【感想】シャープ崩壊--名門企業を壊したのは誰か

日本経済新聞社 / 日本経済新聞出版
(47件のレビュー)

総合評価:

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  • ダメになるべくしてダメになった

    現在進行形の話ではあるが、なぜシャープがここまでダメになったのか、よく調べられて纏められている。まるで清水一行の企業小説を読んでいるかのようである。
    シャープの場合、ダメになるべくしてダメになっているのは、火を見るよりも明らか。一番の問題は、現役・OB問わず歴代経営陣が諸悪の根源なのに、本人達にその自覚がないこと。だいたい、トップ間の権力闘争が起きている段階でその会社はアウトだと思います。
    以て他山の石としてください>経営者のみなさま
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    投稿日:2016.03.25

  • Employees are engaged in a power struggle here too..

    Employees are engaged in a power struggle here too..
    The spirit of the founder is transmitted by word of mouth but is not passed on.続きを読む

    投稿日:2016.03.06

  • 会社は経営者ひとつで傾きもするし立ち直りもする

    どうしてシャープが経営危機に陥ったのかを知りたくて、一気に読みました。

    シャープが経営危機に陥った直接の原因は、液晶への過剰投資。

    しかしそれは起きてしまった過去。過去との決別なしには新しい一歩に踏み出せません。

    このような時、経営者に求められるのは、

    ・過去の課題へ対処するための痛みを伴う改革を実行すること(選択)
    ・将来のビジョンを定め会社を成長フェーズにのせる改革を実行すること(集中)

    というように、経営危機の本質を見極め、事業の選択と集中を実行する能力です。

    しかし、シャープの経営者は、事業の選択と集中が必要な時に、過去との決別も、将来のビジョンも曖昧なままにし、時間だけが過ぎ去りました。

    たしかに、時の経営者は、

    ・「液晶の次も液晶」
    ・「けったいな文化を変える」

    と、会社の方向性を示しはします。

    しかし、経営危機の本質を見極めているとは思い難く、また、危機克服のためには力強さにかける内容に思われます。

    例えば、同じ電機業界で、リーマン・ショック後に経営危機に陥った日立製作所では、異端児と呼ばれた6人組の経営層が、「社会イノベーション事業」を会社の進むべきビジョンと定め、事業の選択と集中をし、見事V字回復を果たしました(「異端児たちの決断 日立製作所 川村改革の2000日」)。

    本書を読んで、経営危機後の経営層の人事抗争が、シャープを混迷に追いやった様子を知るにつけ、会社は経営者ひとつで傾きもするし立ち直りもするのだ、ということをあらためて思った次第です。

    2016年4月2日、鴻海精密工業によるシャープ買収契約が締結されました。

    IEEEマイルストーンを3件受賞している名門企業シャープ。

    新しい経営者の下、シャープが再建されることを願っています。
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    投稿日:2016.04.02

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  • 海老ピラフworld

    海老ピラフworld

    内部の派閥争いや意思決定のミスによってシャープがどう崩壊していったのか。について時系列で記述している。
    特に片山社長から高橋社長について、社長を軸に語られている。
    意思決定バイアスが会社に悪影響を及ぼした事例続きを読む

    投稿日:2023.10.04

  • ganjiro

    ganjiro

    会社は誰のものかということを、考えさせられる本。
    少なくとも、権力争いは良くないですね。
    われのこととし、日々改めよう。

    投稿日:2023.07.16

  • sagami246

    sagami246

    シャープが液晶への大型投資を始めるのは2000年代前半である。2004年1月に亀山第一工場が稼働する。続けて2006年8月には亀山第二工場を稼働させる。大型投資は、これで終わらず、2009年10月には堺工場を稼働させる。
    この投資は、はじめはうまくいった。亀山第一工場稼働前の2003年度のシャープの連結営業利益は、1,217億円。それが、以降、1,510億円、1,637億円、1,865億円、1,837億円と成長していく。ところが、液晶の需要が落ち込んでいった、2011年度の営業利益はマイナス376億円、12年度はマイナス1,463億円。2013年度は一息つくが、14年度はマイナス481億円、15年度はマイナス1,620億円と落ち込んでいく。その後、シャープは台湾資本の鴻海に買収されてしまう。
    「亀山ブランド」として、日本国内に製造拠点をつくり、液晶技術を囲い込み、台湾・韓国勢に打ち勝っていくという、シャープの液晶事業の戦略はうまくいかなかった、ということである。
    ただ、本書は、この戦略がうまくいかなかった原因は突き詰めて分析していない。むしろ、経営陣の内紛を描き、シャープがこのように凋落したのは、液晶に関する戦略的判断の間違いと同時に、経営陣が一枚岩になれなかったためである、としている。それはそれで正しい分析であろうが、もう少し戦略分析の部分を詳しく読みたかった。
    続きを読む

    投稿日:2022.10.19

  • 星野 邦夫

    星野 邦夫

    保身、メンツ、自己正当化などドロドロに渦巻く大企業の凋落ぶりが見てとれる。
    何を大切にどこを向いて仕事をするかを見誤ると、シャープのような豪華客船でも沈みゆくことがよく判った。
    結果として鴻海に買ってもらって良かったのだと思う。続きを読む

    投稿日:2022.08.25

  • sekinobu

    sekinobu

    ブックオフで買って積んでた本。読み始めたら一気に読めました。ちょうどシャープが液晶で席巻していた時代も、その後の凋落も見ていたため、裏側でこんなことがあったのか…と思いながら読みました。一時期はマンUのユニフォームのメインスポンサーはってたはずなのに…結局は、読み間違いということなんだと思いますが、そこには、人事抗争、保身、メンツなどからくる焦りがあったのかと。しかし、日本企業はなかなか世界レベルに到達するのは難しいと感じた本ですね続きを読む

    投稿日:2022.06.08

  • Teddy

    Teddy

    経済誌かなんかの書評で読んで知ってから積読。
    2016年にシャープが鴻海に買収された直前まで、シャープの転落の様子を日経の番記者が描く。
    大叔父がシャープの電器屋だったし、仕事でも多少絡んだこともあるので、比較的好きな家電メーカーではあったシャープ。でも、書かれている内容はまるで日曜劇場のドラマに出てくるようなドロドロ話。こりゃダメだな。
    途中出てくるJDIや東芝が今でも迷走しているのを見ると、鴻海に買われてよかったんだろうなと思う。確かに日本人としては微妙な気もするけど、海外で仕事をしている身からすると、資本の国籍で今更選り好みしてもって気もするし。
    続きを読む

    投稿日:2022.04.03

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