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樹なつみ / LaLa (54件のレビュー)
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総合評価:
ryunico
5
樹なつみの代表作の一つ
樹なつみは、ファッション界、実業界、アメリカの学生バスケ、伝記もの……と扱うジャンルの広い少女漫画家ですが、作品群の中でもこの『OZ』は近未来SFを舞台に一つの完成をみたタイトルと言えます。 核戦争…のために全世界の生活水準が後退し、紛争が絶えない状況。 そんな諦念漂う世界で、理想の科学都市として名をささやかれる“OZ”。 実在するのかもわからなかった“OZ”からコンタクトを受けたヒロイン・フィリシアと、 水先案内人の人工生命体“1019”、 そして成り行きでヒロインを“OZ”まで護衛することとなった傭兵・ムトー。 でこぼこトリオのロードムービー的に始まる序盤からは予想もつかないエンディングへ、 長すぎることも駆け足すぎることもないページ数で畳み掛けるように展開する様は、 さすがベテランの手腕です。 樹さんは少女漫画家ではありますが、男性読者も読みやすい絵柄かと。 またこの作品は星雲賞を受賞していますので、近未来SF好きへもお勧めです。続きを読む
投稿日:2014.11.02
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rosso
3
一面の麦畑
「マルチェロ物語」「朱鷺色三角」「八雲立つ」などの樹なつみが描いた近未来SF。 簡単なあらすじは、、、 偶発的に起こった核戦争の30年後。世界は小国家に分裂し、互いに紛争を繰り返していた。叔父を訪ね…てきた天才少女フェリシアの護衛を依頼された傭兵ムトーは既に死んでいたフェリシアの叔父の手紙とそこに残されていたサイバノイド1019の存在から伝説とされていた科学実験施設OZの実在を知る。覚醒した1019はフェリシアの兄リオンからOZへ招待するメッセージを伝え、ムトーはそれに巻き込まれてOZまで護衛することになったが、、、 作品を最後まで繋ぐキーワードは「一面の麦畑」である。ネタバレになるので詳細は避けるが、最後まで読んだ人はその意味が分かると思う。 本作は言うまでも無いが「オズの魔法使い」を題材に取っている。フェリシアがドロシー、臆病なライオンがムトー、心のないブリキの木こりが1019と役どころが振り分けられるが、脳みそのない案山子のパートがいない。 著者の後書きには番外編に出てくるイリョーシュカにその役を振るはずだったが、ストーリー構成の都合でついに本編には登場していない、、、が、むしろこの役はOZへの道をともにする傭兵ネイト、またはバイオノイドの1024に与えられるべきでは無いかと思う。 特にラストに絡む部分なので詳細は避けるがまだ脳を得ていないかかしが1024とするとすっきり繋がるような気がする。 全体を通してストーリーががっちりしており、骨太のSF作品。著者の作品では「八雲立つ」とならんで是非お薦めしたい漫画である。続きを読む
投稿日:2014.11.04
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これは
近未来の戦後、噂される楽園OZ。OZは頭脳集団だけが集まった科学が発展した場所だと言う。 そこから来たバイオロイド1019、そこへ行こうとする1019(ナイティーン)の産みの親のリオンの妹のフィリシア…、東洋人の傭兵ムトーがOZを目指す話ですね。途中19の秘密が判明し、それに動揺するフィリシアとムトー、ムトーが指摘する恐ろしい予測が今後の展開にワクワク。展開も速く面白かった。ラストは軍服祭。ムトーがいろいろ着るよ。19、フィリシア、ムトーの今後に期待。フィリシアは現時点で苦手だが19の成長は好き。 近未来のSFと言う形ですが、世界観よりも人間ドラマに力が入っている作品ですね。奇抜さは無いですが、落ち着いて読める感じです。 樹なつみ先生の作品は八雲立つが1番好きですが、これも好きだな。 2巻もいずれ読もうと思わせる期待できる作品。続きを読む
投稿日:2016.08.06
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ちょぴん(しろくろ)
名作。本棚を整頓しても必ず取り易い場所に置いている、大好きな作品。読むたび映画を観ているような感覚になり、ページを捲る手を途中で止められない。 人間や人工知性や科学についても考えさせられるけど、ドラマ…としての部分がすごく面白い話。 大型本の完成度があまりに高いから、満足しきっていて完全版が出てるのを知らなかった… 完全版は5巻構成になり、2・3・4巻末に大型本未収録の番外編がひとつずつ。個人的に好きなネイトが深掘りされていて良かった。3巻のプロットノートの著者による解説も興味深かった。 あと、これは実際比較してビックリしたのだけど、コマの背景に大幅な加筆修正が入ってブラッシュアップされている。人物の表情にもほんの少しだけど手入れや修正がされている。映画のリマスター版みたいだな〜続きを読む
投稿日:2021.12.20
1984522
小学生で読んだ作品。 樹なつみを集めたくて完全版で購入。 十何年振りに読み返したがやっぱり面白い!!
