【感想】ST 警視庁科学特捜班 毒物殺人<新装版>

今野敏 / 講談社文庫
(36件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
2
11
18
2
0
  • 少しずつ繋がる謎

    推理云々というより人間ドラマが面白いSTシリーズ。
    TVドラマも見ましたが、原作は別物として楽しむことができます。
    大きな展開の盛り上がりや、大どんでん返し!というのはありませんが、少しずつ少しずつ繋がっていく推理の糸が楽しいです。
    なんとなく平坦にも感じるのストーリーなのに、読み応えはバッチリ。
    物語の細かな設定がきちんと描かれているからでしょうか。
    そして個性的なSTメンバーが超人的な能力で情報を掴むシーンは何度見ても爽快。
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    投稿日:2015.05.02

  • シリーズ物なので・・・

    エピソード1がとても面白くて第2作もを読んでみましたが、こんな動機ってあるの?といった感じで自分的にはイマイチな感じでした。
    ただ、事件を解き明かしていく過程は面白く読めるので、さすが今野さんという安定感があります。続きを読む

    投稿日:2015.10.13

  • 次作に期待

    シリーズ2作品目。
    1作目が軽く読める警察小説ということで、2作目も手に取ってみましたが、
    正直いまいち。
    現場に行くか行かないかの問答で何ページも使ったり、
    STの活躍もクリアに入ってこなかったです。
    それよりも7人で現場に行く時、交通手段はどうするんだ?とか
    余計なことが気になってしまいました。
    犯人がここまでするほどの気持ちも伝わってきませんでした。
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    投稿日:2017.09.12

ブクログレビュー

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  • touxia

    touxia

     代々木公園、世田谷公園で連続して発見された2つの変死体から検出されたのは共通する毒物で、フグ毒、テトロドトキシンだった。被害者は杉田英吉19歳。フリーのカメラマンの笹本雅彦35歳。
     現代犯罪の多様性に対応するために警視庁科学捜査研究所に新設された「ST」(Scientific Taskforce、科学特捜班)の物語。非常に優秀な能力を持っている人間が集められる。特異な性格なるゆえ協調性がないということがコミカルな要素ともなる。この組み合わせが、なんとも言えない。
     ST 警視庁科学捜査班を率いるキャリアの百合根友久警部。メンバーからキャップと呼ばれる。
     オンナ嫌いというか恐怖症の赤城左門。優秀な法医学医師で天才的頭脳を持ちながら「対人恐怖症」を抱える。しかし、人を惹きつけるという能力は優れている。
     美男子のプロファイルの青木翔。専門は筆跡鑑定、ポリグラフ、プロファイリングなど。雑然とした空間を好む秩序恐怖症であり、整頓された場所を嫌う。そのため、自分のデスクは常に驚くほど散らかっている。武道の達人の黒崎勇治。人間ガスクロと呼ばれるほどの優れた嗅覚を持っており、毒物などの臭いをすぐさま嗅ぎ取れる。さらに人間の体臭なども敏感に嗅ぎ取る。
     耳がすばらしいミニスカートでおっぱいの大きい結城翠。絶対音感と超人的に発達した聴覚を持っており、部屋の外の会話や普通の人間の可聴領域を超えた音域まで聴き取れる。人間の心音を聴き取る。
    黒崎と結城で、人間嘘発見器と言われるほどの精度が高い。
    和尚さんの山吹才蔵。僧籍を持った本物の僧侶。この五人が犯人を追いかける。
     毒物等の薬物専門家である山吹才蔵が活躍する。山吹才蔵はなぜ、フグ毒?と疑うのだった。そして、全く繋がりがないように見えた。ゾンビ、SMと繋がっていく。薬物に詳しい山吹が突き詰めていく。百合根友久警部は、チームをまとめきれないし、その能力を評価できない状況だった。
     テレビのアナウンサー八神秋子は、ストーカーに付き纏われていた。
    岩谷慎太郎という35歳のレストランチェーンを経営する実業家が、その困っているときに偶然出会い、付き合いを始める。岩谷は、八神の期待に応えるために、一流のホテルやヨットを準備する。八神は、それを普通だと思っていた。この女、ちょっと女王様なのだ。職場でも浮いている。ストレスが高まり、不安定な状況。そこに岩谷から自己啓発セミナーを主宰している白鷺勇一郎を紹介される。白鷺は、八神を大学時代から知っていた。ベンチャーを起こして、パーティの司会に八神に頼もうとしたが相手にされなかった。そして、八神は白鷺のやり方に、信頼を寄せる。ひょっとしたら、岩谷よりいいかもと思う。ところが、ふーむ。岩谷は八神をそんなに好きだったのだね。
     白鷺の運営している自己啓発セミナーは、宗教らしき雰囲気であり、病院的でもあり、不思議な経営であるが、そのバックに控えていたのが。なるほど。人の心を操るには、信頼がなければできない。
    続きを読む

    投稿日:2023.10.02

  • M.K

    M.K

    このレビューはネタバレを含みます

    展開が早くていい
    筋もしっかりしている

    連続変死事件発生! 美貌の女子アナ。隠された戦慄の謎。ST5人は不可能捜査に挑む。待望の新装版。

    連続して発見された2つの変死体から検出されたのは共通する毒物だった。
    存続の危機に瀕していたSTが動き出す。
    事件の周辺からは新興宗教にも似た奇怪な自己啓発セミナー、そして有名女子アナの存在が浮かぶ。
    土壇場で意外な展開をみせる究極のサスペンス! 最強チーム警察小説シリーズ第2作。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.04.25

