新刊・予約
ランキング
セール
特集・キャンペーン
ジャンル一覧
詳細検索
0
木原武一 / 角川ソフィア文庫 (4件のレビュー)
レビューを書く
総合評価:
ツクヨミ
4
古典文献いいとこどり
「古典」は教養の基礎――たしかにそうなのでしょうが、実際に古典文献をたくさん読んできたという人は少ないと思います。そういう私も古典には疎いほうで、本書で紹介されている50作中、読んだことがあるのは数冊…です。しかも、大学の講義の関係で(なかば無理やり)読んだため、内容はほとんど忘れていました。 本書には海外の古典文献50作がコンパクトにまとめられています。「要約」「読みどころと名言」を読めば、作品の要点はもちろん、印象的な台詞や一文も押さえておくことができます。また、編者による解説もわかりやすいです。 時代が古い著作の中には「要約」が読みにくいものもありますが、分量が多くないのであまり苦になりません。1作あたりのページ数も少ないので、少しずつ読み進めることもできます。 個人的には、本書を機に『ロビンソン・クルーソー』『審判』の原典に挑戦したくなりました。続きを読む
投稿日:2014.04.19
報告する
"powered by"
hari0025
このレビューはネタバレを含みます
突然古典を読みたくなって、その為のガイドとして購入。初っぱなのアランの幸福論からして面白そう。で、原著翻訳の方も平行して読んでみることに(ほどなく挫折・・・)。 ともあれ、以下に示すように<自分を知るために><人間を知るために><社会を知るために><歴史を知るために><自然を知るために>と区分けして、古典が列挙されている。選書の参考にしたい。 <自分を知るために> 1.「幸福論」アラン(エミール・シャルティエ;1868-1951) 2.「夢判断」フロイト(1856-1939) 3.「森の生活ーウォールデン」ソロー(1817-62) 19世紀アメリカ文学の代表的古典。自然派、エコライフ、孤独を楽しむ。 4.「自己信頼」エマソン(1803-82) 19世紀アメリカの思想家エマソンのもっとも有名な論文。詩人のホイットマン、哲学者のニーチェに影響を与える。 5.「赤と黒」スタンダール(1783-1842) 恋愛の駆け引きもの。 6.「方法序説」デカルト(1596-1650) 「我思う、故に我あり」。う~ん・・・ 7.「ハムレット」シェイクスピア(1564-1616) シェイクスピア4大悲劇のひとつ。「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」。 8.「エセー」モンテーニュ(1533-92) 読書三昧の日々に記したエッセイ。博学の無知。 9.「ソクラテスの弁明」プラトン(前427-前347) ソクラテス(前470-前399)の裁判における弁明を弟子のプラトンが記録。無知を知れ。 10.「論語」孔子(前551-前479) 四書(論語、大学、中庸、孟子)の筆頭。今でも使える人生の指針。 <人間を知るために> 11.「自由からの逃走」フロム(1900-1980) 自由=孤独と不安からナチズムなどへの依存が起こる。 12.「ホモ・ルーデンス」ヨハン・ホイジンガ(1872-1945) ナチスに抵抗。遊ぶ人。 13.「わたしの生涯」ヘレン・ケラー(1880-1968) サリバン先生との奇跡の物語。 14.「ツァラトゥストラかく語りき」ニーチェ(1844-1900)。 15.「戦争と平和」トルストイ(1828-1910) 16.「罪と罰」ドストエフスキー(1821-1881) 『貧しき人びと』とか『虐げられた人びと』とか『賭博者』 17.「ファウスト」ゲーテ(1749-1832) 18.「意志と表象としての世界」ショーペンハウアー(1788-1860) 19.「自伝」フランクリン(1706-1790) 代表的アメリカ人、アメリカ最初の外交官といわれたフランクリンの波瀾万丈、紆余曲折の半生が描かれる。鶴見俊輔の訳が面白そう。 20.「パンセ」パスカル(1623-1662) 天才数学者+キリスト教のセールスマン <社会を知るために> 21.「セールスマンの死」アーサー・ミラー(1915-2005)マリリンの元夫。 22.「オンリー・イエスタデイ」アレン(1890-1954)1929年の大恐慌の描写。 23.「世論」リップマン(1889-1974)20世紀最高のジャーナリスト。 24.「審判」カフカ(1883-1924)不条理の世界を描く。 25.「有閑階級の理論」ヴェブレン(1857-1929) 26.「ゲマインシャフトとゲゼルシャフト」テンニエス(1855-1936) 社会学の創始者のひとり。地縁血縁からなるゲマインシャフト、観念的機械的な形成物であるゲゼルシャフト。 27.「社会契約論」ルソー(1712-1778)当時、発禁処分を受ける。 自伝「告白」あり。 28.「ロビンソン・クルーソー」デフォー(1660-1731) 29.「ユートピア」トマス・モア(1478-1535) 30.「君主論」マキアヴェッリ(1469-1527)君主は清濁併せ呑むべし。政治の現実論。 <歴史を知るために> 31.「コン・ティキ号探検記」ヘイエルダール(1914-2002) 32.「夜と霧」フランクル(1905-1997):アウシュビッツの悪夢 33.「ジョゼフ・フーシェ」ツヴァイク(1881-1942):日和見主義者の末路 ツヴァイクは伝記作家として名高い。 34.「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」マックス・ヴェーバー(1864-1920) 35.