人類を超えるAIは日本から生まれる

松田卓也 / 廣済堂出版
(12件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
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  • タイトルの根拠のためには是非本文をご一読

    タイトルの根拠は本文中に一応記載されてますが、人工知能に関する日本の遅れに対して結構著者の願望もある感じ。人口知能が人類全体の知能を超えるという未来予測、いわゆる「シンギュラリティ(技術的特異点)」が2045年にはやってくるそうな。。。
    2045年問題というのはちらっと聞いたことあるようなないような、という感じですが、その前にSEとしては2038年問題の方が先で、気になりますw。
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    投稿日:2016.05.26

  • 人工知能は21世紀の産業革命となるのか

     人工知能が人類を超える。まさに、SFさながらターミネーターのスカイネットが人類に対して宣戦布告する話を想像するかもしれませんね、この本のタイトルだと。(そういえば、スカイネットを作った会社と同名の会社が日本に存在してました。)
    確かにこの本には、SFで人間に反旗を翻す(一部例外もあり)映画を紹介してますが、著者を始め人工知能の専門家は、そういうことは起こりえないと断言しています。
    人工知能といっても、その知能をどこまで人間に近づけるのか?
    実は人工知能の専門家によって知識、感情、人格の全部、または一部と求めるものが大きく違い、したがってアプローチも違っているのです。

     人工知能はチェスに続いて囲碁の世界チャンピオンにも勝利しました。ただし、この人工知能はチェスや囲碁への特化型であります。
    特化型は決められたある分野では人間の能力を超えてきましたが、それしかできません。
    なので、汎用的な人工知能の開発がこれからのメインとなってきます。有名どころでは、Google、IBM、フェイスブック、マイクロソフトがインターネットを元に情報を集めて人工知能に資金と技術を結集して、本気を出してきました。
     特にIBMは、渡辺謙がCMで会話している「ワトソン」が有名ではありますが、これとは別に人間の大脳新皮質の再現を目差しているジェフ・ホーキンスと共同開発を始めています。
    ちなみに、人工知能の開発者のなかには、「宇宙の神秘を解明」が目的で手段として人工知能を生み出そうとしている人がいます。先のジェフ・ホーキンスやGoogleに会社を買収されたデミス・ハサビスがそうです。

     さてさて、日本での人工知能の取り組みはどうなっているのか?
    日本は過去、国家プロジェクトで第5世代コンピューターというものがありました。「○○の場合は、○○する」というルールを積み上げていけば、人工知能ができるのではないか? そういう考えで1980年代に研究されていましたが、このプロジェクトは失敗します。もっとも、同じ「ルール型人工知能」を研究していた外国勢も失敗してましたが。このプロジェクトの本当の失敗は、人間の知能を過小評価していたからだと言われています。

     では、21世紀の日本では、どのようなアプローチで人工知能を開発されているのか?
    「全脳アーキテクチャ勉強会」というグループで汎用人工知能の開発が始められています。人間の脳の機能は、実はいろいろな部位からなりたっています。大脳、小脳、海馬、基底核、扁桃角などです。これらの同等の人工脳機械学習器を作って組み合わせれば、人間の脳と同等かそれ以上の人工知能を作り上げることができるという考えをもとに、全脳アーキテクチャ勉強会は活動を行っています。

     冒頭では、人工知能が人類に反旗を翻すとは専門家は考えてもいないといいました。
    でも、そういう考えは蔓延しています。例えば、起業家のイーロン・マスクや物理学者のスティーブン・ホーキングは人工知能における危険性を訴えています。著者はこれを「ハリウッド的世界観」と切って捨ててます。
     なぜ、ここまで温度差は大きいのか? それは、ハリウッドに出て来る人工知能を作り上げることがほぼ不可能なことを、専門家は知ってるからにほかなりません。

     ただ、人工知能が発達すると、別の意味での危険性は存在します。
    まず、人間は仕事を奪われます。下手すると芸術家も仕事を奪われます。ただこれは、ギリシャ・ローマ時代の再来になると予想している人もいます。いわゆるギリシャ・ローマ時代は労働を奴隷が行っていました。この奴隷の部分を人工知能が担うことで、人間は遊んで暮らせる世界が来るという予想です。
     もう一つの危険が、格差の拡大です。いわゆる、人工知能を手に入れた国家はより発展をしていき、人工知能を持たざる国は支配されていう世界です。
     これらは、どちらも人工知能がもたらす問題ではなく、人間側の問題ではありますが。

     人工知能は21世紀の産業革命になり得るでしょう。なぜなら、生活が想像絶するくらいに一変するからです。
    産業革命に乗り遅れた国は、世界の主流から取り残されました。この流れに乗れなければ、日本も今の世界的立場でいられる保証はありません。
    そして、日本はこれから少子化の影響で人口は減っていくでしょう。でも、これはある意味チャンスなのかもしれません、少ない人口で社会を回るように社会変えていくのに人工知能は手段の一つとして有用なのですから。