  • まっちゃん

    まっちゃん

    毒物殺人と題名に書いているので、方法は最初からわかっている。病死に見えて実は毒殺なんてベタな内容でなければと危惧しながら読み始めた。

    最初の遺体は代々木公園のホームレス村のそばで見つかる。2件目は世田谷公園、どちらもが心筋梗塞に見えて、死因は毒物によるものだった。
    ここまでで、やはりありきたりなストーリーかと少し残念に思った。
    そしてSTの存続の危機という、ありふれ感のダブルパンチだ。
    ただ、殺人なら、なぜすぐ見つかる場所に遺体があったのか?はこの時点での疑問だ。

    続いて有名女子アナと新興宗教のような自己啓発セミナー。この辺りから変化球が欲しいところだ。
    山吹の考え方は共感が持てた。「味方がほしかったら、戦うことだ。戦わない者には敵もできないが、味方もできないのだ。」その通りである。軋轢を嫌い当たり障りのない言葉や態度の人は、陰で不平不満を漏らすのが世の常である。
    自己啓発セミナーの怪しげな響きと目立つ場所へ置かれた遺体はどう関係してくるのか?この辺りに動機が隠れているのだろうか?
    少しずつ面白くなってきた。

    犯罪を暴くためには、方法と動機と機会を詳らかにする事である。方法と動機がわかれば、あとは機会はそう難しくない。そこにも何らかのトリックがあり、想像がついてしまう。
    割とシンプルなミステリーでありながら、STのメンバー5人の能力と菊川刑事の協力が心地よさを感じる。警察内でSTを敵視する川那部警視は手柄を取られ、今後の敵対は避けられないのだろう。続編も楽しめそうである。
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    投稿日:2023.01.31

  • ちとせ

    ちとせ

    #読了 話の筋が読めてしまうのが残念なんだけど、今回も安定して面白かった。STは5人もいるから、全員が毎回存在感があるわけではないのが少し物足りない。次回で、今回活躍の少なかった人たちの活躍を期待している。続きを読む

    投稿日:2022.05.18

  • takadon

    takadon

    このレビューはネタバレを含みます

    今野敏「ST警視庁科学特捜班シリーズ」第2作目(1999年9月単行本、2002年9月文庫本、2014年7月新装版)。
    5人のSTメンバーの中で今回は毒物等の薬物専門家である山吹才蔵が活躍する。前回登場の警視庁捜査一課の刑事菊川吾郎警部補もSTの推理に今回も協力する。STキャップの百合根友久警部が頼りないのは相変わらずだが、菊川警部補の積極的関与で百合根警部を助け、捜査権のないSTがその特殊な力を発揮することが出来るのは今回も同じだ。

    代々木公園、世田谷公園で連続して変死体が発見される。いづれからもフグ毒が検出され連続殺人事件として捜査本部が設置された。被害者の一人は暴力団関東英隆会と関わりがあるチンピラ杉田英吉19歳、もう一人の被害者はフリーのカメラマンでタレントのゴシップを追いかけていた笹本雅彦35歳。そしてそのタレントの所属事務所は関東英隆会の企業舎弟だった。捜査本部は関東英隆会絡みの事件として捜査方針を固めるが、STの推理は違っていた。

    杉田英吉のパソコンに有名なテレビのアナウンサー八神秋子28歳の写真が大量に保存されていた。八神秋子には岩谷慎太郎という35歳のレストランチェーンを経営する実業家のボーイフレンドがいて、付き合う前まではストーカーに悩まされていた。そしてそのストーカーが杉田の可能性があった。
    また岩谷には自己啓発セミナーを主宰している白鷺勇一郎という人物と繋がりがあり、秋子がセミナーに参加することになったことで事件は狂気の核心に迫る。

    岩谷と白鷺は関東英隆会の下部組織と共に関係がある間柄だった。そして白鷺と秋子は学生時代に出会っていた。岩谷の秋子への異常な独占欲、嫉妬、病的な愛情。白鷺の秋子への身勝手な復讐心。秋子が白鷺のセミナーに参加して徐々に洗脳される前に岩谷も白鷺に洗脳されていた。三者の異常な関係が2件の殺人事件を起こす動機となった。
    サディズムによる洗脳やや死人を蘇らせるトリックなど、何とも理解し難いストーリーだが、山吹才蔵が事件発生当初から感じていたインスピレーションが全て結びつき、STの面々の活躍で事件は解決する。赤城左門の法医学、青山翔の心理学、結城翠の聴覚、黒崎勇治の臭覚と柔術、4人の特殊能力が山吹才蔵をフォローして、事件解決、犯人逮捕までこぎつけるのだ。

    捜査本部の全く予想していなかった事件の真相に指揮を取っていた池田厚作管理官は驚くもSTの能力に満足感を感じていたようだ。反してSTに否定的で排除を画策していた警視庁捜査一課刑事調査官の川那部遼一警視は鼻をへし折られた感じの退場シーンが今後どう言う関係の展開になるのかちょっと楽しみな気もする。

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    投稿日:2021.08.30

  • あーちゃ

    あーちゃ

    STシリーズ2作目
    今回の展開もどうなるんだろうと思ってドキドキしながら読んでいった
    あまりグロいこともなく楽しみながら読めた
    次がまた楽しみ

    投稿日:2020.10.29

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