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新田次郎 / 講談社文庫 (1件のレビュー)
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総合評価:
くっちゃね村のねむり姫
逆らえぬDNAに導かれた人生、読みごたえあり
この作者らしいスケールの大きな話でありました。幕府の隠密?とか城の抜け穴などの話は、少々脇道にズレすぎかなとも思わなくもありませんが、流石に見事な筆致で引き込まれてしまいます。特に、名古屋城は私の地…元でもあり、また昔から抜け穴の話は伝説としてありますので、大変興味をそそられました。 そして、笛づくりの本質である「古いかたちを真似ること」とか「いかにして同じかたちのものをつくるかということが笛師の生命なのだ。」ということも至極納得いくものでありました。というのも、かつて私の上司だった方に能面づくりが趣味の人がおりました。その上司は現役の頃から京都に通って先生に師事し、退職してからは能面教室を開いています。その方の話に寄れば、すべての能面は過去の名品の写しであるとのこと。いかにそっくりの面を作ることに血道を上げているというわけです。確かに能面展に行くと、タイトルに〇〇写しと記載してある物ばかりであります。 ここが、伝統を守りつつ新しいものを生み出していくという芸術・芸能とは一線を画すものなのでしょう。それにしても、日本古来の伝統を引き継いでいく方々の生活が保証されないという日本は、これでいいものなのでしょうか?それが心配であります。続きを読む
投稿日:2021.02.01
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