【感想】語られざる中国の結末

宮家邦彦 / PHP新書
(14件のレビュー)

総合評価:

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  • 別に衝撃って内容では無いような

    ここ10年と少しで、日本はアジアのパワーシフトに伴う様々な経験をしてきました。中国製品の更なる普遍化、中韓の反日騒動、民主党政権時の外交トラブル。ネットの発達のおかげで、日本人は個別の事例については案外深いところまで理解していると思います。しかし、では中国に対するときにどう考えたら良いのか、コンセンサスはありません。ネットではノイジーマイノリティが反中を叫び、新聞はパンダハガーのままです

    本書は外交官として経験を持つ筆者が、現代中国をごく大づかみに解説し、近未来~すこし先の中国がどうなるか論理実験し、いくつかのパターンに分けてその将来像を示します。その上で、日本がどうしたらよいのかを提案しています。

    仰天エピソードなどは登場しませんが、最初に書いたように、我々は案外色んな事をしっているのです。そのような知識をつなげて全体像を示してくれるという意味で大変読み応えがありました

    おすすめです
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    投稿日:2014.03.19

  • 日中関係を読み解く

    考え方として非常に興味深く読ませてもらいました。テレビなどのマスメディアとは違った角度からの切り口は大いにためになりました。日本と中国だけ見ていては見えてこないことが沢山あることに改めて気がつかされました。続きを読む

    投稿日:2014.01.13

ブクログレビュー

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  • うみ

    うみ

    中国の今後を予測するたぐいの本は、通常中国が米国と衝突するや否やについてをテーマにすることが多いのですが、中国が米国と衝突したあと、日本は中国とどのように付き合うべきかについて考察している本というのは珍しい。(もっとあって良いと思うけど)ただ、新書では無くハードカバーでたっぷり書いて欲しかった気もする。中国が未だに西洋文明との接触を飲み込めていないとの分析は良かった。続きを読む

    投稿日:2018.10.14

  • ドラソル

    ドラソル

    元外交官の著者が、中国の動向を分析した一冊。

    色んなパターンを分けて具体的に論じているのが面白かった。

    投稿日:2017.02.12

  • 小田 浩彦

    小田 浩彦

    近い将来米国と中国との衝突後、中国統一・分裂/ 独裁・民主化それぞれの場合のシナリオを想定し、中国敗北後の日本の針路を考える。
    著者は、現在の共産中国には日本の安全保障を託せるような実力も魅力もない、日本は大陸と一定の距離をおきつつ貿易に価値を見出す島国同盟を基本とすべき。
    日本は近々起こるであろう東アジアのパワーシフトの結果生ずるかもしれない新たな国際秩序づくりに参画すべきだ。
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    投稿日:2016.07.16

  • 湖南文庫

    湖南文庫

    安倍首相とも近い元外交官が、来るべき米中の衝突「第二次東アジア戦争」の後に予想される中国の政治体制の変化をシナリオ別に分析し、その後の東アジアの国際秩序の中で日本がどのように対応するべきかを語っている
    本書で著者は、
    ◆今後10~20年の間に米中の軍事的緊張は一層高まる。東アジアと西太平洋における現状維持を望む米国に対し、同地域における勢力の回復・拡大を目指す中国が挑戦することになるからである。その背景には1840年代のアヘン戦争に始まる「西洋文明からの衝撃」という漢族の民族的トラウマがあり、「人治」がすべてに優先するという「中国の伝統的な統治システム」を実質的に否定する欧米の民主的発想への反動でもある。
    ◆サイバー空間や宇宙空間などでは既に戦闘が始まっており、今後、場合によっては、部分的かつ短期的な軍事衝突さえ起こりうるが、中国が勝利を宣言できるような形で終結することはなく、中国共産党の権力を弱めることになる。
    ◆戦争終了後の中国の政治体制については、1.中国統一・独裁温存、2.中国統一・民主化定着、3.中国統一・民主化失敗と再独裁化、4.中国分裂・民主化定着、5.中国分裂・民主化失敗と再独裁化、6.中国分裂・一部民主化と一部独裁の並立、7.中国漢族・少数民族完全分裂、という大きく7つのシナリオが考えられ、現時点において最も可能性が高いのは1.であるが、米中衝突という事態の与える影響は計り知れず、いずれ国内情勢は不安定さを増していく。
    ◆このように東アジアの情勢が変化する中で、日本のとるべき戦略は、島国という地政学的特性を最大限に活かし、大陸の諸問題には一定の距離を保ちつつ、大陸諸国間のパワー・バランスを維持し、海上交通路を確保して貿易を奨励すること、そして、アジアで初めて、近代化を成し遂げ、国家統治において(欧米型の)普遍的・合理的システムと伝統的価値とを共存させた国としての役割を果たすことであり、それにより、第二次大戦を「歴史」にすることができる。
    と述べている。
    現代世界において唯一帝国的性格を残す中国が、今後も帝国であり続けるのか、それとも民族国家に変わるのか。大帝国は必ず分裂するというのが歴史的教訓であり、ソ連の崩壊をリアルに経験している世代としては、「諸行無常」、現時点では予想もできないような事態が起こるのではないかとも思う。そのとき日本は如何に対処するのか、遠くない将来のシナリオとして考えておく必要性を感じる。
    (2014年2月了)
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    投稿日:2016.01.11

  • garcon

    garcon

    世界と日本のかかわり方を3つのフェーズに分けて論じたくだりがためになった。日本が最も繁栄するのは島国同士の同盟を組んだ時期だと著者は主張する。日英同盟と日米同盟。アメリカが島国だという指摘は意外であった。

    そういえば、日本は海洋国なのか?という疑問を呈したのは、故・高坂 正堯だったと思う。どういう内容なのか失念した。もう一度読んでみよう。
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    投稿日:2015.12.26

  • housoushi

    housoushi

    元外務省高官による今後の中国の未来予測。左右バランスのよい冷静な分析で非常に分かり易い。今後考えられるのは米中の偶発的な衝突。現在の戦力では圧倒的米国が有利ではあるが、その背後に日本の存在が必要。衝突は短期決戦。問題なのはその後どのように中国共産党が国を維持できるのか、著者が提示するいくつかのシナリオが面白い。
    中国の民主化の副作用として、韓国と同様に従来以上に反日ナショナリズムに依存する国家が出来るという可能性。中国の民主化は歓迎される事ではあるが日本にとってマイナス要素が多いのだと。
    中国の好き嫌いで自己満足的な予測をせず、現実の対応を考えることが大事だと筆者。
    それにしても中国の大気汚染はなんなんでしょう。ビジネスで行かざるを得ない方々、ご自愛下さいませ。
    続きを読む

    投稿日:2015.12.14

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