【感想】細胞の中の分子生物学 最新・生命科学入門

森和俊 / ブルーバックス
(17件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
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  • ノーベル賞受賞直前の著者が説く武士道的細胞生物学

    医学生理学は、疾患があって研究が成立するものとばかり思っていました。巷間庶民のレベルにおいては、小胞体異常疾患など聞いた覚えがありません。なのに、小胞体ストレスなる生命現象をライフワークに選ぶなんて著者はよほどの奇人(想像を絶する偉人の意)なのだろうと思いました。その興味本位から読み始めた書です。
    平易ではありません。高校生物の上級、あるいは理学薬学系の生化学Iくらいの知識は必要でしょう。
    こう直裁的に記してしまうと、読破の意欲を削いでしまうかもしれません。本意はそうではなく、多くに方々にお薦めしたいノンフィクション研究史です。何と言ってもongoing なところが素晴らしい。武士道の精神を感じる著者の生き様に深く感銘を受けました。書の80%は、小胞体ストレスを理解するための知識整理です。ラストで一瀉千里の勢いを得て本題本質に迫ります。目睫に迫るなまめかしさで細胞の姿が1つの心象風景となり、圧倒的な説得力で行間までもが躍動します。読後感が、まるで痛快な推理小説のよう。同じ日本人であることが誇らしいです。そして、自分自身の身体に畏怖の念を抱きます。生命って凄い! 細胞って偉大だ!
    まだこんなに未解明な分野があったとは驚きでした。著者には、もっと自慢話の糊塗に専心して頂きたかったくらい。それに資する壮大な研究観です。
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    投稿日:2016.07.16

ブクログレビュー

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  • (元)中3受験生

    (元)中3受験生

    夏の課題として読んだ。なかなかの理解力と読解力がないと完全に自分のなかに知識として取り込めない内容だなァと思った。だからこそ、今まで全くわからない部分がスッキリと解決できたときにはものすごい達成感らしきものを大いに感じた。
    ただ、初学の私は部分的ではあるがほぼ2、3周は同じ文を読まないと理解できなかった…しかし、6、7章が今までの知識の集大成的な場面で、すべてが1つのストーリーと化している部分が小説のように思えた。つまり私たちの体は小説でできているということか。(???)
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    投稿日:2023.08.26

  • とも

    とも

    高校で生物を選択しなかったのでとても勉強になった
    ただ、3章までは化学っぽい内容なので理解しやすかったが、4章以降は固有名詞が多く難しく感じた
    一般向けに優しい語調なのはよかった

    投稿日:2023.07.16

  • hamakoko

    hamakoko

    https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000057393

    投稿日:2022.09.05

  • マルレラ

    マルレラ

    細胞生物学の入門書。

    近年話題の小胞体ストレスについて学ぼうと思い、本書を読んでみました。

    生物の基本的な知識から細かい機能までとても分かりやすく説明されており、勉強になりました。生命現象の理にかなった仕組みや、生命体があらゆる複雑なネットワークを駆使することで維持されていることに感心させられました。

    著者が発見した小胞体ストレス応答がノーベル賞を受賞することに期待しています。
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    投稿日:2020.04.29

  • koichimatsuo777

    koichimatsuo777

    結構むずかしかったですが、いろんな例えやノーベル賞小ネタが挟んであって面白いしそれなりに分かりやすいと思います!細胞はよくできているなーとびっくりしました。

    • コドンは全ての生物で共通
    • ヒトゲノムのうち、たんぱく質の情報が書き込まれている遺伝子領域はわずか1%程度
    • ミトコンドリア細胞内共生説(むかーし昔、嫌気性細菌が好気性細菌を取り込んで共生を始め、好気性細菌が現在のミトコンドリアになったという説。ミトコンドリアは核内のDNAとは別のDNAを持っている。)
    • 人間の赤ちゃんは(も)出生直後オートファジー(自食。細胞が自分の一部を分解すること)で食いつないでいるかもしれないことが、マウスの実験から示唆されている
    • 分子シャペロンがたんぱく質が正しく立体構造になるのを助ける
    • 小胞体内でたんぱく質の品質管理がされている。何らかの理由で異常なたんぱく質が増えると、それを減らすような反応が起きる。これを「小胞体ストレス応答」と呼ぶ。
    • 小胞体ストレス応答はいろいろな病気のメカニズムに関わっていることが示唆されている。例えば、異常たんぱく質のセンサーであるPERKの遺伝子を破壊したマウスは、すい臓でインスリンを作るベータ細胞内で異常たんぱく質が増え、最終的にアポトーシスを起こし、インスリンが作れなくなり、糖尿病を引き起こす。
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    投稿日:2020.04.20

  • srgbook

    srgbook

    http://www.local/book/pdf/s/saibono_nakano_bunshiseibutsugaku/saibono_nakano_bunshiseibutsugaku_s.pdf続きを読む

    投稿日:2018.08.30

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