【感想】生贄のマチ 特殊捜査班カルテット

大沢在昌 / 角川文庫
(21件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
3
10
7
0
0
  • 非正規特殊捜査班の若者3人の成長物語である

    カルテット①クチナワ~車椅子の警視正②カスミ~謎の美少女③タケシ~家族を殺されて心を閉ざす少年④ホウ~中国残留孤児だった祖母と日本に帰国するも馴染めず苦しむ少年。以上1人の刑事と非正規特殊捜査班の若者3人。第1部はメンバーの出会いのエピソードが中心で暴力シーンが多く挫折しそうになった。第2部では不法入国の中国人が住みついている街に3人は潜入する。日本の九龍城といった感じで警察も手を出せない危険地域である。そして中国に帰っても住む場所のない人々が寄り添う場所でもある。少女殺害や麻薬密造と売買が絡んでくる。
    数年ぶりの大沢作品。100円だったので購入したというのが正直なところ。新宿鮫とは全く雰囲気が違う作品で賛否がわかれている。若者向けに書いたと解説には書いてある。それにしては中国残留孤児というテーマは古すぎるように思うが若者が反発しながらも仲間を信じていく成長物語としては素晴らしい内容である。
    このシリーズはあと2冊出ていてカスミの謎とタケシの家族を殺した犯人が解明されるものと思われる。第1部で文句を並べたてた割には満足して読み終えた。今は続きを読む気満々である。
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    投稿日:2017.04.30

ブクログレビュー

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  • taka00812

    taka00812

    十字架の女王を読んで面白かったから
    また読んでみたカスミ、タケル、ホウの
    3人チームで宗教団体の闇を暴く

    投稿日:2023.07.18

  • reso100

    reso100

    塚本を抹殺する前編のような「渋谷デッドエンド」で配役が登場し、表題作で彼らの活躍に焦点が当たる構成は、面白いと感じた.クチナワが全体をコントロールし、タケル、カスミ、ホウらが派手に動き回るが、ミドリ町へ彼らが侵入する件が楽しめた.ヤクが当然のように行きかう町、日本の中の中国と言える雑多な町.このような場面を創造する著者の発想に感心した.クチナワとうまく連携して、窮地に追い込まれたカスミを救い出し、黒幕の敦(トン)を暴き出したタケルとホウの活躍は素晴らしかった.続きを読む

    投稿日:2023.06.04

  • じゅう

    じゅう

    大沢在昌の長篇ミステリ作品『生贄のマチ 特殊捜査班カルテット』を読みました。
    『流れ星の冬』、『亡命者 ザ・ジョーカー 新装版』に続き、大沢在昌の作品です。

    -----story-------------
    警察小説の名手・大沢在昌の新たな挑戦! 
    異端者4人組の潜入捜査班!

    家族を何者かに惨殺された過去を持つタケルは、クチナワと名乗る車椅子の刑事からあるチームに誘われ、組織の謀略渦巻くイベントに潜入する。
    孤独な潜入捜査班の葛藤と成長を描く、エンタテインメント巨編!
    -----------------------

    2010年(平成22年)刊行された作品… カルテットシリーズの第1作『カルテット 渋谷デッドエンド』と第2作『カルテット2 イケニエのマチ』を合本して文庫化された一冊です。

     ■渋谷デッドエンド
     ■生贄のマチ
     ■解説 若者たちに開かれしハードボイルドの息吹 小島秀夫(ゲームデザイナー)

    子供の頃、家族を何者かに惨殺され、怒りに衝き動かされるタケル… 中国残留孤児三世に生まれたことで日本人を憎むホウ… 出自から目的まで、すべてが謎に包まれたカスミ… そして、3人を特殊捜査チームに仕立てようと目論む、警視庁の異端者クチナワ、、、

    それぞれの想いを秘めた4人が犯罪に立ち向かう… タケルはクチナワと名乗る車椅子の刑事からあるチームに誘われ、組織の謀略渦巻くイベントに潜入する。

    それは“本社”という組織が麻薬売買目的で企画する音楽イベントへの潜入だった… 孤独な潜入捜査班の葛藤と成長を描く、エンタテインメント巨編、開幕!

    主人公の3人の活躍が現実離れしているのでリアリティはないのですが… 文体の歯切れがよく、テンポもよくて、キャラクターにも魅力があるので、とても読みやすかったですね、、、

    自分も主人公たちと同じ10代になった気分で、大人の裏社会を背伸びして覗き込んでいる感覚で読めました… 大沢在昌らしい、娯楽作品、エンターテイメント作品に仕上がっていたと思います。

    本作品に収録されている2篇で、バラバラだった3人に絆が芽生え、仲間として認識し、チームとして機能し始めたので、今後の展開が愉しみ… 続篇も読んでみたいですね。
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    投稿日:2022.07.24

  • touxia

    touxia

    「渋谷デッドエンド」
    タケルの存在が 光っていた。
    暴力を振るうことで、鬱憤を晴らす。
    それでも、ナイーブな存在。
    車椅子に乗った警視正のクチナワは、怒りを集めてエネルギーにするという。
    美少女 カスミは、一体何を考えているのだろうか?
    不思議な存在でもある。裕福な良家の娘という設定か?
    ホウは、残留孤児3世という出自による日本への恨み。
    渋谷のDJのコンサートでの活劇は大沢在昌らしい。

    「生贄のマチ」
    タケル、カスミ、ホウは、日本におけるクーロン城に
    潜入調査。覚醒剤の製造と少女殺しの犯人を探す。
    宗教を装いながら、覚醒剤を製造する。
    女をインランにさせる薬を開発するというのが、しょぼいなぁ。
    そのショボさが、物語のレベルを下げてしまう。
    続きを読む

    投稿日:2019.12.30

  • バス好きな読書虫

    バス好きな読書虫

    家族を惨殺され、一人生き残ったタケルは、法的に裁かれない人間に私的制裁を加える日々を送っていた。
    そんなタケルは謎の人物クチナワに出会い、極秘潜入捜査に加わることに。最初に潜入先で他のメンバー、カスミ、アツトと出会い、チームとして警察では捜査出来ない特命の潜入捜査を行っていくシリーズ。
    久しぶりの大沢作品。チームを組む3人の年齢が若いので、最初は物語に入り込みにくかったが、敵との対峙シーンなどはさすがに大沢在昌。読み応えあり。
    中途半端な警察小説ではなく、あくまでもエンターテイメント作品として楽しめる。
    タケル、カスミ、アツトのそれぞれの成長と、過去の謎がこれから描かれると思うと、今後も楽しみ。
    続きを読む

    投稿日:2019.04.06

  • demukatsu

    demukatsu

    テンポよく読めて面白かった。物語の設定も突拍子もないけど、続きか気になって読み進めた。カスミの秘密が気になります。
    次回作に移ります。

    投稿日:2019.01.28

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