【感想】“末摘花” ヒカルが地球にいたころ……(5)

野村美月, 竹岡美穂 / ファミ通文庫
(24件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
2
9
8
1
0
  • 不美人な引きこもり

    面白さが激増したので3~7巻まで一気読みした上での感想です

    夏だ水着だプール回だ。ということで、最初はプールです。水着を一緒に買ったり、まるでラノベのハーレムものです。あ、”ヒカル~~”はラノベのハーレムものか。源氏物語はひどいロリコンものですが、ひどいハーレムものでもあるんですね。ていうか、宮中の女性に向けて書かれた読み物だったんでしょうから、当時のラノベだったんでしょうね。我々は、ロリコンハーレムラノベを、”最高の文学”といって有り難がってるんですな。

    閑話休題、本題はサフランさんですね。手紙だけで顔も見ないってのは、平安の時代だけじゃないですね。実は現代でもありがちですね。趣味なんかのネットの交流から結びついた男女はかなり多いと聞きます。それだと途中まで顔を見てないのが普通ですからね。作者は上手ですねえ。ま、最近はFacebookやら画像SNSメインで、また事情が変わっていそうですが

    末摘花は和歌やらなんやらの文通で恋心を募らせたんだっけ?さすがにメールだけでは話が作れませんので、ヒカルの一族のゴタゴタと絡ませてストーリーが進行します。ここに来て朝衣がクローズアップされてきました。是光が朝衣をナンパとか死ぬほど笑えます。

    作者はサフランを昭和の没落華族のように描写してます。黄昏れた感じが合ってると思います。そして、顔の描写を中心としたクライマックスは印象的です。ブサイクが美人に変わる瞬間というか、女性がみるみる変わってしまう事ってありますね

    全体的に中継ぎ的な感じが強いので星4としますが、でも鼻が変な形をした不美人の物語は悪くなかったです。胸の大きさしか区別付かないヒロインだらけのラノベでは出来ない物語ですなあ
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    投稿日:2013.11.22

ブクログレビュー

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  • ちこ(´・ω・)

    ちこ(´・ω・)

    探しに来ているはずが。
    ただでさえ苦労しているというのに、周囲が勝手に騒いで暴走されたら普通に生活するのも苦になりそうだな。
    苦労を知らないと言われても、具体的に教えてくれなければ分からないだろ。

    投稿日:2022.12.06

  • ほたて

    ほたて

    ネットでしか繋がれない女の子に、やきもきしながらも一生懸命メールをする是光は微笑ましかったです。
    ユニークで個性的な顔のサフルールにヒカルが心から可愛いよと伝えるところも、気持ちが伝わったあとのサフルールの反応もとっても素敵なシーンです。続きを読む

    投稿日:2022.07.15

  • ゆづき

    ゆづき

    ネットで知り合ったサフルールのユニークで個性的な顔をヒカルが本心から本気で可愛いと褒めるシーンが清々しくて爽やかで良かった。水着バトルは小学生の紫織子と同レベルな帆夏がそれでもカラッとしていて明るい気持ちになった。夏休みで紅茶専門店でウェイトレスのアルバイトをはじめた葵も一生懸命で応援したくなった。続きを読む

    投稿日:2018.10.09

  • reinou

    reinou

    このレビューはネタバレを含みます

     ヒカル・シリーズ5巻は、あの鼻の「末摘花」がモチーフに。

     「傑作」。
     まず浮かんだこの言葉は、ライトノベルで「末摘花」のような少女に、かような素敵な笑顔を生み出させる作品に出会えるとは思わなかったためだ。
     一方で、なんとあの子が花散里とは吃驚仰天である。

     ところで、是光くんの周りもだんだんと華やいできて…。さてどうなっていくことやら…。

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    投稿日:2016.12.27

  • 永遠ニ馨ル

    永遠ニ馨ル

    このレビューはネタバレを含みます

    是光のハーレム化が着々と進む。
    無自覚って怖い。

    今まで出てきた女の子の書き分けはすごいなぁと思う。

    朝衣が葵を守る本当の意味を知りたい。
    月夜子が言ったように思っているわけでもなく、きっともっと根深い思惑と理由があるのだと思う。


    今までのヒロインでは帆夏が一番好きだ。(巻ごとでの主役を張ってはいないからヒロインと呼べないけれど)
    まぁこれは、ヒカルがお手付きしてないだけってことだし。
    彼女を好きな理由は、大いに共感できてしまうから。きっと帆夏も長女なのだと思う、勝手に。
    好きなひとにはつい、意地を張っちゃうんだよね。
    心配されるのもニガテだし、つい思わず「大丈夫」って言っちゃうの。それで「うぁ~~~」って後悔するんだ。

    帆夏、ガンバれ~!

