【感想】幸福の「資本」論――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」

橘玲 / ダイヤモンド社
(155件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
53
66
19
5
1
  • 幸福になりたい

    橘玲さんの本が好きなので、今回の新作も読みました。
    いつもそうですが橘さんの本は、論理的にいろいろな物事を説明してくれるので、すごく納得してしまいます。
    幸福のための3つの資本の中で、自分が捨ててしまったもの、または得られていないものなどを考えながら自分の幸福はどれくらいなのかを考えながら読みました。
    社会資本のとろこなどは、私の田舎のことをおもいだすとすごく納得して面白くよみました。
    幸福になるためにこの3つの資本をどういうバランスで増やすのか減らすのか、いつもながら納得しながら読みました。
    おすすめです。
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    投稿日:2017.09.30

ブクログレビュー

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  • Ronnie

    Ronnie

    とても体系だっていて論理的で読みやすい。「幸福」だとか「幸せ」を定量化することは難しい。なのでそれらに関する本ではエビデンスを示すことが難しく、机上の空論になりやすい。
    そんな中、本書では数多くの定量的な研究結果や調査結果を示しながら、現代(2017年時点)の資本主義における幸せな人生の理論上の正解を導き出そう試みている。

    思考検討のベースが経済学のようで、経済的な観点から論理を積み重ねていくのが特徴的だが、同時に性風俗業界に関する情報の引用や脳科学研究からのアプローチなどもあり、多面的に主張の根拠を固めていっている点に面白く、また好感が持てる。

    本書での答えはあくまで理論上の結論であるから、マジョリティに向けての、そして可能性として有望な答えを提示しているに過ぎない、ということは常に念頭に置く必要があるわけだが、それを加味しても説得力がある。

    本書では、最初に幸福の条件を3つに集約している。それが、
    1、自由
    2、自己実現
    3、共同体=絆
    である。
    本当にこの3つに絞って良いのかな?という疑問が早々に上がった。

    「自由」に関しては、私個人としては疑いようがない。自分で自分の人生を決定できるという、人権や権利としての自由なくして幸せであるとは思えない。思想、行動、職業選択、食べ物の選択、パートナーの選択、行動の選択、そして行動の選択ともつながる健康など、自由なしには幸福を実感できる気がしない。

    ただし日本とは違う一部の国家などの思想では、むしろ国家なり共同体なりがなんらかの制限をつける方が幸福度が高いと考える考え方もあるし、またアナーキズムのような極度の自由主義も存在する。そのため自由という概念を絶対視は出来ないが、まだ自由論に関しては私は見分が狭いのでここでは妄信することにする。

    「自己実現」はマズロー的な考え方で、その欲求階層説には現代では批判もあるが、頭脳や社会が成熟した高等生物たる一ホモサピエンスとしては、確かに主観的に自らを幸せだと実感できる枠組みは必要だと思うので、個々人に合わせた最終段階を設定できる「自己実現」は幸福条件として適切だろう。

    「共同体=絆」については、社会的生物である人間は、恋人、家族、友人のほか、共同体との関係性が幸福に直結することは納得がいく。
    社会は、自由や自己実現を達成するための物理的な条件ともなる。

    その社会というのをもう少し私に近づけた共同体、その共同体への所属や互恵関係、取引関係は、生きるために必要な物資の調達やリスク軽減のための仕事というものを安定化させることで生き物としての幸福度を上げるだけでなく、仲間意識による心理的安全性も高めてくれる。
    適切な組織サイズ、適切な結合度合、適切なターンオーバーのある組織であることはさらに細分化した条件となるが、いずれにしてもその共同体組織に所属し、貢献し合うことは幸福の条件として違和感がない。

    これら3つの条件以外にも細かい部分は出て来ようが、論議をまとめるためにはどこかで枝葉末節を端折って断裁する必要があるので、3つにまとめるのは適切だろう。

    本書の最終的な結論として、エピローグにその3つの条件に対応する戦略をまとめている。
    そのうちの、「共同体=絆」に対応する「社会資本」の適切な戦略は、以下のように要約されている。
    『社会資本は小さな愛情空間と大きな貨幣空間に分散する』。
    この点が、自分にとっては一番大きな収穫物だった。

    その空間の小ささ・大きさは、人によってボーダーラインの引く位置が異なるに違いないが、その位置を自分の心の満足度に従って適切に見計ることが出来、実現できたとき、幸福な生活はグッと現実化するように思う。
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    投稿日:2024.05.31

  • なつみ

    なつみ

    おもしろかった~。
    現代の人の生き方とかお金のサイクルの実情が知れる。
    これを読んだからといって、さあ明日から私は幸せ!となれるわけではないけど、幸せになるってやっぱりそういうところよね、と再確認。
    この本を称え奉り言ってることがすべて正しいとは思わないけど、今自分が向かおうとしている方向性で合ってるかもと思わせてくれた。
    結構容量大きめで読むの時間かかるけど、これくらいのが読み応えあって好み。また読みたい。

    特に印象に残ったテーマ
    ・介護業界が水商売人の受け皿になっている
    ・ダイエットが成功しないのは、成功してしまうと成功しなくなってしまうから
    ・日本人が鬱になりやすいのは遺伝子レベルの原因がある
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    投稿日:2024.05.15

  • 1699398番目の読書家

    1699398番目の読書家

    風俗で働く女性のセーフティネットが介護業界になってきている
    デリバティブ

    幸福を三つの指針で定量的に測る賢さ

    過労死の本質的な原因は長時間労働ではない。むしろメンバーシップ雇用故の不適材不適所によるもの。能力不足

    オンリーワンかつナンバーワン
    小さな土俵で勝負
    変化を好む
    複雑にする

    俺の未来展望的にも、社会的にも、20代のうちになにかしら会社を立ち上げて大手に買収されるのが戦略として正しい気はする

    ひとは、自分と似ているひとからの助言が最も役に立つ。これは本当にそうだと思う。

    幸福の意味は自分で見つけよう、みたいななんの薬にもならない言葉ではなく、主観も入れつつ根拠を持って進めていく橘さんの書き方は本当にタメになるよねえ
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    投稿日:2024.03.06

  • ちい

    ちい

    今後ずっと会社員でいるつもりだった、今の選択が最適だと思っていたが、働き方への考えが変わった。35歳までに自分の「好きなこと」を明確にする!

    投稿日:2024.02.01

  • kohei1813

    kohei1813

    このレビューはネタバレを含みます

    YouTubeで岡田斗司夫が激賞していたので、その前にマイケル・サンデルの「実力も運のうち」を読み始めたが「これから正義の話をしよう」ほど納得できなかったので途中で放棄して本作を読み始めたが、経済学書ははっきり言って読みにくい。しかし日本人は日本で生まれたことで半分勝ち組で、セレトニンの話になると日本人は人類の究極進化ではないかとも思えてきた。本書で言いたいのは「金融資本」「人的資本」「社会資本」から幸福の土台を設計しろと言うことだが、今一応公務員の職業を退職してもうそれだけで幸福なことなのだと納得した。

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    投稿日:2023.10.12

  • きしまみ

    きしまみ

    前半の金融資本については前提知識がなく流し読みしてしまったが、後半の社会資本以降は面白かったのでぜひ最後まで読んでほしい
    交友関係を浅く広く保つことを意識してソロ充を謳歌している私にとっては納得のいく一冊であった
    ___________
    幸福な人生の最適ポートフォリオは強い繋がりを恋人や家族にミニマル化して、それ以外の関係はすべて貨幣空間に置き換えること
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    投稿日:2023.08.30

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