【感想】86―エイティシックス―

安里アサト, しらび, I-IV / 電撃文庫
(49件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
22
15
4
0
0
  • 人種差別をラノベらしい読みやすさで描いた作品

    このライトノベルがすごい2018の文庫部門2位の作品です。

    あらすじは以下のような感じ。
    サンマグノリア共和国ではギアーデ帝国により生み出さた完全自立無人戦闘機械レギオンにより攻撃を受けていた。それに技術などで劣るサンマグノリア共和国が作成したのが無人兵器ジャガーノートであった。
    しかし、このジャガーノートにはある事実があった。それは差別された人種を86と呼び、人ではなく、家畜と考え、ジャガーノートの部品の1つとして載せているということであった。

    その現実を許せない、生真面目なエリート軍人のお嬢様レーナとシンという主人公を中心にした86の部隊スピアヘッド部隊の出会いから物語は始まる。


    あらすじからも分かるように差別などをテーマにしているだけあってかなり重い部分がある作品です。
    もちろんライトノベルらしい仲間たちの軽いやり取りなどもあるのですが、それと同居して、人種差別をテーマにした重厚な物語が非常にひきつけられ魅力的です。人種差別とは86と呼ぶことがそうなのか?それとも・・・。
    そのような人種差別について深く考えられた作品は非常に考えさせられるものがありました。
    また、そのような中で主人公達の固い意志などが非常にかっこよく魅力的でした。
    また、それに影響をうけるようにヒロインのレーナが変わっていくところもよく描かれていると思います。そして、彼女が決断し、変わっていく様子などが見ていて気持ちいいです。
    そして、最後に待つどんでん返しなども非常によかったです。満足いく終わり方だったように思えます。

    10代のようなライトノベルの中心的な年齢だけでなく、幅広い年齢層が楽しめる作品だったのではないかと思います。
    人種差別をテーマにしているだけあって内容的にもどんな人にもオススメできるかなと思います。

    作者によると順調にいけば本作品は13巻ぐらいまで続くのではないかということでしたが(このライトノベルがすごい2018参照)、この1冊だけでもある種完結しているので、興味ある方はまずこの1巻を是非読んでみて下さい。
    続きを読む

    投稿日:2017.12.15

  • 非日常を書く

    戦争及び差別という重いテーマで書かれているが、英雄譚のようにすることで、読みやすくなっている。
    差別する側と差別される側、それぞれ思いや思惑はあるだろうが、差別する方にも善人はおり、全てが差別を肯定しているわけではないことが、改めて分かる。
    大阪夏の陣の豊臣側等の、滅びの美学が好きな方には、最後のエピソードは苦手だと思われるが、まあ、架空の話なんだからそんなことがあっても良いと思う。だがしかし、一将、功成って万骨枯る。という訳ではないが、彼らの幸せ(かどうかは分からないが)の下には、叶わなかった願いも数多くある(架空の話だが)。まあ、作中人物の説を借りたら、絶望ばかり見せられていたが、最後の最後で裏面の希望を見ただけのことなのだろう。
    まあ、量産機を技術でカバーする話とか少し違うが某機動戦士的な〇8小隊(あまり伏せ字の意味がないが)とかが好きな方にはオススメです。
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    投稿日:2018.02.03

ブクログレビュー

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  • hyakki

    hyakki

    人の命を命としてカウントしない差別的な世界は本当にうんざりするけれど、この世界と似たことが現実世界にも起きていることに改めて気づかせてくれる、とても奥の深い作品です。
    アニメ→原作→アニメと3回作品に触れましたが、最初に見た時には気づかなかったことがこの原作を読んだことでその布石の多さにも驚かされます。続きを読む

    投稿日:2024.01.19

  • 虹風

    虹風

    86読了しました。
    人種差別と戦争を複雑に絡め合わせた作品でした。
    この小説でも白系種という国民が髪色で差別し迫害する描写があります。
    最初は胸糞でしたが次第にスカッとします。
    言い回しが少し独特で最初は読みにくいなと思いましたが、慣れてくるとどんどん面白くなってきます。

    そしてミステリー小説か?と思うほど布石も散りばめられており、この布石の意味がわからなかったのですが次第に紐解かれていく感じに感動しました。
    ファイドは可愛いし、主人公が乗っているジャガーノート、敵機である斥候型・近接猟兵型・戦車型、そしてこの巻のキーとなる重戦車型、どれもかっこいいです。
    小説の中にメカの概要図みたいなのが書かれているのですがとてもかっこいいです。
    一巻だけでも完結していますが、この作品はまだ次の巻があるので楽しみです。

    この小説の裏表紙に載っている共和国のエンブレム。
    かっこいい。
    続きを読む

    投稿日:2023.06.29

  • ただよし

    ただよし

    友人のオススメ。友人はアニメ押しだったが観られないようなので本で。
    最初から読んでいてキツい設定や描写が続く。
    不遇な境遇にも前向きに進もうとする少年たち。それの上にのんびり構えてる共和国市民。何とかそれに抗おうとする人。それぞれ少しずつ自分と重なる部分を感じる。
    戦闘の描写がいまいち想像力がない私にとっては難しかったので星4つ。
    続きを読む

    投稿日:2023.06.09

  • あき

    あき

    ”86(エイティーシックス)”85区外に住む戦争の道具にされた人々。
    戦争・メカニック系は得意ではないため読了できるか不安があった。読み終えれば絶対2巻3巻を読みたくなってしまう物語。そして3巻まで読めば彼らのその後も気になり、結局最後までよんでしまう、、、。そんなカラクリにハマってしまいました。戦争、機械、差別、矜持、恋愛、自由、幸せ、、、。「えっ!」と何回もその前後を読み返したり、心の中で「お願い(こんな展開になって)」と思いながら読み進めたり。一人ひとりに感情移入ができるほど、行間を読むのが楽しいとすら感じてしまう、アニメも見れば涙がボロボロの”読書を楽しむ”ことができるおすすめの一冊。続きを読む

    投稿日:2023.05.25

  • 元コミック担当P@コミックのある生活

    元コミック担当P@コミックのある生活

    読み始めてからも大分時間かけて読んだから忘れているところもあった。

    こういうジャンルのノベルはあまり読んだことがなくて(戦争もの?)イメージはしづらかったのと、個人的に名前をファーストネームで呼んだり愛称で呼んだりとごちゃごちゃになってしまった。(これは日頃から本を読んでいないから原因は自分にあると思う。)

    が、読み進めていって、こういう展開になるだろうとか想像してたけどやっぱり清々しい終わり方で個人的にすごく好み。演出もよくて、1冊でも完結しつつ続きも楽しめる話の作り方は素晴らしい。(´・ω・`)
    続きを読む

    投稿日:2023.05.08

  • 木冬

    木冬

    「ラノベで一番のお気に入りって何?」って聞かれたら出てくる候補本『エイティシックス』本一冊を通して会うことの出来ない2人のそれぞれの戦場を細かく書いてある面白い一冊。
    第二期のアニメは最高のamazarashiが担当してるぅぅぅうう!続きを読む

    投稿日:2022.11.13

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