【感想】転生

貫井徳郎 / 幻冬舎文庫
(72件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
7
27
26
5
0
  • 臓器移植に伴う記憶の転移:意欲的なテーマも佳作

    この本が上梓された1999年当時には相当に先進的な内容だったと思われる。脳死判定の是非も定かでなく(ある意味、今でもそうだが)、まして移植した心臓を通してレシピエントの記憶が転移するなどという突飛な話に取り組むには、かなりの覚悟がいったと思う。最近NHKで、記憶はどこに存在するかといった番組が放送されたが、記憶は脳だけでなく個々の細胞内に存在するという内容だった。レシピエント・ドナー間の記憶の転移を中心に、後半(終盤)は、氏の得意領域でもあるミステリー仕立てで進んでいく。この作品のテーマ(臓器移植および記憶の転移)は、今でも進行形ものでなかなか読み応えのある佳作。続きを読む

    投稿日:2017.07.01

  • ミステリー?

    心臓移植によって現れる謎の記憶を辿って行くミステリー部分は引き込まれますか、書かれた時代のせいなのか?結末がちょっと・・・。前半の看護師さんや友人とのやりとりなと伏線なのかな?と思いきや、それほど重要な感じでもなかったり。主題がミステリーなら結末があっけなさすぎるし、医療について問題提起があるという感じでもなく。うーん、不満足です。続きを読む

    投稿日:2017.09.18

ブクログレビュー

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  • ゆきだ

    ゆきだ

    心臓移植後に数々の不思議な体験をする。絵が上手に書ける、甘いものが好き。心臓移植に伴い、ドナーの記憶や趣味嗜好までもが転移していた。その後様々な伝を辿ってドナーの遺族を探す。会う事に成功。だが、読み進めれば読み進むほど謎が深まる。後半は、一気読みでした。続きを読む

    投稿日:2024.03.01

  • ippohiro

    ippohiro

    心臓にちょっと触りがあって、3ヶ月に一度、循環器内科の検診を受けています。
    今日はその検診日で、病院の常として長い待ち時間を予想して、あと三分の一を残すのみとなった「転生」を読み進んでました。
    読み終わって3分ほどで診察室に呼ばれた時、「じつは重篤で移植が必要…」と言われるような気になってしまいました。
    これって高倉健のヤクザ映画を見終わった人が映画館から肩で風きって出てくるのと同じバージョンですね(汗)。
    映画から出てきた人が数分で普通の人に戻ったように、診察室で「良好です。目立った問題はありません」で普通に戻ることができました。
    ミステリー風味に書かれているけど、この小説のテーマはなかなか重いです。
    続きを読む

    投稿日:2023.10.27

  • mokamoca

    mokamoca

    心臓の病を抱えていた大学生の和泉は、ドナーを得て心臓移植手術を受けた。
    術後の経過は順調で回復も早かったが、以前にはなかった身体の変化に戸惑う。
    これはドナーの記憶や嗜好なのではないか…という疑問を持ち始め、それと同時にドナーへの強い興味を覚える。
    しかし、ドナーの名前等は知ることが出来ないことになっている。
    もちろんコーディネーターや医師が、それらを教えてくれることもない。
    ただ、性別と年齢やどうしてなくなったのかまでは教えてもらえた。
    ただ、和泉は奇妙な夢を見たことで、その夢に出てくる女性こそがドナーてはないかと確信し、その遺族を探すことを決意する。
    しかし、それは容易いことではなかった。

    もし、自分にも同じことが起こったら…?
    きっと自分も同じ思いを持つと思う。
    その行動力があるかは別として…
    医学の発展の良し悪し等、深い題材。

    2023.5.7
    続きを読む

    投稿日:2023.05.07

  • まごころ画伯

    まごころ画伯

    貫井徳郎さんの『転生』を読了。

    臓器移植のお話。

    心臓移植を受けた主人公。
    それから趣味嗜好特技が変わり、
    まるでドナーの記憶が引き継がれたよう。
    また夢に出てくる謎の女性。

    こんなこと本当にあるかよくわからないけど
    でもテーマは人の死の定義と絡んでいてとても重い。
    続きを読む

    投稿日:2023.01.20

  • 黛 内蔵助

    黛 内蔵助

     心臓移植、ドナー、レシピエント…この三題噺で読まねばならぬ、と思う。読みは「てんせい」となっているが「てんしょう」の方が良くないか。

    投稿日:2022.08.14

  • ありんこゆういち

    ありんこゆういち

    内容(「BOOK」データベースより)
    自分に移植された心臓は、ドナーの記憶を持っているのか?移植手術を受けた大学生の和泉は、これまでとは違ってきた自分の趣味や嗜好に戸惑う。突然夢に現れた恵梨子という見知らぬ女性の存在も気にかかりながら心惹かれてゆく。やがて和泉は夢の記憶だけを頼りに、タブーであるドナーの家族との接触を図り、恐るべき近代医学の闇に直面する。続きを読む

    投稿日:2019.11.05

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