    レビューの続きを読む

    投稿日:2015.04.14

  • 瑠璃花@紫苑

    瑠璃花@紫苑

    このレビューはネタバレを含みます

    末摘花は、源氏物語の中でも異色の女君。
    お顔もボディも残念。アタマも良くなくて。

    どっちかって言うと、笑いものにされるのが仕事のヒロイン。

    源氏が栄華を極めた時に、六条院に引き取られ、夫人の一人
    として世話を受けますが、世の中を渡る才覚も美しさもない
    彼女に同情しての待遇でした。

    ただ、源氏が一つだけ認めた美点。
    それは純真であること。

    若さと美貌と驕りにまかせ、恋のやり取りの気まぐれに
    関係を持った彼女を、政変にあった源氏は忘れて放置。

    普通なら、そこで絶望したり恨んだりするのに、
    彼女は源氏をひたすら信じて待っています。

    少し知恵の回る女なら、諦めて去っていたでしょうに
    必ずお逢いしに参りますという言葉を信じ
    朽ち果てた陋屋で男を待つほどの純情。

    愚かではありますが、他の誰も出来ない愛し方に光源氏は
    うたれて、末摘花の保護者となりました。

    これは本家の源氏のお話。
    ではこのシリーズでは?

    ネットで可愛い女の子を演じていたリアルにお顔が残念な
    女の子の、心の中にある可愛さを愛したヒカル。

    「ネットを越えて会う」という行動で、ヒロインのべにちゃんに
    君はかわいいと伝えたかったんだとか。

    だけど、肝心のべにちゃんのお話よりも、この巻は
    是光くんと式部さんの仲が進展することに重きを
    置いてる気がして、お約束の「救い」は薄くなっています。

    サフランことべにちゃん。
    次々現れる美少女に、すっかり打ちのめされて。
    こころはどんなに可憐でも、可愛く装うことさえ
    自分に許せない「ぶす」っていう鎖。

    私はそんなに簡単には、解けないと思うのです。
    まして、式部さんを本命に思い定めた是光くんでは。

    美少女たちは、ああだこうだいったって自信があります。
    だけどべにちゃんにはそれはありません。
    他の女の子に、こんなに真剣に恋してる男の子が伝言
    ちょっとしたくらいで、どうにかなるとは思えません。

    お話的オトシどころとしては、こころの美しさや知性は
    会わなくても本当にヒカルの心を掴んでいたとするしか
    ないのですけれど。

    本当に好きな子が出来たなら、もうそういう手助けは
    キツイんじゃない?って、少し胸が冷えました。

    本家の末摘花と違ってべにちゃんは、
    バカではありません。

    人気ブロガーになったり
    植物を育てられるほどには知的です。

    だから
    自分の容姿に対しての客観的な認識も
    ちゃんと持っています。

    そんな女の子が、あんなあっさりあのくらいで落ち着く?

    私はむしろ、彼女にとって良かったのは、これを機に
    構わない放題だった外見を、バカにされないために
    「ぶす」だからこそ
    マシに見せるよう頑張るだろうって事の方でした。

    これからもきっと彼女はバカにされます。
    いくらいいお友達が出来たとしても。

    自分の容姿に傷つく日が何度もあるはず。
    だけど、泣きながらでも、負けないでいて欲しい。

    綺麗じゃないからって。

    すだれアタマじゃ駄目って気がつくでしょ?
    急に美女にはなれっこないから、
    自分なりによくなろうとするでしょ?

    なんて言われようが
    明日もその姿で生きるしかないなら。

    ほったらかすよりマシにしてやれるのは
    自分だけだって気がつくはず。

    そして
    マシになった自分をほんの少し好きになったら。

    知的なところや優しさを、これは本物。
    ってもう一度自信持ってほしいな、って思います。

    その時初めて彼女は、昨日よりいい自分を
    自分で手に入れるから。

    べにちゃん。

    いつか、あなたが顔を上げて
    すきなひとの目を見てくれますように。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2014.07.14

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