【感想】かんぺきな街

売野機子 / ウィングス
(4件のレビュー)

総合評価:

平均 4.7
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  • 「寝起きに夢を尋ねる人がいると夢を憶えていられるんだな」

    タイトルである完璧な街なんて、おそらくどこにもないのだろうけど、
    そもそもこの本のタイトルはひらがなで“かんぺき”。
    英語で書けば同じPERFECTだけど、日本語ではそのニュアンスは変わってくる。

    たとえば飽くまで括弧付きの“かんぺき”であるとか、完璧ということへの皮肉であったり。
    この作品には、というか売野機子の作品には何かを喪失していたり、足りないと思っている人たちが登場してくる。

    失業中のジョシュは遺失物拾得センターで嘘をついて、届けられた封筒をいただいてしまう。
    それはある学校のテストの答案用紙だった。

    その答案用紙を探す少女長崎ミカと出会い、ミカもジョシュも過去と未来が動き始める。

    「私のこと野良犬だと思って 顔を出したらかわいがって いなくなっても探さなくてもいい
     でもたまに あいつ見ないなって思い出して……」

    「寝起きに夢を尋ねる人がいると夢を憶えていられるんだな」

    このふたつの言葉にゾクッとした。
    売野は何でもないと思っていた流れで突如印象的でハッとさせられるセリフを入れてくる。

    男性誌だけを読む人には少女マンガ的に感じるかもしれないが、
    読んでみれば普遍的に誰もが楽しめる作品であることがわかるはず。
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    投稿日:2016.07.04

ブクログレビュー

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  • 果糖

    果糖

    『おれは大人になったらわかるよって言わないように気をつけた でも何度も言いそうになって本当に本当におれは大人になっちまってさびしくてかなしい』

    『新しくて真っ白なものに囲まれたら 死ぬのが滑稽に思えてくる』

    『オムニバス形式の夢じゃない?まゆげが上がったり下がったり忙しかったので…』

    『そうか 寝起きに夢を尋ねる人がいると夢を憶えていられるんだな』
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    投稿日:2018.10.28

  • see_you_cowboy

    see_you_cowboy

    売野さんの漫画の雰囲気が好き。昔「ぶ〜け」っていう大好きな少女漫画誌があったんだけど、そこに載っていそうな感じの。いつの時代のどこの国かふんわりわからないところが、なんだか読んでて落ち着

    主人公(過去を引き摺る疲れた30歳)が疲れたおっさんぶって若い子見ながらあーだこーだ思うんだけど、それ読みながら、そうそう、でもまたそこから二転三転あーだこーだあったり思ったりだよなーとさらに歳食ってる自分は思ってフフッとなるのがいい。巻末の読み切り読んでも思ったけど、どうしようもなくみんな生きていくだけ。だから愛おしいんだ、ということ。続きを読む

    投稿日:2016.04.02

  • ゆっぴい

    ゆっぴい

    発売をたのしみにしてました 文句無し!やさしくて切なくてお洒落で不器用で、売野先生の生み出すひとが大すきだ〜 「ねこさがし」の律子さんと結婚したい

    投稿日:2016.03.27

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