【感想】サウスバウンド

奥田英朗 / 講談社文庫
(39件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
13
16
6
2
1
  • オヤジ、まさに豪放磊落、快刀乱麻の大活躍!

    後半、西表島に行ってからの展開が面白い!
    何度も腹を抱えて笑ってしまった。
    素晴らしい両親と暖かい周りの人々に囲まれ二郎君はどの様に成長していくのか?続編が望まれます。

    投稿日:2015.11.19

  • サウスバウンド

    無意識のうちに自分のなかにひろがっていく「常識」。我々はその中で周囲の人々とぶつかるのを避けることで穏やかに過ごせると信じているが、実は、それこそがストレスの原因だったんだ!家族との関係や学校での出来事を、「常識」武装がまだできない頃の子どもの視線で物語るストーリーは、常識で制限されない新鮮な光と影と、勝ち負けを越える自由の中に私たち読者を連れていってくれる。読むと視界が明るく広くなること確実!この作家、名作中の名作!読んで外れなし!
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    投稿日:2016.07.24

  • 前半と後半の対比

    題名とか紹介文から「イン・ザ・プール」系列のユーモラスな作品かと思って読み始めた。ところが、学校内いじめやすっかり時代遅れの過激派の話など、シリアス系のストーリーなのですっかり驚いてしまった。ところが後半は、明るくて輝かしく、終盤への盛り上がりも十分で大変に読み応えがある。主人公を小学六年生にしたのも成功の秘訣かな。前半の沈んだ重苦しい雰囲気との対比が際だっている。西表島の人々の生活は原始共産制を彷彿とさせる。南の島だからこそ成立するものではあるが。
    確かに多様な作風を持つ作者奥田英朗だけにこのような前後半の対比ができるのだなと、改めて感銘を受けた。
    とりわけ母親のさくらさんの「男らしさ」とても素晴らしい。
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    投稿日:2023.07.28

ブクログレビュー

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  • ファンタジ好き

    ファンタジ好き

    やめられない止まらない。小中学生の悩みをこんなリアルに描いて追体験できる作品って他にない。いや、こんな特殊な環境の小学生早々いないだろうけどさ。とにかく読んでてこっちの感情が引きずられるくらい引き込まれる。後味もいい。続きを読む

    投稿日:2023.06.18

  • びん

    びん

    前半は気持ちが沈み込むような重い展開だったけれど、西表島へ移住してからのストーリーは、どこか筒井康隆さんを彷彿とさせるドタバタの連続で、常識外れだった父親のキャラが際立って活きてくる。 ラストシーンには新たな夢が込められていて、暗い読み出しと違って温かい気持ちで読み終えることが出来た。(*^_^*)v続きを読む

    投稿日:2023.04.29

  • レモン

    レモン

     家族の絆を描いた傑作長編というと心温まるほっこりストーリーかと思うが、読んでみるとかなり特殊な家族だった。元過激派の父には最初反発しか覚えなかったが、西表島に移住してからはどんどん格好良く見えてきて不思議な気持ちに。子どもたちを力ずくで自分の思想に染めようとしないところが良い。こんな父親が良いかと言われると首を傾げるが、実際に父親だったなら誇りに思えるお父さんだっただろう。自分の非を手紙で認めた南先生も、移住後に吹っ切れたかのような母と姉も魅力的な人物でいっぱいだった。続きを読む

    投稿日:2023.04.24

  • ウォーリー

    ウォーリー

    一部の東京編が二部の沖縄編の痛快さをより際立つものにしていると感じた。
    長編ですが、途中からは辞めどきがなくなるくらい面白い。

    投稿日:2023.03.05

  • もりお

    もりお

    小学生が主人公で、「奥田英朗にはこういう作品もあるんだ」と思った。この作品に限らないけれど、小説に出てくる小学校高学年というのは、考えているし、よく察するし、とても大人っぽい。自分の小学生の頃ってもっと子供っぽくて、何にも分からなくて、何にも考えてなかったなと思う。自分の発達が遅かったのか、記憶が捏造されているのか、大人向けの小説だから大人っぽく書かざるを得ないのか、作者も匙加減が分からなくなっているのか、よく分からない。

    西表島はそんなにのどかなところなのかなぁと疑問。自分の地元は田舎だけど、たぶん中野とそう変わらなかった思う。

    家族って良いねと思った。
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    投稿日:2022.07.09

  • シップ

    シップ

    元過激派で無政府主義者の父を持つ主人公の二郎。その二郎の視線から父が巻き起こすさまざまな騒動が描かれる。父は社会からのはみ出しものだが、主人公は社会に順応しており、常識的な目線で読者を導いている。

    主人公の父親の行動は、社会不適応で、時には滑稽でありもするが、一方で社会で普通に生きる人間でも感じる矛盾等を炙り出す。
    作中では、国家であったり、法、経済、のあるべき姿と脆さが普段とは違う視点から問題提起される。また、原始社会ではそれらが必要なく、その姿に近い理想郷として沖縄の果ての島が舞台として選ばれている。
    主人公の父の姿は、作中の台詞にもある通り極端ではあるが、全く荒唐無稽ではなく、一面では真実を捉えている。そう言った意味では考えさせられる。
    一方、語り口はユーモアたっぷりで、青春の懐かしさも感じられる。
    続きを読む

    投稿日:2022.06.15

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