【感想】千年樹

荻原浩 / 集英社文庫
(81件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
10
22
31
12
0
  • 一本の樹から生まれる8つの物語

    各短編の登場人物や時代設定が変わるものの、一本の木にまつわる8つの物語が、収録されています。それぞれのドラマを読んでいくにつれ、切ない気持ちでいっぱいになっていきます。しかしただ切ないだけでなく、どこか前向きにさせてくれた作品でした。

    荻原浩氏の作品の中で、私にとって一番好きな作品です。それぞれの物語の時代や人間模様をうまく描いた作品だと思います。展開も早いので、すぐに読み終わりました。
    切ない気持ちになる事もありますが、他に大事なものはあるのだと気づかせてくれるストーリーが多いので、知識ではない何かを与えてくれる本を読んでみたい方にお勧めです。
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    投稿日:2014.11.08

  • 重いです。

    悲しい由来を持つくすの木をめぐる連作短編集。悲しい由来を持つがゆえに悲しい人々をひきつけるのか、1篇の中には必ず過去の話と現代の話、リンクしたりしなかったり、ただ根底に流れるテーマを合致させたものがこれでもかと悲劇的に襲い掛かります。唯一「ばあば」に救われるものの、くすの木は人々に復讐するかのように悪意を持って千年間、人々の悲しみの前に立ちはだかります。時に読み進めるのがつらく重い内容のものもありますがそれだけに読みごたえたっぷり。読み終えたあと、くすの木の一生を見届けた様な気がして少しだけほっとしました。続きを読む

    投稿日:2015.06.18

ブクログレビュー

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  • shirotantan

    shirotantan

    あっという間に読めてしまった。荻原浩さんの本は本当に読みやすい。短編集ではあるものの、それぞれの話が時代を超えてくすの木でつながっているんだけど、全体を通してそこにある雰囲気というか印象は、私にとっては「なんとなく怖い」「寂しい」「切ない」「悲しい」だった。ということで全体を通して「暗い」という読後感。でも、こういう暗い話が嫌いではないので、とても楽しめた。本編とは別で、松永美紀さんの解説がすごくよかったし、共感した。続きを読む

    投稿日:2024.04.12

  • planets13

    planets13

    1000 年もの間、めぐりめぐる哀しく切ない人々の営みを、くすの樹はどのような思いで見続けてきたのだろう。最後まで救われないこの気持ちをどこへ持っていけばいいのか...

    投稿日:2023.12.24

  • うし

    うし

    過去の時代はいつの時代も大変。
    現代の平和さに幸せを感じる一冊でした。
    そして人間の愚かさと、自分勝手さを感じました。


    怖いけれど面白かった!
    様々な時代の登場人物がいるけれど、
    昔の人は大変、、、。
    いつの時代も死が近くにあり、怖く、苦しくなるような話が多かったです。
    そんな中でも大切な人を助けに行くシーンや、思いやる人々もいて心があたたまりました。

    現代の自分は、平和に生きられているだけでもとても幸せなことだと改めて思いました。
    私の悩みも昔の人に比べれば大した事ないように思います、。

    怖い話が多い中、「ばあばの石段」はほっこり幸せを感じられるお話で好きでした!
    続きを読む

    投稿日:2023.11.11

  • pbh23864

    pbh23864

    千年もの間生き続けた大樹の下で、浅はかな人がおりなす物語。
    人間は小さなことに一喜一憂し、時には狂う。
    なんとまあ、浅はかなこと。

    投稿日:2022.09.07

  • とろり。

    とろり。

    このレビューはネタバレを含みます

    千年生き続けているクスノキが、
    各時代の人々の生活をただ静かに見守っている話なのかと思っていたが、割とダークなストーリーだった。

    辛い時代を生き抜いた人たちがこのクスノキに癒しをもらっているのかと思いきや、人間の人生はなかなかに厳しいぞと言わんばかりのストーリーだらけで、
    読んでて落ち込むことが多かった。

    千年樹と呼ばれるこのクスノキも、
    街の人々の守り神などではなく、
    人間の奥底に秘めてるドス黒い感情をさらに掻き立てようと挑発しているかのような気がした。

    そして最後はあっけなく伐採される。
    季節外れの青虫はクスノキの最後の抵抗だったのではないかと思った。

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    投稿日:2022.07.13

  • キイロyellow

    キイロyellow

    このレビューはネタバレを含みます

    千年という長い歳月を生きてきたと言われる巨大なくすの木の下で起こる数々の物語。

    時代も人も移り変わっているはずなのに、繰り替えさえられる人間の過ちや愚かさの全てを、このくすの木は見続けています。

    言葉を発することもできず、歴史を語ることもできず、ただ見続けているだけのはずのくすの木の存在感が圧倒的で、時には恐怖を感じ、時には暖かく見守られ、その時々でいろいろな表情を感じ取れるのがとっても不思議でした。

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    投稿日:2022.02.16

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