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司馬遼太郎 / 文春文庫 (30件のレビュー)
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総合評価:
Y-suke
1
歴史の流れを司馬遼太郎さんの解説で分かりやすく理解する
文藝春秋で連載されていた司馬遼太郎さんのエッセイ集です。 「この国のかたち」の三巻目になります。 全24本のエッセイが載せられています。 歴史に関して、 縦のつながり(時間軸)と横のつ…ながり(各国とのつながり)が 縦横無尽に広がっていく形で書かれています。 かといって、発散せず、 歴史の流れ・関連性を理解しやすい文章ばかりです。 また、司馬遼太郎さんの比喩がとても分かりやすいです。 「幕末における日本の世論は、いわば宇宙から異星が攻めてくるといったような荒誕な気分から発した。荒誕はかえって可燃性のガスを生む。」( 巴里の廃約より) 維新の時代のちょっとした事で爆発しそうな雰囲気。伝わってきます。 自分の興味にばっちりハマる話題が必ず見つかると思います。 一つ一つは長い話ではありません。 ちょっとした空き時間で読んでみることおすすめします。続きを読む
投稿日:2017.10.22
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hituji8
このレビューはネタバレを含みます
章ごとに取り上げる話題がとび、作者の頭の中を見るようだ。自由な思考、思いつくまま書いているような。実はとても難しいこと。
投稿日:2024.03.26
djuax
幕府フランス式陸軍。明治政府プロイセン式陸軍 ※普仏戦争で仏が敗北1871したので明治からはドイツ。ヨーロッパにもあんな田舎くさい、市民精神の未成熟な、国があったのかと驚きと共感。 ※中央集権の中韓…と異なり封建制の日本。とくに応仁以後は無数の豪族による割拠。日本は百千の破片になった。 ※李成桂は王位につき、明に使いを送り国号を明に選んでもらった。案に和寧と朝鮮があり、朝鮮が選ばれた。朝鮮は明の年号をもちいた。 ※扇子は日本の発明品。恵比寿天は七福神の中で唯一日本の神。 ※浪華はべつに帝都にならなくても、依然本邦の大市である。江戸は帝都にならねければ、百万市民四散して、一寒市になりはてる。 ※所領への私的執着という泥くさいものを、潔さという気体のような倫理に転換させた。さらにその潔さを、甲冑の華やさという造形的表現にも転換している。執着をおさえこんでの名誉希求(潔さ)が、さらに変化して、甲冑でもっておのれの優美さを表現。華麗な甲冑は、自分の死を飾るものでもあった。続きを読む
投稿日:2023.02.22
NaoYoshida
毎回、多岐にわたる一つのテーマについて詳しく出自などを掘り下げていかれるのだが、これが大変勉強になり、かつ面白い。個人的には、甲冑についての記述が、初めて知ることだったため余計に入り込んで読めた。
投稿日:2020.01.31
yuusou21
日本人のルーツに関わる話はおもしろい また、福沢諭吉の海外事情に疎かった(のかもしれない)という話も興味深かった
投稿日:2018.06.25
koba-book2011
「この国のかたち3」司馬遼太郎さん。 だいたい1992年くらいに連載されたもの。 「ふむふむ」と「へ~」が満載の第三巻。 神社仏閣めぐりとか、そういうの好きなんで。 個人的には全六巻を楽しみに慌てず…読んでいます。 (そもそも再読なんですが) 以下、もう完全に個人的な備忘録。 # ●室町時代、という時期に、日本は農業生産がぐっと上がった。 そして、現在まで続く「日本らしい文化や慣習」の多くはこの時代に出来た、という お話。 ●一方で室町幕府というのは、大名にのっかっているだけの弱い政権だった。貨幣も 自前で作れず、中国の銭を流通させていた。 ●室町末期~戦国。官が弱く、一方で商売、流通のエネルギーは増大。それを本能的 に分かっていて、邪魔な「中世のしきたり」を破壊して、銭、現金、合理主義を推進 した信長、秀吉。 ●「革命を起こした国は倨傲になる。特に革命で得た物差しを他国に輸出したがるという点で、古今に例が多い」 ●奈良時代というのは、国家が仏教をあがめて、仏教の威光を借りて全国を統治し た。政治=仏教だった。仏教は海外からやってきた最新の素晴らしいものだったか ら。だから、国家が寺を作った。だから、奈良の寺は巨大である。 ●しかし、徐々に、巨大な寺の僧が政治に介入してきて、良くない状態になった。なので、ときの政治家たちは、平安京に遷都。そして、政治=仏教のしがらみを排除。 ●だから、京都には奈良のように巨大な寺は無い。京都の寺は、国家ではなくて貴族が作っているので、豪華でも限りがある。 ●比叡山とかは、かなり国家が肩入れしたのだけど、奈良の轍を踏まないように京都から地理的に遠ざけた。 ●渡来文化以前の神道=岬や山など地理的なものも神だった。三輪神社。国つ神。やがて、「天つ神」が勢いを増していく。「国つ神」の名残は出雲神社になる。徐々に中央から都落ちしていったのだ。 ●江戸時代の海運。江戸初期は全て、京大阪の商品が優れていた。酒もしかり。「下る」「下らない」の語源。 醤油は徐々に関東が濃口醤油を開発して盛り返した。 ●江戸時代、商品経済、流通の発達。観念ではなくモノをモノとして考えるリアリズムの発達。 ●「尊王攘夷」というイデオロギー。中国の宋、南宋時代につくられた。そもそも単純に日本に輸入するのは無理があった。 ●日本の左翼思想が、日本独自の歴史の特性を考えずに、マルクス主義の概念に無理やり日本史を当てはめようとした誤謬。 ●近代日本文学、明治の文学は「東京出身者、東京弁が母語である人々の文学だった」。 ●言文一致体のベースに江戸落語がある。漱石も二葉亭四迷も。 ●地方出身者は、どうしても仕方なく美文に走る。坪内逍遥は自分でその限界を知っていた。 ●漱石の文章は、式亭三馬などの落語の影響から始まった。「坊ちゃん」。その口語的表現力に世間は喝采した。(今でも力がある)。 ●漱石の文体はその後試行錯誤を繰り返し(「虞美人草」では口語を離れ美文に傾いてみた)、「三四郎」で安定し、「明暗」で完成を見た。この分析、漱石ファンにはとても納得のいく解釈。脱帽。 ●七福神、布袋様の由来考察も面白かった。続きを読む
投稿日:2017.04.11
露草
自分の思考の根っこを探るように読んでいる。 国民性はそんじょそこらじゃ変わっていかないというけれど、これからどうなっていくのか、この本を読んで探っていきたい。
投稿日:2015.12.21
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