【感想】ロックイン-統合捜査-

ジョン スコルジー, 内田 昌之 / 新☆ハヤカワ・SF・シリーズ
(12件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
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  • パンデミック後の近未来を描いた電脳SF

    意識はあるが体を動かせない「ロックイン」状態を引き起こすヘイデン症候群が蔓延してから数十年。未だ完全なる治療法がないこの奇病は毎年「ヘイデン」と呼ばれる人々を何百万人も世界中に生み出していた。彼らをサポートする為に発達したニューラルネットワーク技術のお陰で「スリープ」と呼ばれるロボットを操作したり、「アゴラ」と呼ばれるオンライン空間を利用してなんとか通常の生活を送っていた彼らの前に、アメリカで折しも毎年膨大な費用がかかる「ヘイデン」の助成金や支援を削減しようという法案が通った事から事態はキナ臭い方向へと動き出す…。

    とにかく最初はこの社会情勢やヘイデンやスリープ、そして題名にもなっているロックインや統合者などの世界設定を理解するのにそれなりの時間がかかります。まあ話が進むに連れある程度迄はわかってくるようになるのですが、やはり理解して読んだ方が面白さは全然違うでしょう。主人公のシェインは幼いころに「ヘイデン」になった「スリープ」を操る新人FBI捜査官で配属の初日から先輩捜査官のヴァンとともに「ヘイデン」がかかわる事件の捜査にあたるのですが、この初っ端の捜査シーンから先ほどのキーワードのオンパレードになるにで結構?マークが飛び回るかと思います。このシーンを意識が飛ばされないよう読み切れば後は楽しい近未来世界が待ってます。

    私的には攻殻機動隊の世界観が近いかなぁと感じました。「スリープ」はもろ「義体」だし、ニューラルネットワークも「電脳」っぽいしね。あの世界観が好きなら本作も楽しめること間違いなし。若干シェインがいい子ちゃん過ぎて主人公にしては薄味なのが気になりますが、大変作り込まれた世界観なので是非とも続編をお願いします。(短編は1編あるようですが。)
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    投稿日:2016.02.28

ブクログレビュー

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  • Giorno

    Giorno

    パンデミックが漸く終息した後に発生する社会混乱の最中、事件解決に向け奮闘するFBI捜査官バディものであるが、近未来の医療科学やアンドロイドのネタを盛り込みつつ、政治・経済・社会がどう動くのかシュミレートしながら物語全体をひとつに組み上げたSFミステリであり、ファンの期待を裏切らない出来映えである。続きを読む

    投稿日:2022.08.29

  • おさるのかごや

    おさるのかごや

    ロボットや能力者に実際に誰が乗っていたのか、そこを見つけるのがこの話の面白さです。だんだん混乱してわけが分からなくなってくるのですが、途中で主人公が情報整理をしてくれるたので助かりました。

    投稿日:2021.11.18

  • winder

    winder

    これは面白かった!何ていうか、いちいち設定が良くできていて、この世界にドップリ浸れました。やるなぁ、スコルジー。

    投稿日:2018.12.25

  • 波瀬龍

    波瀬龍

    【由来】
    ・確か早川書房のfacebook

    【要約】


    【ノート】
    ・洒脱な都会派の装いの近未来SF。スコルジー、初体験。ドローンランドとのシンクロ率高し。同じ世界の話と言われても通じそうな匂い感。

    ・総じてイマイチ。いや、楽しくは読ませて もらったけど、例えばハイペリオンの時のような圧倒的な読後感ではないという。
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    投稿日:2018.10.28

  • るこ

    るこ

    SF。ミステリ。サスペンス。
    パンデミック&ロボット&ニューラルネットワーク&殺人事件。
    主人公は新米FBI捜査官シェイン。
    まず、疫病蔓延後の世界観が、なかなかリアルで良い。
    SF設定が、ミステリのフーダニット・ハウダニットと繋がっていて、なかなかの完成度なのでは?
    シェインと相棒のヴァン、二人の会話が意外とコミカルで、読みづらさを感じないのも好印象。
    著者の作品は初めて読んだが、他の作品も読みたいと思う、非常に満足できる作品でした。
    続きを読む

    投稿日:2018.06.23

  • yuuyom

    yuuyom

    スコルジーが、また新しい世界を作った。新種の疫病により、四肢麻痺状態に陥ったヘイデンと呼ばれる人たち。科学技術の進歩により、機械の身体をリモートコントロールして、他の人に交じって行動することができるようになった。主人公は自身もヘイデンであり、FBIの新任捜査官として、ヘイデンが関与している事件解決にあたる。いかにも映画になりそうな設定。主人公も、周囲の人たちも魅力的で、ミステリとしてもしっかり構成されている。ヘイデンを取り巻く政治的な状況は、現在、私たちが抱えているいくつもの問題と呼応していて、その意味でも面白い。続編の予定があるそうなので、この世界をまだ楽しめるらしいのも嬉しい。続きを読む

    投稿日:2018.02.25

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