「イタリア・ルネサンスの文化」ブルクハルト(1818-1897)文化史/美術史の創始者。 36.「航海誌」コロンブス(1451-1506) 37.「三国志演義」羅貫中(14世紀中頃):2世紀末~3世紀末の3国時代 38.「歴史」ヘロドトス(前490頃-前425頃):ペルシアのギリシャ遠征話など 39.「イリアス」ホメロス(前8世紀頃) 40.「聖書」:紀元前1000年~紀元後百数十年 <自然を知るために> 41.「二重らせん」ワトソン(1928-) 42.「沈黙の春」カーソン(1907-1964) 43.「科学革命の構造」クーン(1922-1996):パラダイムによる分析 44.「銀河の世界」ハップル(1889-1953):膨張する宇宙の観測 45.「からだの知恵」キャノン(1871-1945):ホメオスタシス概念の提唱 46.「昆虫記」ファーブル(1823-1915):文学者の一面も。 47.「種の起源」ダーウィン(1809-1882):自然選択概念の提起 48.「『絶対』の探求」パルザック(1799-1850):人間喜劇 49.「手記」レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519) 50.「古い医術について」ヒポクラテス(前460頃-前375頃):医学の父
投稿日:2021.08.23
湖南文庫
木原武一(1941年~)氏は、東大独文科卒の翻訳家、著述家。古今東西の偉人・著名人を紹介した人生論、読書案内などの著書多数。 本書は、2005年に単行本で出版され、2014年に文庫化された。 構成は、…各作品について、著者と作品紹介、要約、読みどころと名言、編者からひとこと、文献案内、が6頁ほどでまとめられており、大変読み易い。(但し、「要約」は、あらすじというより、ポイントとなるパラグラフの引用に近い) 紹介されている50冊は以下である。 <自分を知るために> アラン『幸福論』、フロイト『夢判断』、ソロー『森の生活』、エマソン『自己信頼』、スタンダール『赤と黒』、デカルト『方法序説』、シェイクスピア『ハムレット』、モンテーニュ『エセー』、プラトン『ソクラテスの弁明』、孔子『論語』 <人間を知るために> フロム『自由からの逃走』、ホイジンガ『ホモ・ルーデンス』、ヘレン・ケラー『わたしの生涯』、ニーチェ『ツァラトゥストラかく語りき』、トルストイ『戦争と平和』、ドストエフスキー『罪と罰』、ゲーテ『ファウスト』、ショーペンハウアー『意志と表象としての世界』、フランクリン『自伝』、パスカル『パンセ』 <社会を知るために> アーサー・ミラー『セールスマンの死』、アレン『オンリー・イエスタデイ』、リップマン『世論』、カフカ『審判』、ヴェブレン『有閑階級の理論』、テンニエス『ゲマインシャフトとゲゼルシャフト』、ルソー『社会契約論』、デフォー『ロビンソン・クルーソー』、トマス・モア『ユートピア』、マキアヴェッリ『君主論』 <歴史を知るために> ヘイエンダール『コン・ティキ号探検記』、フランクル『夜と霧』、ツヴァイク『ジョゼフ・フーシェ』、マックス・ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』、ブルクハルト『イタリア・ルネサンスの文化』、コロンブス『航海記』、羅貫中『三国志演義』、ヘロドトス『歴史』、ホメロス『イリアス』、『聖書』 <自然を知るために> ワトソン『二重らせん』、カーソン『沈黙の春』、クーン『科学革命の構造』、ハッブル『銀河の世界』、キャノン『からだの知恵』、ファーブル『昆虫記』、ダーウィン『種の起源』、バルザック『「絶対」の探求』、レオナルド・ダ・ヴィンチ『手記』、ヒポクラテス『古い医術について』 古今東西の幅広い、著名な作品が取り上げられており、できることなら全て読みたいところだが(私がこれまでに読んだのは、抄訳も含めて16冊ほど)、中には大部のものもあり、悩ましい限りである。 そうした意味でも、エッセンスがコンパクトにまとまった本書は、大いに価値ある一冊といえる。続きを読む
投稿日:2020.12.10
トグサ
選ばれている名著もバランスがよく、幅広い分野から選ばれており、納得のいくものである。 1冊において、著者、作品紹介、内容の概略、著書からの抜粋、著書の判型案内と、コンパクトに3ページで各書、納められて…いる。 ブックガイドによっては、内容の説明はあるが、抜粋がないため、一体、どのような感じで書かれているかが、わからないものがあるが、その点、本書は、紹介されている書のトーンがわかり、有り難い。 また、書評、本の紹介において、要約が肝心であるが、上手くまとめられている。 そのため、3ページという短い紹介であるが、本の内容を把握することは、十分可能である。 新入学の季節であるが、無理して、必読書という硬い本にチャレンジするよりも、この本に紹介されている本を読み、自分の血肉とするのも、お勧めする。続きを読む
投稿日:2019.04.14
ポイントが追加されました。ポイント明細ページからご確認いただけます。
クーポンコードの形式が正しくありません。半角英数12桁で入力してください。
エラー(エラーコード: )
本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック
スマートフォンの場合
パソコンの場合
このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?
ご協力ありがとうございました 参考にさせていただきます。
レビューを削除してもよろしいですか? 削除すると元に戻すことはできません。