【感想】バチカン奇跡調査官 ゾンビ殺人事件

藤木稟 / 角川ホラー文庫
(27件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
2
7
12
0
0
  • サブキャラの個性が強烈

    シリーズ15冊目(短編集としては3冊目)。全4編ですが、神父コンビが出てくるのは「絵画の描き方」のみで、あとの3編はサブキャラが主役を張っています。サブキャラも個性派揃いの「バチカン奇跡調査官」だからこそできる芸当ですね。

    「チャイナタウン・ラプソディ」……FBIのビル捜査官と相棒ミシェル(弥貝)が、とある誘拐事件の解決に乗り出す話。お金大好き!なミシェルの言動や、チャイナタウンのルールについていけないビル捜査官の混乱ぶりが面白かったです。ただ、いつもと違って謎が科学的に解明されないところはちょっと残念でした。
    「マギー・ウオーカーは眠らない」……マギー博士がひょんなことから子守りをする話。彼女の冷静かつ合理的すぎる子守りに笑わせてもらいました。ラストも好みです。
    「絵画の描き方」……平賀とロベルトが絵画の修復に挑戦する話。本書中でいちばん好きな作品です。絵の具を調べたり作ったりする場面も興味深いですが、なにより平賀の暴走に笑いました。ロベルトかわいそう……。修復士のジジもいい味出してます。
    「ゾンビ殺人事件(独房の探偵2)」……アメデオ大尉の持ち込んだ事件を、ローレン(+フィオナ)が華麗に解決する話。ゾンビが登場するありえないような事件ですが、こちらはいつもどおり科学的な解明がなされていて安心しました。タイトルに「2」とあるので、このメンバーはまた再登場しそうな予感。
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    投稿日:2017.03.18

  • 粒選りの4作品

    藤木先生は本来長編作家ですが、この短編集はエッセンスを凝縮した濃い味わいで、これまた別の魅力満載といった一冊です。今回の蘊蓄は絵画でした。書き下ろしの「絵画の描き方」は、絵の具の作り方から絵画史まで豊富な知識を提供しつつ、その中に僅かなフィクションとロマンスを加えることで、とても生き生きした出来映えの作品でした。休日でも全然変わらない平賀さんは微笑ましいですが、ロベルトはちょっと災難でした。あのあと、キッチンに臭いが染み付かなかったかな、と余計な心配(笑)。その他、ビルがともかくカッコいいお話と、マギー・ウォーカー博士の意外な人間味がチラ見せのお話、そして若きローレンの推理が冴える(といっても本人にとっては暇つぶしでしかない)ゾンビのお話、と全部で4つの作品がてんこ盛り。さて、あなたのイチオシはどれでしょう?続きを読む

    投稿日:2017.02.25

ブクログレビュー

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  • tomojuju

    tomojuju

    このシリーズの短編はキャラの魅力が溢れてて好き。

    今回はマギーウォーカーの素がみえるストーリーと、平賀とロベルトの魅力が詰まった[絵画の描き方]が良かった。
    ロベルトが鼻歌で料理してる姿と、パジャマにガウン姿とファンサしてくれる傍ら、天然炸裂させてる平賀がこのシリーズらしさ満載で落ち着く。

    2023.4.9
    61
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    投稿日:2023.04.09

  • 秋待

    秋待

     バラエティに富んでいて、いつもと違った雰囲気も味わえるので、このシリーズの短編集は好きですねぇ。

    【チャイナタウン・ラプソディ】
     私は……何を読んでいるんだろう……? と遠い目になりながら読んでました。まさか、この淡々とした文章でぶっとびチャイナファンタジーバトルが繰り広げられるとは……ビルの夢オチと信じて疑っていなかったんだけどな……(汗)

    【マギー・ウォーカーは眠らない】
     今巻収録作の中では一番好きでした。スポーツカーをかっとばし、自作の爆薬で悪党どもを殲滅し、シリアルをきっちり計量しちゃうマギーさん、好きだわぁ(笑)

    【絵画の描き方】
     今巻の癒し枠作品。美術史の解説の詳しさはさすがです。それにしても、ロベルトが登場した瞬間の底知れない安心感よ(笑)

    【ゾンビ殺人事件】
     ローレンの話はとても好きなのですが、今回は「独房探偵」ぶりがあまり発揮されなくて少々残念。
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    投稿日:2022.05.25

  • クーコ

    クーコ

    チャイナタウン・ラプソディ
    マギー・ウォーカーは眠らない
    絵画の描き方
    ゾンビ殺人事件(独房の探偵2)

    4つの短編集。
    ファンタジー有り、サスペンス有り、ミステリー有りとイロイロ楽しめた短編集でした

    絵画の描き方は平和な話で
    まったりと読めました。
    続きを読む

    投稿日:2020.12.07

  • pnattsu

    pnattsu

    シリーズでおなじみのキャラ達による短編集。特に面白かったのは平賀&ロベルトコンビが出てくる絵画にまつわる話。絵具についてのウンチクが興味深く、当時の画家の苦労や情熱を想像しやすくなったような気がする。
    こうした短編集で、いつものシリーズものとは違う味わいの話を書いてくれるのは、一ファンとしてとても嬉しい!
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    投稿日:2020.04.21

  • kemukemu

    kemukemu

    今回は久しぶりの短編集
    ちょっとミッシェル話はおとぎ話前としていたけどこれはこれでよし
    マギーさんはなんかハリウッド超大作のサイドストーリー絵面
    平賀の話は目からうろこの絵画話でとっても勉強になった
    ローレン久しぶり、なんとも痛快なゾンビ話でした
    って感じで、とても面白うございましたとさ!!
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    投稿日:2020.01.06

  • 蓮子

    蓮子

    表題作含む短編4編収録。長らく積んでいたのですが久し振りに読んでやっぱりバチ官シリーズは面白い。ビルが主人公のチャイニーズファンタジーな「チャイナタウン・ラプソディ」は子供の頃に見た霊幻道士の映画みたいで楽しめました。平賀とロベルトが登場する「絵画の描き方」は相変わらずな2人が拝めます。平賀の天然っぷりが可愛い。表題作「ゾンビ殺人事件」ではローレンが登場。謎にどんな決着をつけるのかわくわくしながら読みました。マギー博士が活躍する「マギーウォーカーは眠らない」では彼女の人間らしい一面が垣間見えて面白かったです。マギー博士ってばかなり大胆。続きを読む

    投稿日:2019.11.21

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