【感想】惑星9の休日

町田洋 / 祥伝社コミックス
(29件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
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8
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  • 辺境の地のノスタルジー

    惑星9(ナイン)という辺境の星を舞台とした、連作短編集。
    淡くて、儚い。そんな一夏の思い出のような物語が詰まった1冊です。

    表題作、「惑星9の休日」は、影の中の女性に心奪われた男と、その男に恋をしてしまった少女の物語です。
    陽の光が当たらず、影の中で何年も凍り付いた1つの町。
    主人公はその街で氷像のように固まるひとりの女性に惹かれるも、突然の隕石で星の地軸が変わり影は消えてしまう。
    閉じ込められていた街もまた、一瞬にして砂の山へと変わってしまいます。

    その他にも、たったひとりで暮らしてきた宇宙生物と宇宙飛行士の邂逅や、倉庫に眠る映画の上映フィルムと老人の対話など、ノスタルジックな色合いを持った物語が続いていきます。

    最低限の描き込みで構成される景色と、言葉少なに佇む登場人物たち。
    余白の多いこの作品には、きっと自分がどこかに置いてきた想い出を重ね合わせることができるはずです。
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    投稿日:2015.05.25

  • 何か懐かしさを、ノスタルジーを感じる

    まず、白と黒がいい。いわゆるグレースケールで描かれている。
    雲と空、夜空と星、夏が実に似合っている作品だ。
    全編通して「初恋」を感じさせる。
    あのときめき、あのきらめき、あのどぎまぎ、あの甘酸っぱさ…
    そうか、デジャブなんだ。
    通って来た道だから、懐かしい風景に出会った感動を覚えるのか。
    海の風景、ガスタンクのてっぺん、お節介な隣人、
    誰もが知っているああした光景、そして思い出。まるでちょっと前に戻ったみたいな。
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    投稿日:2013.11.10

  • 日常の延長線上にある永遠、みたいなやつ。

    「うまく説明できないんだけど その時 この瞬間は永遠なんだ、と思った」
    ちょっとした日常に起こったドタバタハプニングの後、「疲れたー。あ、明日休みじゃん?この後ご飯食べてく?」と被害者仲間に誘われてのモノローグ。この瞬間を永遠と判断するには脈絡なさ過ぎるのに、本当だ永遠だ、て同調できたんです。
    オザケンの『さよならなんて云えないよ』の歌詞で「左へカーブを曲がると 光る海が見えてくる 僕は思う!この瞬間は続くと!いつまでも」が好きなんですけども、それと同じ匂いを感じる。日常の延長線上にある永遠、みたいなやつ。
    続きを読む

    投稿日:2016.12.29

  • ふわっとしたSFファンタジー

    青い空、白い雲、可愛い女の子。
    ゆったりとした時が流れる惑星9のささやかな日常を描いた物語。
    独特な空気感があります。

    投稿日:2014.01.17

ブクログレビュー

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  • ナカオ

    ナカオ

    初めての著者の漫画。
    最初の話の感じで全話行くのかと思ったら、あ、そういうのじゃ無いのね、となった。
    どれも今後いつか一瞬思い出すんだろうなという感じの話が淡いイメージとして残る。
    (なんだかよく分からないけどsonny boyを思い出した。)続きを読む

    投稿日:2024.03.08

  • NFCC図書館

    NFCC図書館

    凍り付いた美少女に思いを馳せる男、幻の映画フィルムにまつわる小さな事件、月が惑星9を離れる日、愚直な天才科学者の恋…風にのって遠くからやってきた、涼しげな8つの物語。(e-honより)

    投稿日:2023.11.16

  • うめお

    うめお

    このレビューはネタバレを含みます

    シンプルなんだけどハッとさせられ、緩急にグッとくる。ふわふわした気持ちになる。とても好き。全部の話がそれぞれ魅力的。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.08.30

  • grpcd

    grpcd

    町田洋デビュー作。後年の作品と比べるとややウェットでエモに寄った作風か。とはいえその才能はコマの隅々にまで迸っている。

    投稿日:2023.05.25

  • acipin

    acipin

    このレビューはネタバレを含みます

    絵柄はシンプルで角ばってて80年代な雰囲気なのに、女子は意外と萌え系w シュールでまったりした感じが好み。
    短編集ってセンスとスキルがいるなーと思う。市川春子思い出す。
    個人的には、UTOPIAの映画じいさんが好き。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2020.09.15

  • らくがきクン

    らくがきクン

    最初の数ページを読んだときは淡々と淡く大味な物語が始まるのだろうなと思っていた。
    読んでいくととても繊細な物語ばかりの短編集でとても良かった。

    投稿日:2020.08.09

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