【感想】美貌格差―生まれつき不平等の経済学

ダニエル・S・ハマーメッシュ, 望月衛 / 東洋経済新報社
(28件のレビュー)

総合評価:

平均 3.0
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  • 期待をしていたが。

    面白いテーマだと思って読んでみたが、斬新な主張もないし、データに説得力もなかった。

    好きな訳者でもあり期待をしたのだが読んで得られたものがほとんどなかった。

    「美貌格差」というものには興味があるが、この本では多少そういうものがあると述べている。続きを読む

    投稿日:2015.05.22

  • ピケティなんて目じゃないぞ、この格差

    美形の方が収入がよいだなんて・・・
    美形の人はモデルや俳優などの職業に就くから、収入が良くなるのも当たり前では?
    と、思った人は甘い甘いですぞ。同じ仕事をして貰えるお給金に差が出るという話なのです。
    これは、美形の人に仕事ができる人が多かったため、たまたま美形の方が収入が高いという結果がでてしまった。確かにその可能性は考えられます。しかし、その儚い願望は、実験と統計にとって導きだされてしまったのです。

    とはいっても、データはこういう傾向を示しているが、本当のところはまだよく分かっていない。と正直に話していたりする。
    とはいえ「エピソードの複数形はデータだよ。」は含蓄溢れた言葉です。
    データが少ないからといって、傾向があるのならば、それを無視するのは得策ではないということです。
    (吟味した結果、その傾向は取り上げないというのは、もちろん有り)

    では、なぜ美形が収入が高くなるのか?

    それは、雇い主が「美形」が大好きだから。
    「神様、ウチのスタッフと来たらなんてステキなんでしょう。わざわざブサイクな連中を雇って働かせる人たちのきがしれないわ」 by ミックジャガーの娘、ジェイ土・ジャガー

    では、なぜ美形を雇うのでしょう。だって、美形の方が会社に利益を与えてくれるから。

    「思い込みを砕くよりも、原子を砕くのが簡単だ」by アインシュタイン

    実際問題として、容姿が整ってると有利な仕事は存在しますが、容姿が整ってる社員が多い方が必ずしも利益を叩きだしているわけでないという話です。
    つまり、同じ成果をだしても、美形の方が収入が良くなるという恐るべし結果が・・・

    では、頑張って身だしなみで差を埋めようと考えたあなた、ちょっと待って下さい。
    美貌と体型や身だしなみは独立したものなのです。
    つまり、いくら着飾っても「美人」とか「美男子」とは認識されません。いや、ま、知ってましたけどね。

    では、美形という価値は何と交換する又は置換することができるのだろうか?
    そのヒントが、次のエピソードです。

    他の人が自信の利益のためにこうどうしでもその行動の悪影響が間接的にあなたにも及び事例があるかどうかの問いかけに対して。ある女子学生の答えがこれです。

    「とても可愛いルームメイトが、大きく引き延ばした彼氏の写真を天井に貼ってる。寝る時にその写真が目に入って気分を害します。」
    「なぜ、気分を害するのです?」
    「だって、その彼氏本当にブッサイクなんだもの」
    「なぜ、その可愛い彼女はその男性と付き合ってるのかな?」
    「彼、もの凄く頭がいいです」

    さあ、世のブサイクな知識と知能を身につけようぜ!!

    とはいえ、現実問題して、容姿が当程度の方が夫婦になる確率が高いことには変わらないのである。

    こんな可哀相なブサイクは、法律で守るべきか? という話に発展する。
    いやゆる、人種や民族、信仰等々の人たちと同じように保護ができるかという話である。
    問題点としては下記の通り
     ・美貌は主観的であり、判断はどするか?
     ・ブサイクを守るあたって、筋は通るか?
     ・どのような政策を施すか?
    アメリカにおいては、法律で守ることはそうそう的外れではないそうです。

    最終的に最小の努力で最大の効果を求めるならば、己の容姿を念頭に考える必要があります。
    続きを読む

    投稿日:2015.06.14

ブクログレビュー

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  • らて

    らて

    なかなか胸糞だし外見コンプをフル加速させる本ですが、夢中で読みました。正直読んでいて気分が悪くなる人もいるんじゃないかと思います。

    投稿日:2024.01.30

  • ミイ

    ミイ

    見た目は大事っていう当たり前の結論。
    収入面でいうと、女性より男性のほうが美醜で差がつきやすく、特にブサイクは不利っていう救いの無い話でアチャーと思う。
    経済学というより感想文のような本ですな。

    投稿日:2023.03.03

  • ハナハル

    ハナハル

    読めなかった…
    内容は覚悟?していたから笑
    別になんでもいいのですが、
    くどい。結局、何が言いたいのか分からない。
    よく「英語は結論が先」とか言うけど、
    こういう本については、
    全然日本の本のほうが分かりやすい、
    と思うんだけど。
    それが再確認できました笑
    続きを読む

    投稿日:2022.07.23

  • ゆる薬剤師カシオペイア

    ゆる薬剤師カシオペイア

    経済学の視点から、美しいことが現実的にはどれだけ得なのかについて明らかにした一冊。

    イケメンや美人が経済的に得であることは、誰しも生きていれば感じることだと思う。ただ、どの程度の得があるのかまで理解している人は少ないのではないだろうか。

    実際に本書を読んで、考えていたよりも得は少ないようにボクは感じた。

    こういった現実と認識の違いというのは、ときに僕らの心を蝕むことがある。だからこそ、本書のように、実際はどうなのかという研究結果を知ることは大切なように思う。

    ただ、著者が主張するようなブサイクを社会システムによって保護するという考えには個人的には同意できなかった。データと分析結果だけを楽しく読ませてもらった感じ。
    続きを読む