投稿日:2013.12.24
絵夢
このレビューはネタバレを含みます
世界が核によって崩壊したその後・・・のお話。それが1990年。たしかにそれ以前、いつかは第三次世界大戦が起こり、核兵器によって人は滅びるのではないか・・・21世紀なんて夢のまた夢・・・みたいな話はいくつもありました。しかし、色々なことはありつつも人は滅びることもなくこうして営みを続けている。不思議な気がします。傭兵の武藤。天才少女フィリシア。フィリシアの兄リオンが作った1019と1021。傭兵仲間のネイト。フィリシアノ姉、ヴィアンカ。OZを目指す旅ヘ
投稿日:2013.01.02
高城
オズの魔法使いにそれとなくなぞらえた登場人物。少女漫画ですが立派なSFもの。お薦めしたい。機械と心、少女と傭兵。
投稿日:2012.11.25
iku
3巻で完結だと思って(書店にそれだけしかなかったので)買ったら実は5巻完結で、一部品切れだったという……。なのでこの版で3巻まで読んで、残りはジェッツコミックス版を図書館で借りて補完したわけ。ああ最後…まで読めてよかった……。 すっごいカッコイイ。面白い。最後まで読んで最初から読み返してみたら、メインキャラクターの変貌ぶりにびっくりする。読んでる途中は自然に感じたのにな。それくらいキャラクターが徐々に変化していく様子が丁寧に描かれてたり、要所要所のエピソードが痺れるかっこよさだったりするんだが(1024とネイトはいいね~)、基本プロットが1本ぴしっと通ってて、終盤に伏線が回収されておーっと思ったりする。 こんど舞台になるみたいだし、コミックスの増刷を…お願いします白泉社様。 ロボットの技術も進歩したし、冷戦は終わった。それでも「人間ってなんだ」とは今も問い続けられていて答えはたぶんそう簡単に出ない。 「人間に近づく事とは…より不完全なものへとなっていく事なのでしょうか…」1019が言う場面は印象的。まさに正鵠を得ているのかも。 男も女も機械も無造作にタラしこむ童顔軍人・ムトーのキャラ造形はほんとちょっとズルイ。作中、私はヴィアンカに共感する点が多々ありましたねえ(笑)。世が世なら彼女がいちばん幸せになれるタイプなのに、戦国時代に生まれたばっかりに。続きを読む
投稿日:2012.01.28
tsukune
定期的に読みたくなる漫画。 SF映画を観ている気分にさせるほど、とにかくスケールがでかい。 初めて読んだときは、物語終盤から全身が鳥肌が立つほど、ドキドキしながら読んだ記憶がある。 絵柄に好みが分かれ…るかもしれないが、一度に全巻大人買いしても絶対に後悔はしないだろう。続きを読む
投稿日:2012.01.26
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