで仕事にやりがいを感じていました。同じ職場の女性と結婚し2人の女の子にも恵まれ充実した毎日を送っていました。ここ数年で記憶力が悪くなったと自覚し、検査を受け若年性アルツハイマー型認知症の診断をされたのが39歳…子どもたちは中学1年生と小学5年生…え??すごく大変なんじゃない!!と感じました…。丹野さんも、将来が不安と眠れず泣きながら過ごした夜もあったようです…。でも丹野さん自身の人柄の良さもあってなんでしょうと思うんですけど、職場や家族、そして当事者組織などから、あたたかく受け入れてもらえているんです。そんな環境であるから、認知症の進行速度もゆっくりなんでしょうか…若年性認知症は進行が早く2年ほどで寝たきりになる…それが間違った情報であること、診断から4年経っても周囲の理解があって自分が笑えていれば大丈夫、周囲の無理解と自分自身へのやるせなさからうつ状態になってしまうような状況になることが問題だと話されます。丹野さんの笑顔はとってもステキなんですよねぇ~!! 丹野さんは、自分のような当事者の支援にあたりたいと、「オレンジドア」という支援組織を立ち上げます。その活動の中で、スコットランドに飛び、当事者支援について考えるきっかけを得ます。スコットランドでは、①ストレスをなくす②不安をなくす③自立の手助けをする、というもので、日本では③が守る(なんでもやってあげる)となってしまっているのではないか…と提起します。認知症だからできないだろうと、なんでも手を出すのではなく、できそうなことはなるべく当事者にさせてほしいし、大変なところだけを手伝ってほしいと言います。ついつい、手を出してしまうだけでなく、当事者の話をさえぎるとか代弁しちゃうとか、そして聴かないのはもってのほかと…、あぁ…思いあたります…。反省…。 そういえば、認知症の治療薬が承認されたとのニュースがありました!!朗報ですね!保険がちゃんと効いて、困っている方へきちんと行きわたりますように…。続きを読む
投稿日:2023.11.10
ryoppebook
彼だからかな?まわりも協力的だね。 認知症は初心者はそんなに変わらないんです。 急にすべてがわからなくなったりはしない アルツハイマーの場合はね。
投稿日:2023.07.31
石井信之
丹野智文さんの素晴らしいパートナー、若生栄子さんは高校時代の同級生だと思う。 豊かな人生を歩んでいることを知って、嬉しい。僕も今も豊かな人生を送らせてもらっていて、そんなことを伝えたいなって勝手に思っ…たりなんかしてる。 勤務している学校の図書室で見つけたこの本。何かの「力」が入ってのこととしか思えない。 <本から> 「作り笑いでもいいから笑っているといいよ。そうすると本当の笑顔が出てくるようになるから」 「若年期認知症の方のつどい〖翼〗若生栄子 忘れていたことを無理に思い出そうとすると、私の脳は全然違うことを思い出してしまうのです。明らかにちがうのに、それが正解だとさっかくするのはどうしてでしょうか。間違っているのに、気がつかないのです。ジグゾーパズルにたとえるなら、形の似ているピースを無理やりはめ込んで完成したと喜んでいるようなものです。間違っているのに、間違ったと思わないで失敗する。失敗したことは理解できるので、自分の記憶に自信が持てません。だからいつも不安になるのです。 認知症の人は失敗しながらでも、自信を持って行動するのが良いのです。そして周りの人は、当事者が失敗しても怒らないことです。 ちょっとした言葉で認知症当事者は傷つき、自分の行動に自信がなくなり、失敗を恐れてしまうのです。失敗をしたことを指摘されるのは嫌なことだと思います。続きを読む
投稿日:2023.02.10
ぷ~
当事者、その家族、サポーター、周囲の人、行政の人間などあらゆる人に読んで欲しい1冊。 これから、家族が、自分が、目の前の人が、認知症かもしれない世の中ではきっと読んでおいて損はないはず。
投稿日:2022.10.01
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