【感想】野生のラスボスが現れた！ -黒翼の覇王-　1

こういう作品好き

今後に期待です！！

ゲームで育てたキャラになってしまい、ゲームシステムの都合であることをやったらゲーム世界が大変なことに的な流れかと。説明下手ですみません(´・ω・`)

古典的にして独創的

簡単に言えば「気が付いたら自分が作ったMMORPGの最強アバターに転生」という、量産型にして典型的なろう作品。
………の皮を被った、鋭く作り込まれた良作。

本作の長所はとにかくストーリー・設…定・世界観が良い事。序盤こそ主人公チートで最強な描写だが、そこから世界観や設定の奥深さを少しずつ発揮しだし、読者を引き込んでくる。
この世界観や設定の作り込みは他作品では見られないほどに独創的で、特に「ただの転生物かと思いきや実は主人公は○○○○の○だった」「人類の敵である魔神族は○○が放った○○」等の設定はセンスの塊だと思う。
単なる「現実世界と同等になったゲームの世界」ではなく、○○○の正体が○○○であり、それを作中では“人形”と呼称する等、「元がゲームである」事を上手くストーリーに組み込んでいるのも見事。
「召喚・転生で都合よく強大な力を得て無双する他なろう作品の主人公」に対する強烈なアンチテーゼの描写すらある。

一方で、「7人の英雄」「裏切られた覇王」「十二星座を模した覇王の忠臣」「そのネーミング」あたりの作りは、火の玉ストレートでバタ臭く思えるほどに王道的。かつての部下を探すために旅をする、という序盤の行動目的も正にRPG等における王道ストーリーである。
「古臭いまでの王道」と「他作品では見られない独創的要素」を上手く融合させており、それでいて散りばめられた伏線とその回収、危機的状況への直面と新たな謎、この起伏の高いストーリーを違和感なく、テンポ良く、分かりやすく読者に読ませる構成力の高さは素直に凄い。

主人公や各キャラクターも魅力的で、特に主人公の周辺は個性的を飛び越えてキワモノ揃い。他なろう作品によくある「登場人物の殆どが女性で例外なく主人公に惚れている」なんて事はなく、ちゃんと男性キャラも登場させて要所要所で活躍させているのも好感が持てる。
同じく他なろう作品にありがちな「地区Bが浮いている」「パンティラだらけ」「S3X」等の萌え・エ口描写はほぼ皆無。個人的にはこの点も好印象。

とまぁこんな感じで非常に完成度の高い作品。キャラクターデザインはちょっと好みが分かれるかもしれないが、作画自体は極めて良好。もし良かったら手に取って頂きたい。続きを読む