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桜庭一樹 / 文春文庫 (47件のレビュー)
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総合評価:
理科好き
不思議な
まぁ他の作品を読んできていればあぁという感じにはなるが,いきなりこれを読んでも何のことやらという感じがすると思われます。 時空を超えて,話しが展開するパターンですが,今ひとつ良く練られていない感も。
投稿日:2017.05.21
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ゆづ
この物語には”少女”が生きている。 時をかける少女が現代にいたら、こんな少女なのだろうか。時代をこえて、少女と”少女”が出会う。繋がりを求めていた少女は、”少女”と出会い、何を思ったのだろうか。そう考…えだけで、私の目の前にも、青い空が広がっているような気がした。 とても不思議なお話だった。続きを読む
投稿日:2021.03.06
kazzu008
初めて読んだ著者の『本当の花を見せにきた』を読んで、それがなかなか良かったので、桜庭さんの初期の傑作長編と言われている本書を読んでみた。 結論的にいうと、すごく物語の雰囲気や文章は良いのだが、最終的…に何が言いたかったのか解らなかった。 『中二病』にかかった女子高生が現実逃避するように時空を超えていろいろな世界に飛んでいき、最終的に行きつくところに行き着いたという話なのか? 「SF的」というか「夢落ち」というか「走馬灯をみている」というか、ちょっと表現が難しい。 たぶん、リアルな女子高生や女子中学生が読んだら、この思春期女子特有の気持ちなのかどうかよくわからないが、共感できる部分がたくさんあるのかもしれない。 40をとうに過ぎた中年男子には本書はちょっと難しすぎました。 修行が足りないようなので出直します。 ただ、『「少女」という概念が、近代になって産み出された』というセンテンスには頷かされる。続きを読む
投稿日:2020.01.11
skyblueowl
17世紀ドイツ、2022年シンガポール、2007年日本、 3つの時代を少女が逃げるタイムトラベル。 システムの運用者とプレイヤーを思わせる構図と、 『箱庭』的に接続していく各時代は、 ゲームを思わせ…る。 全体としては荒削りで即興的な展開も感じられて 『習作』という印象を受けた。 何を思えば良いのかよく分からないラストだが、 何故か清々しい読後感。続きを読む
投稿日:2020.01.07
宮村陸
このレビューはネタバレを含みます
再読。のはずだがほとんど記憶になかった。時空を逃げ回るという設定は面白かったが、テーマがよくわからなかったかな。
投稿日:2019.06.13
コサミ
第1部が長くていちばん描写が丁寧で、途中まで、ドイツのマリーが主人公かと勘違いしてしまうほどだった。 でも読み進めていくとセーラー服の日本人の女の子が出てきて、それが、時空を旅してるヒロインの女の子(青井ソラ)だってことが途中からわかって、おもしろかった。 マリーの境遇も去ることながら、全体的にずっと憂鬱感があって、物語に勢いのようなものがあるわけではないのに、読むのをやめられないおもしろさがあった ケータイもパソコンもなかった中世ドイツから、AIがもっと進歩してる2022年までを通して、「繋がる」がテーマになっていた。 2022年シンガポールに生きるディッキーが、人との繋がりを実感することの困難さに悩む一方、辛く悲しく、過酷な境遇に置かれたマリーは、大切な人すべてを失っても、決して彼らを忘れない、いつまでも繋がっているということを感じていて、経済的な豊かさや発展と、人との繋がりによって感じられる温もりは反比例なのかなとか、どっちがいい時代なんだろうって考えてしまうような作品だった あと全然関係ないけど、マリーが、時空を超えてやってきた少女のことを「アンチ・キリスト」って呼んでるのがまじで爆笑だった 村上春樹的なファンタジーが好きなわたしにとって、はすごく好みな話 中学時代にハマった桜庭一樹の小説は、思春期の世代が感銘を受けそうな内容が多いのかと思ってしばらく読んでいなかったけれど、まだまだおもしろいものがたくさんありそうだ
投稿日:2018.12.27
ねこ
いったい、今この国ほどに多くの人が「物語」を求めているところがあるだろうか? 古本屋を覗きに行けば、小説や漫画の棚で立ち読みする人がわんさかいる。 インターネット上には多くのアニメ動画がアップされて、それに対してのコメントも溢れている。 私たちは日々「物語」を求めている。 それはきっと、退屈でありふれた日常から一時の間離れ、仮想、すなわち "ifで始まる世界" を体験したい、そういう欲望なのだ。 この本を読んだ後で考えたのは、そういうことだった。 つまり私は、中世のドイツの暗澹たる仮想世界に、そして近未来のシンガポールのキッチュな仮想世界にアクセスして、マリーとディッキーという二人の魅力的なキャラクターに思いを重ねた。 そして思うのは、この物語で一番の重要人物である「17歳の少女」もまた、私たちと同様にごくありふれた日常を送る高校3年生だということだ。彼女はひとつの疑問を抱く。私も当たり前に大人になっていくんだろうか?と。 ”どこかで時間軸がボコッと外れて、大人になれない子もいるんじゃないかな” この問いこそが、奇想天外なストーリーの鍵になっているとも言える。 当たり前に思っているけれど、もしかしたら実は……? どういう「物語」であれ、それが作られる発想の源は問いであり、その解だ。 この作品の素晴らしい魅力は、その問いと解の「配置」の妙である。 まずは中世のドイツという世界。10歳にして自分の運命を受け入れ、背負い、懸命に生きるマリー。見た目こそほんの子供であっても、「ある日突然大人になる」自分の将来をまっすぐに見据えているその姿。それこそ、「大人になることが想像できない」ソラにとっての、あるひとつの解だ。 その一方ディッキーの生きる世界は、「ケータイ」の時代よりいくぶんか技術が進歩している。 AIに感情をプログラムすることさえできる、バーチャルの発達した世界。そこでディッキー自身は、現実に人と人どうしが「つながる」ことの難しさを常に問うている。 ディッキーはソラに惹かれ、自分の生きる世界を投げうって旅立とうとする。けれど、目の前の「友達」であるチャムとは離れたくない、一緒にいたいという自分の気持ちに気づく。 これは、ソラが提示している「私は世界とつながっている」という「解」が、ディッキーの抱く問いに着地点を示したかたちだろう。 なんだかこねくり回した文章になってしまったけれど、とても良い作品だった。 退屈しているすべての人にとって、魅力的なテーマを提示してくれるそんな物語だと思う。
投稿日:2017.11.19
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