【感想】なぜぼくが新国立競技場をつくるのか 建築家・隈研吾の覚悟

隈研吾 / 日経BP
(6件のレビュー)

総合評価:

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  • この男は、なぜ”火中の栗”を拾ったのか。

    新国立競技場の設計再コンペの結果、隈研吾の案に決まった。

    若くして逝去したザハ・ハディッドの斬新な案は、夢のなかへと消えていった。

    フューチャリスティックだったザハ案に対して、
    隈研吾は木材をふんだんに使い、植物が繁茂する未来を夢見た案を提案した。

    地元の素材を使うことを積極的に行なってきた隈は、
    今回もなぜ木材での設計を考えたのだろうか。

    そうした新国立競技場案への解説はもちろん、
    隈がその案に至るまでの歴史をを実作と建築史を通じて語っている。

    公共の箱物建築への批判が続くいま、
    建築は果たして誰のために建てられているのか。
    社会と建築はどんな対話が可能なのか。

    2020年がどんな年で、どんな都市になるのか、
    この本から想像してみても楽しいかもしれない。
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    投稿日:2016.05.31

ブクログレビュー

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  • gaigai1020

    gaigai1020

    東京2020オリンピックメインスタジアムの新国立競技場の建築がザハ氏から隈氏に急遽変わった。東京1964オリンピック時の丹下氏の代々木体育館に憧れ建築家になった隈氏が、東京2020オリンピック新国立競技場を設計した。日本伝統の木造建築の良さを出した新国立競技場に対する思いを茂木氏と語る。続きを読む

    投稿日:2021.04.03

  • 関根雅泰

    関根雅泰

    ・今、建築業界では、「日本的な工法」や「木を使うこと」に関して
     積極的な追い風が吹いている。

    ・殺風景なスタジアムの課題を解くカギが、木にある予感があった。

     「木」という素材のもつ温かな感じは、なぜか人間に大きく作用するから。

    ・今の複雑な社会を統合できるのは「木」しかない。
     人間と自然とをつなぎ直してくれる素材が「木」。

    ・「コンクリートの時代」を「木の時代」に変えることが、自分の使命。

    ・高度経済成長時代には、木を切り出すことが、森を失うことにつながる
     という誤った認識が流布した。

     事実は全く逆。森から木を切り出し、そこにまた木を植えていくことが、
     森に健康的な循環を作りだす。

    ・世界の建築のトレンドは「木」

    ・震災によって、人の意識が変わる。

    ・木は成長した後に、だんだんと腐っていく。
     腐った部分を見つけて、丁寧に取り換える。部分更新が可能。

    ・木の建築は、半分だけ生きている。

    ・永続性を一番保てるのが、実は木という材料で、
     逆に一番保てないのが、コンクリート。
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    投稿日:2017.05.06

  • maimai1012

    maimai1012

    受け身で戦う。プロジェクトの進め方の鍵として、軸が見つかるまで徹底して聞き役に徹する姿勢にに共感。建築の在り方は地域や環境に密着したもの、そのための木の役割は大きい。

    紀元前ローマ時代に征服地から連れてこられたバラバラな人々をまとめるために、アウグストゥスは大理石でローマ都市を築き統合を成し遂げた。

    紀元前に、建築という先端技術が社会を変えたことが、隈研吾さんは複雑化した現代社会で木こそがそのメディア的役割を担えるのではないかという。

    オリンピックに向けた完成が楽しみになってきました。
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    投稿日:2017.01.14

  • chap

    chap

    もやもやとしていた霧が晴れた。
    アメリカは民間の寄付頼み。中国では必ず委員会が作られる。
    呼ばれたらやる。
    eyesore。

    投稿日:2016.12.27

  • kasaharapapa

    kasaharapapa

    このレビューはネタバレを含みます

    日本人はどうも「妥協」という言葉をネガティヴにとらえがちですが、妥協とは大人が備えるべき高い能力のひとつであり、社会が必要とするのは、美しい妥協であるとぼくは考えています 木という素材は人々を調整する最高の道具です ヨーロッパ大陸は、ゲルマン的な価値観が支配する場所で、しぜんは制圧すべきものであり、崇拝の対象にはなりません ロジックでオレたち本当に幸せになれるかな なぜコンクリートのオフィスが必要だったかというと、柱のない大空間にたくさんの人を閉じ込めないと、効率的な仕事が出来なかったからです 里山資本主義 藻谷浩介 雲の上のホテル 日本人は、行間を読み合う人たちで、思考の強みは、茶道が象徴するように、空間と行為と言語の一体化にあると実感しました

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    投稿日:2016.06.15

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