【感想】神田川デイズ

豊島ミホ / 角川文庫
(34件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
8
8
9
1
0
  • 冴えない人たちの連作短編集

    冴えない人たちを次々と描いた連作短編集である。どの短編の主人公も何らかの屈託を持っていて、新しい環境に馴染めなく、落ち着き場所を探しているという感じである。どの短編も面白くないわけではなく、不愉快なところもないが、主人公たちのややいじけた感じが読みてにまで伝わってきて、どの短編もスッキリとしない読後感であった。続きを読む

    投稿日:2023.03.13

ブクログレビュー

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  • 恭香

    恭香

    どこかしらに劣等感を抱えて「何者かになりたくてもがく」登場人物たち。
    最後には全て救われハッピーエンド!なんかでは無い。

    他人が眩しくて嫉妬して、何かを変えたくてひたすらもがいて苦しくて、結局何にもなれない。
    でもそんな日々の中にも、小さく光る星があるのかもしれない、と思わせてくれる小説でした。

    自分と重ね合わせ感情移入して苦しくなる。
    読了後は少し救われた気持ちになる。

    そんな豊島ミホさんの小説が大好きです。
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    投稿日:2021.03.06

  • いし いるか

    いし いるか

    6つの章にそれぞれ主人公的な学生を置いて、それぞれのキャラが微妙にかかわり合いながら、作者の言うところの「めくるめかない」学生生活を切々と描くちょっと風変わりな青春もの。

    なんちゅうか、それぞれの章の主人公をつとめるキャラクターがまさに文字通り「青春のどん詰まり」で、周りのクラスメートと馴染めず疎外感を感じ、どうにもならないコンプレックスを強く抱いているという一癖も二癖もある連中で、なんとも自分の学生時代を思い出して切なくなるほど愛おしくなるような人物たちなんだなぁ。

    あの、なんかみんな仲良さそうで、本当に楽しそうに見えて、楽しくないのは自分だけ?面白くなさそうな顔しているのは自分だけ?という恐怖感とも思えるような4年間のキャンパスライフを思い出すと、ぞくぞくするほど恐怖感と共にいろんな思い出が甦るねぇ。

    作者の豊島ミホさん、現在は創作活動されていないようで、それはすごく残念。とりあえず既刊を全部読もうっと。
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    投稿日:2020.09.24

  • pa-yan

    pa-yan

    帯は
    『ダメダメの日常から、
     彼方の光に向かって
     手を伸ばす。
     痛くてかっこ悪くて愛しい
     「若さ」の物語。

     世界は
     あたしのために
     回ってる
     わけじゃない。
     でも…』

    本当に久しぶりに豊島さん読みました。
    この本も積ん読で、10年ぐらい前に買った本。苦笑
    当時は読むのがもったいなくて、そこから気づけば10年。

    20代前半から気づけば30代になっていて、
    当時の自分に会いに行くような気持ちで読み進めました。
    最初は自分も遠くまで来ちゃった感じだと思って読んでましたが、読み進めていくうちに、今でも自分には大学時代に感じていた悶々が残ってるんだと気づかされました。
    と言うか、実は変わってなくて、10年前も今も、私は私だったんだなあ、と。

    みんな、承認欲求も変身願望も自意識も、自己否定も、自己肯定も、全部あって良い。
    私の大学生活は、華やかなパリピでもなんでもなく、日陰で一人で本読んでるような時代を過ごしたので、豊島さんの表現とか言葉がいちいち刺さります。

    豊島さん、また、本書いてほしいです。
    好きです、豊島さんの本。
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    投稿日:2018.11.10

  • tommy103star

    tommy103star

    短編連作。
    大学コンプレックスのせいか、登場人物にイマイチ感情移入できず。「でも、早稲田でしょ」って感じで。

    ピンク映画は、監督が女優になったということ?

    投稿日:2016.12.18

  • catbackscoffee

    catbackscoffee

    著者の出身、早稲田が舞台の作品
    描写される場所がほぼ全部実在している

    毎日すれ違うだけの、何万人もの他人の中で
    自分が素になれる場所を見つけるってきっと誰しも難しい

    何か見つけたいなぁって思って大学に来て
    その理想と現実はまた別だけど
    みんなそれぞれに何か考えながら生活してるのかなぁって

    自分は上京組じゃないけれど、
    それでも共感することいっぱいありました
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    投稿日:2016.01.04

  • 8833aries

    8833aries

    20151204
    ところどころに私がいた。青春のどん詰まり。クレバーにいきたい。まあ、わたしってこんなもんだし。花束になりたい。特にリベンジリトルガールは自分のことなんじゃないかという気がした。せっまい教室できゃいきゃい騒ぐ女子たちを思いっきり斜めに見る自分そっくりじゃないか。
    でも、自分と重なるのは変わる前の彼ら彼女らなんだよなぁ。変わった後の彼ら彼女らと自分は全然重ならない。それがなんだか辛かった。自分は何かになりたくてもなりたいだけで、なる努力も行動もしない人間なんだなぁ、と改めて気づかされる。とっくに知ってたけど。私はやっぱりフツーの人なんだ。
    といっても、大学で過ごしていると感じるいろんな気持ちを綺麗に表現してくれるから、こういう小説は好き。大嫌いな全然輝いてない私の大学生活も立派な青春だと教えてくれるから、好き。
    続きを読む

    投稿日:2015.12.04

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