【感想】福島原発事故 県民健康管理調査の闇

日野行介 / 岩波新書
(15件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
4
5
3
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2
  • これぞ調査報道

    KKK秘密会を知った当初は大した問題と感じなかったが、取材するうち一大事と気付き念を入れ慎重な調査をし始めるあたりの記述が興味深かった。
    福島県(事務局)側は「リスクコミュニケーション」を、「リスクのあるコミュニケーションを避けてリスクが無いとアナウンスすること」だとでも思っていたようだ。
    私自身、日野記者の秘密会第一報は「よくあること」と思ったのが正直なところ。続けて打ち続けられた記事から、その問題点を認識するようになったわけで、粘り強い調査報道に敬意を表したい。
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    投稿日:2014.02.07

ブクログレビュー

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  • 聖心女子大学図書館

    聖心女子大学図書館

    カテゴリ:図書館企画展示
    2016年度第9回図書館企画展示
    「災害を識る」

    展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。

    開催期間:2017年3月1日(水) ~ 2017年4月15日(金)
    開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース
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    投稿日:2019.02.28

  • たば

    たば

    2011年の311以降、福島県や国の原子力に対する対応を見るにつけ、政治家というものに侮蔑しかわかなくなった人も多いと思います。

    本書は、福島県で設立された県民健康調査委員会の呆れ果てた実態の数々を公式資料と独自の取材で暴いています。

    県民へ何を公開するのかという情報操作が、「県民の不安を解消するため」というリスクコミュニケーションのお題目の上で秘密裏に会議されていた実態。

    そこに見えるのは、県民流出を防ぐため、放射線被害をなるべく最低限に見積もる、という県の政治的思惑。

    その結果、住民の「不安を解消する」どころか、「なにが真実かわからない」とう不安、怒りをただいたずらに増長させるだけになりました。

    そのような事態になったにも関わらず、記者会見は紋切り型で短時間、情報操作をしていたことについては「誤解をまねきかねない行動」の一言で済ませて認めようとせず、被曝量の基準も改めようとしない。

    僕は原発反対の立場です。しかし、ここで問われているのは原発の必要の有無ではなく、情報操作を可能にし、住民の声に耳を傾けようとしない閉鎖的な政治システムの必要性の有無です。

    これから暮らしていく日本をどのようにしていくか。反面教師として福島県議会は充分やってくれたと思います。もう後進にまかせて休んでください。
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    投稿日:2014.08.08

  • iker

    iker

    福島原発事故 県民健康管理調査の闇 読んで暗澹たる気分になった。秘密会議をやっていたというニュースは見ていたが、ここまで悪質だったとは。甲状腺がんは100万人に1人と言っていたのに、33人出てる。ほんと悲しい、悔しい http://t.co/KnytjnSepI続きを読む

    投稿日:2014.03.06

  • 宮本知明

    宮本知明

    福島原発事故の健康被害を調査するため福島県が実施している「県民健康管理調査」。住民が最も関心を寄せているデータにもかかわらず、無用な混乱を回避するという美名の下、長きにわたり隠蔽が繰り返された。存在を隠し続けてきた秘密会や準備会、あらかじめ作成された会議シナリオ、議事録の改竄など、忌々しき事実が次々と明らかにされていく。行政機関とは一体誰のためにあるべきなのか。著者は厳しく問い直している。続きを読む

    投稿日:2014.02.12

  • syounenalice

    syounenalice

    知っておかなければならないと思い、手にしました。
    読んでみて感じたこと。
    ひどい。嘘をついてごまかして本当のことは言わないで、市民をばかにしている。人の心が無いんだろうか。隠し通そうとした闇を暴き、こうして伝えてもらえたことに感謝します。続きを読む

    投稿日:2014.01.08

  • kimutomopace

    kimutomopace

    このレビューはネタバレを含みます

    ”取材を重ねる中で、よく想像したことがある。10年後か20年後か分からないが、甲状腺がんに限らず、健康被害を訴える人々がでたときにどうなるだろうかと。
    そうならないのが一番良い。しかし、万が一、そのような状況になったとき、国や福島県はこの県民健康管理調査の結果を使って、「被曝との因果関係はない」と反論するのではあるまいか。そのとき、この県民健康管理調査がなんだったのか、調査内容がどう決まり、どこまで信頼できるものかが問われることになる。”

    エピローグに記された言葉に、記者の一連の”秘密会”取材にかける意気込みを感じる。”秘密会”を必要とした県民健康管理調査検討委員会が何を守ろうとし結果として何を犠牲にしているのか。”科学的””客観的”であるとは何か、専門家の役割とは何かについても考えさせられる。多くの人に読んで欲しい。

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    投稿日:2013.12.22

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