     世界は2030年を目標にプロジェクトを走りだしています。日本がこれに追いつき追い越す為の切り札が、齊藤元章氏の人工知能プロセッサ「NSPU」です。最後の章は著者と齊藤氏対談が載せてあります。
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    投稿日:2016.08.21

ブクログレビュー

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  • hayataka

    hayataka

    シンギュラリティの意義定義、そこから逆算した人工知能研究の方向性(弱い汎用AI)とキーテクノロジー(ソフト:HTM理論、ハード:NSPU)を紹介。もちろん、人工知能研究の現状整理にも使える。主流のDeepLearning(Google、FB)、傍流のHTM理論(IBM、Numenta、Vicarious)。次はJeff Hawkins氏(HTM提唱者)の著作「考える脳 考えるコンピュータ」、斎藤元章氏(NSPU提唱者・ペジーコンピューティング社長)の著作「エクサスケールの衝撃」を読みたくなる。続きを読む

    投稿日:2020.12.20

  • aspoundation

    aspoundation

    意外にも面白いでんす。
    AIとは何ぞと本書いている間にもう2017年で、
    もう書いたあることとっくにこしてましますやん。
    という時代に生きている。

    いろいろ興味はあれど、なんか自分とつながらないのが残念で仕方がない。
    超知能よ俺にこい
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    投稿日:2018.10.15

  • nztak

    nztak

    このレビューはネタバレを含みます

    <映画等>
    ●漫画「甲殻機動隊」 →人間の電脳化
     ・映画「GHOST IN THE SHELL」1995年超有名★見よう
     ・映画「イノセンス」
    ●映画「her/世界にひとつの彼女」→意識や感情を持つ人工知能
    ●映画「トランセンデンス」→マインドアップローディング
    ●「ルーシー」→生身の人間の知能増強
    ●映画「2001年宇宙の旅」


    ・グーグルは火災報知器の会社買収→家の中を監視

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    投稿日:2017.07.29

  • arafunesan

    arafunesan

    2017/05/13:読了
     第2章のディープラーニングなどの説明が、ものすごくわかりやすかった。

    投稿日:2017.05.13

  • nishitomo0810

    nishitomo0810

    他にもAIについて読んでいたが、それらのまとめ本で特に新しい知識は得られなかったが、まとめという意味では○。

    ・人工知能:人間のように考えることができるコンピュータ
    ・「トランセンデンス」という映画に、「人々は知らないものを恐れる」というセリフがある。ここに人間の真実があるのではないか?
    ※いろいろ人工知能の良し悪しの議論の本質があるのではないか?ということ。
    ・生身の人間の知能を増強するには、「外的な」方法であられる知能増強には限界がある。
    より可能性がある方法としては遺伝子操作。
    ・「2001年宇宙の旅」人工知能の考え方は人間とはまったく違う。と考えるべき。人間中心主義で物事を考えてはいけない。
    HAL9000は、与えられたミッションを達成するために、人間はむしろ邪魔と判断する。これは合理的な考え方。
    「ペーパークリップマキシマイザ」。人工知能がペーパークリップをできるだけ創れと言われると、地球に収まりきらない量を創る。
    ・未来は総カルチャーセンター化すると私は予想している。将来の人間は趣味に没頭するだろう。茶道や華道などの趣味が増え、その先生が必要にある。
    ・自律的なロボットが人間の脅威にならないためには?
    ①必要以上の知識をもたせない、②馬力は必要最低限にする、③オートアップデートさせない、④いざとなったら電源OFFにできるようにしておく
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    投稿日:2016.05.16

  • tamamura57

    tamamura57

    SF映画の紹介からと難解なイメージの人工知能を話を柔らかく導入しつつ本題に入るもWebの記事などで読んだような内容が多いですが、とっつき易く広く網羅している良書です。
    目新しい(単に私が知らなかっただけ)のは、パーム(Palm)というPDAで成功したジェフ・ホーキンスが提唱する大脳の構造や信号処理を模した生物学的アプローチで階層的時間記憶理論(Hierarchical Temporal Memory Theory = HTM理論)というのがあり、IBMもホーキンスと共同で研究所を開設したようです。
    また、表題の「人類を超えるAIは日本から生まれる」の根拠は、コンピュータの消費電力あたりの性能を競うグリーン500で1位から3位まで独占した日本のベンチャー企業であるペジーコンピューティングが、更にニューロ・シナプティック・プロセッシング・ユニット(NSPU)の開発に挑んでいることに期待をしているようです。
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    投稿日:2016.05.04

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