    投稿日:2022.01.08

  • 亀井宮城

    亀井宮城

    美人が得してるのは分かってたけど、女の人は美貌が他のもの(知能や家柄など)に代わる、代えられる要素だってあったからやっぱ美形は良いなーって妬んじゃった。

    投稿日:2021.12.30

  • tsurumarubozu

    tsurumarubozu

    美男美女は得をする。これが本書の結論です。一見自明にも思えるこの結論について、経済学の枠組みを使って分析したたくさんの研究結果を紹介しています。

    みなさんの中には、経済学ってこんな分野も扱うの?株とか景気とか、そうゆうのを研究する学問なんじゃないの?と思った方もいるかもしれません。確かにそれらは主要な研究対象ですが、人の意思決定に関わる内容であれば、だいたいは経済学の対象になる。相撲の八百長についてまじめに研究した経済学の論文もあるんですよ。

    さて、美貌と収入の関係を経済学的に分析するにはどうすればいいか。やり方は簡単です。たくさんの人の容姿(例えば5点〜1点の5段階評価)と収入のデータを集めて統計分析にかければ良い。

    いや、本当にそれでいいのでしょうか。教育が収入にプラスの効果があるのはこれまでの研究で分かっているんですが、仮に容姿のいい人がいい教育を受けやすいとすれば、容姿の効果を過剰に測定してしまうことになってしまいます。だから本書で紹介されている研究(データは1970年代のアメリカ)では、以下のデータも使ってコントロールしています。
    ・教育、年齢、健康、組合への加入、結婚歴、人種や民族、都市の規模、地域、出身国、家族の出目、会社や工場の規模、勤続年数

    さて、結果です。容姿がいい人と悪い人の収入の差は、男性で17%、女性で12%と出ました。けっこう大きな数字にも見えますが、比較対象がないとちゃんと評価できません。で、教育の効果との比較してみたいんですが、通学が1年伸びると収入はだいたい10%増える。つまり、容姿がいい人は、1年ちょい余計に教育を受けているくらい、収入のアドバンテージがあるということです。けっこうですよね。

    先ほどの数字は、男性の方が女性よりも収入に影響が出るというものでした。ちょっと意外に思った方もいるかもしれません。本書の仮説はこうです。女性は男性より外に出て働くかどうかの選択を行う余地が大きいから。特に1970年代のデータですからね。容姿に自信がある女性は外で働き、自信がない女性は家で専業主婦になりやすい。

    さて、容姿がいいと収入が高くなりやすいことはわかりました。一般的に収入の高い人は、会社に利益をたくさんもたらし、社会の役に立っているわけですが、美形は社会の役に立っているのでしょうか。収入が高いのは、面接官や上司の評価が甘くなっているだけじゃないか?確かに、美形は私的な意味では生産性が高いです。美形がそばにいると嬉しいし、化粧品の販売員が美形だとよく売れます。でも「社会の」役に立っていると本当に言えるのでしょうか。

    この分析は非常に難しく、はっきりとした結論は言えません。それを前提として、本書にあるオランダのテレビショーの分析を紹介します。これは参加者5人のクイズ番組です。早押し問題で持ち金をかけて戦います。各ラウンド終了時に一番成績のよかった人が、脱落者を選びます(脱落者のお金は没収される)。これを第4ラウンドまで繰り返し、賞金は最後の2人で山分けとなります。つまり、なるべくクイズに正解しそうな人を残して、アホっぽい人を脱落させればいい。このテレビ番組における参加者の行動を分析すると、脱落者は容姿が平均的に悪かったことがわかりました。他方、正解率に容姿の影響はありません(美形の生産性が高いわけではない)。したがって、世間が美形好きなのは、美形は社会の役にたつから、というわけではなさそうです。

    本書では、マッチングサイトの市場分析の研究も紹介しています。分析の結果、男性も女性も美形により良い反応を示していることがわかりました。ただし、そこに男女間で差はありませんでした。少し意外かもしれませんが、男性も方も容姿をしっかり評価されているようです。他方、教育水準の高い男性は女性に好まれるが、女性の教育水準に対してその傾向は強くないという結果も出ています。

    最後に、筆者は「ブサイクには政府が保護すべき」という主張をします。え!?っていう感じですが、筆者は、ブサイクが持っているハンディキャップは、アフリカ系アメリカ人の持っているハンディキャップと大差がなく、後者を保護するなら前者も保護すべきと言います。

    ここからは私見ですが、ブサイクを政府が保護する点、理屈は同意しますが、それって政府が「この人はブサイクです」というレッテルを張るわけですから、かなりキツい。すごいスティグマですよね。なんとなくブサイクだなと思っていても、曖昧だから希望はある。でも確定しちゃったら立ち直れないですよね。まあ、保護するかどうかはおいといて、容姿と収入に相関がはっきりとあることを統計分析で示したことは興味深かった。すごく俗っぽい内容だけれども、人間や社会を理解するうえでとても重要な切り口だと思います。
    続きを読む

    投稿日:2020.11.09

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