【感想】漆黒の王子

初野晴 / 角川文庫
(45件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
10
10
17
2
2
  • 想像以上に「黒」

    タイトルから、「ちょっと童話っぽい感じのミステリかな?」と勝手に想像していましたが……読んでみてびっくり。まさか暴力団を中心とした闇社会の話とは思いませんでした。もう一つの世界である暗渠も暗闇の中とあって、全体的に「黒」という色を強く感じる作品です。
    童話っぽさとは違うものの、暗渠(「下側の世界」)とその住人には独特の雰囲気が漂っています。現実離れした、とでもいえばいいでしょうか。それが暴力団の暗躍する「上側の世界」とどうつながるのか。ばらばらのピースが一気に組み上がっていく後半はペースを上げて読みました。
    暴力シーンも多いですが、登場人物一人一人のエピソードが印象的で心に残ります。これは、何人もの「主役」の人生が哀しく絡み合う物語なのかもしれません。
    続きを読む

    投稿日:2014.10.17

ブクログレビュー

"powered by"

  • ちみまめ

    ちみまめ

    トリックがとても精密で面白かった。
    謎を多く残している登場人物も多いため、逆に想像して楽しむのもこの本の一興だと思う。

    投稿日:2023.04.02

  • seihatsuno

    seihatsuno

    砂の城の哀れな王に告ぐ。私の名はガネーシャ。王の側近と騎士達の命を握る者。要求はひとつ。彼ら全員の睡眠を私に差し出すこと。眠ったまま死に至る奇妙な連続殺人事件。ふたつの世界で謎が交錯する超本格ミステリ!第二十二回横溝正史ミステリ大賞受賞第一作。続きを読む

    投稿日:2017.01.12

  • /Euler

    /Euler

    <上と下.現実と虚構.悪と,悪―>

    この物語はどこへ進み,どう終えるのだろうとドキドキしながら読んだ.
    タイトルや帯からはファンタジーかと思ってしまうけれど,そこは初野先生,ファンタジーと現実(の問題や湿気,匂い)を混ぜ合わせたミステリになっている.続きを読む

    投稿日:2016.11.27

  • keixinhu

    keixinhu

    ヤクザもの。
    正直あまり惹かれなかった。帯に書いてある内容から、もっとファンタジックかと思ってた。唯一感心したのは殺人方法。ヤクザならではの方法だった。

    投稿日:2016.04.23

  • kaneaki1104

    kaneaki1104

    む…難しかった…
    もう一回読まないとわからないなぁ
    しかしもう一回読むには辛い厚さだ

    復讐をする生き物は人間以外にいないのかな?
    人間の敵は人間
    人間の味方も人間
    人類を滅ぼすのに細菌やウィルスがいるけれど、一番人間を殺しているのは人間なんだろうな

    眠り病いいな
    眠ったまま死にたい
    ガネーシャは緩やかな死を与えた
    死神より女神に見える
    暴力団みたいな死が身近にある環境でも未知の死より暴力の死のほうがいいのかな

    僕は未知の死のほうがいいけど






    理解しきれなかったからもう一回読んだ

    出てくる人は可哀想な人ばかりだ
    世界を憎んだ人ばかり
    人間の天敵同士が打ち合って死んでしまったら人間の天敵がいなくなってしまうじゃないか
    みんな初めは優しい心を持っていたのにそれを捨てるくらい辛いことばかり

    王子は最後にガネーシャを引き取ったのだろうか
    死に場所として自分達の世界を提供したんだろうか
    墓掘りがガネーシャの墓を掘ってくれたんだろうか
    名もなきガネーシャの位牌にはなんとかかれたのだろう
    続きを読む

    投稿日:2016.02.19

  • あこ

    あこ

    このレビューはネタバレを含みます

    おもしろかった。

    表題より、ブラックファンタジーものかと思ったのだが、
    冒頭のいじめられた少年のエピソードにより、
    現実ものと知る。
    が、本編、上の世界、と下の世界、との二重の語り。
    特に下の世界での、「王子」「時計師」などの呼び名によりファンタジー感あり。
    この二つの物語は同時進行なのかと思っていたのだが、
    最後まで読んでみると、
    下の世界の話は時間軸でいうとラストの一瞬のこと、とゆーことになる。
    しかも、本当にあったのかなかったのか、いや、あった、のか??とゆーよーな読後感。

    冒頭の少年たちは紺野と高遠だろうなあっとは察しはついた。2人が再会してからの物語なのかと思ったが、
    関係は既にできあがっており、再会した二人がどのような時間を過ごしてきたのか、なぜいまのようになったのかはあまり語られることはなく、
    結局のところ、男2人と女2人の対立項による物語だったといえるかも。
    それぞれの絆と、それぞれの過去。
    そして、傷つけられた者たちが選んだ道の先にあったもの。

    とりあえず、拷問やらなんやら、オソロシイことになっているので、12禁くらいでしょうか。まあ、最近はこのレベルの残酷性はどこにでもあるような気もするが・・・。

    唯一の良心キャラクター水樹くん。
    読み進めるうちに、どうかこの子だけは生き残ってくれ、と切に思っていたので、どうやらその願いだけは叶い、よかったよかった。
    これで彼まで死んでたらどこにも救いないわー。

    上の世界と下の世界、
    おもしろい組み合わせのお話でした。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2015.04.30

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。