【感想】ザ・セカンド・マシン・エイジ

エリック・ブリニョルフソン, アンドリュー・マカフィー, 村井章子 / 日経BP
(25件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
8
6
3
1
0
  • 大作です

    産業革命→第一機械時代(ファースト・マシン・エイジ)
    現在→第二機械時代(セカンド・マシン・エイジ)
    この「セカンド・マシン・エイジ」になって今後どうなっていくの?って疑問に対してアプローチした500頁超の大作ですが、やっと読了。
    かなり流し読みもしましたが、人間の仕事や存在価値はどうなるのか、機械に仕事を奪われないようにするにはどうすべきか等、それなりに書かれており、再度拾い読みしながら色々考えてみるのもいいかな、という感想。
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    投稿日:2016.11.06

ブクログレビュー

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  • Mkengar

    Mkengar

    前著の「機械との競争」とあわせて購入しました。まず全体的な感想から言うと、申しわけありませんが正直ほとんど感銘を受けませんでした。その証拠に数ページ読むとつまらなくなって読むのをやめてしまったので、全ページ読むのにかなりの期間を要しました(苦痛に感じたときもありました)。タイトルにも書いたように、ページのかなりの部分が他人(もしくは他の研究機関)の調査結果や発言を紹介しているため、「あなた自身の考えは何なの?」というのがよくわからず、自分の意見を表明しているときも、誰それはこういう調査結果を発表しているが私も同意する、という程度の意見表明です。その意味では、学術論文の第1章で既存研究についてのLiterature surveyというのを書きますが、あれが最後まで延々と続いている本、という印象でした。ためしにあるページをランダムに選んで、著者以外の人(組織)の研究調査から参照してきた部分にマーカーを引こうとしたら、ページ全部に線が引かれてしまいました(笑)

     また私は経済学の知識はそれなりにあるつもりなのですが、こと経済学に関する記述については恐ろしく表面的と感じました。想像するに、Googleでキーワードを入力して、出てきた論文のサマリーだけを読んで、ざっと記入しているのではないか、と感じる箇所が多々ありました。またやたらと「ノーベル経済学賞を受賞した・・・氏」が述べている(→よって間違いない)、というような形で経済面での自身の主張を補強していますが、例えばミルトン・フリードマンの発言のいくつかが、全くの間違いであったことは後世彼自身が認めていますし、ノーベル賞受賞者だから全部正しいということはありません。むしろ、やたらとノーベル賞受賞者の発言ばかりを持ち出すところに、著者の経済学の知識のなさをなんとか「権威」で補強しようという意図が見え隠れしていました。頑張って全ページ読みましたが、残念ながら最後まで読んでも星2つの評価は変化しませんでした。
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    投稿日:2023.04.27

  • 雷

    社会の発展度合いを計測する『社会開発指数』により人類史を捉えると、まさに現代は重大な転換点にある。その原動力となるのが
    ・デジタル化
    ・コンピュータの『指数関数的』高性能化
    ・『組み合わせイノベーション』
    である

    コンピュータの高性能化は、チップの処理速度がおよそ18ヶ月で2倍になる『ムーアの法則』が知られる。これは科学者の努力によるものであり、ここまで加速度的な進歩が起こる産業は他にはない

    人工知能の発達は目覚ましい。これまでは、機械により雇用がなくなることは『労働塊の誤謬』とされていたが、今後は分からない。人間も馬のように、産業界から排斥される可能性もある。

    人間特有の能力として、『複雑なコミュニケーション』『パターン認識』『非定型の肉体労働』が挙げられる。特に、人間にとっては簡単な運動でも機械には困難な『モラベックのパラドクス』が興味深い。

    デジタル産業の強みは、情報伝達、複製のコストがほぼゼロの『限界評価ゼロ』経済であることだ。今や世界中のデータベースにアクセスでき、最高のアルゴリズムを無限にコピーして、しかも無料で利用できてしまう。

    デジタル経済は人々の生活を劇的に豊かにしておきながら、その費用は極端に低い(あるいは無料で提供されるため)GDPに反映されない。音楽産業がCDからストリーミングに転換した時、まるで産業が丸ごと消えてしまったかのような現象が、統計上では起こる。

    デジタルサービスの場合、物理的な障害がほとんどないため、すぐにグローバル化する。そして、一番が市場を独占し、その流れが『ネットワーク外部性』により加速する『ウィナー・テイク・オール』の世界である。

    その結果として、桁違いの所得格差が生じる。今後、大金持ちとなる可能性のある人間は
    ・エンジニアなどの高スキル労働者
    ・システムを所有する超資本家
    ・芸術、スポーツなどの分野のスーパースター
    である。

    機械によって代替されにくい人間の特徴として、『発想』が挙げられる。機械は答えを出せる一方で、問いを立てることが出来ない。今後の教育には、ラリーペイジやジェフべゾフなど、名だたる天才が受けたとさらる、個人の自発的な好奇心を伸ばす『モンテッソーリ教育』が効果的かもしれない。

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    投稿日:2022.08.02

  • eisaku0330

    eisaku0330

    「ムーアの法則」=Digital発展の鍵 
     1年半ごとに半導体の性能が倍増する
     指数関数的進化 ①処理②記憶③通信(81)(87)
     例外は「バッテリー」 電子品ではなく化学
     増加率は一定だが、増加分は激増 特に期間の後半
     人は指数関数=非線形をイメージ出来ない

    「社会革命」へ ←産業革命から (152)
    ①Digital化   copy自在 限界コストただ
    ②Network化 時間・空間を超える 
     Global化 世界最適へ

    「補完イノベーション」が不可欠=社会変革難しい(168)
    ①社内体制 業務改革 組織・人事・運営の改革
      vs既得権・守旧派
    ②社会体制 規範 制度 体制の改革
      →秩序を破壊し、社会的混乱も
    ③日本は成功体験・社会意識から既存秩序維持が優勢

    Digital時代の三つの勝ち組(220)
    ①高いスキル労働者
    ②資本家
    ③スーパースター
    →負け組は一般労働者 
     分配は賃金所得から資本所得へシフト
    所得分布の変化(263)
    「正規分布」 厚い中間層
    「べき分布」 格差の拡大 ウイナーテイクスオール
    ☆翻訳が素晴らしい! 村井章子氏
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    投稿日:2021.12.17

  • ねこJ

    ねこJ

    2019/07/09再読 広島市図書館

    2018/06/ 丸善
    □8章 GDPの限界
    ●音楽が統計から消えた
    ●レオンチェフ 人間と馬
    ●人間は,非線形処理ができる最も安価な汎用コンピュータ NASAの報告書続きを読む

    投稿日:2018.10.24

  • maromaro0013

    maromaro0013

    普段からITの現場で働いているとあまり感じないが、あらためて客観的に見ると、凄まじい時代に突入してしまったと衝撃を受けた。

    想像の産物でしかなかった技術が次々に実現されていて、今後もその流れはしばらく続くと思う。
    そのさまをもっと見ていたい。
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    投稿日:2018.01.01

  • freeedooo

    freeedooo

    現在、話題になっている自動車の自動運転は経済学者が2004年の著書「新しい分業」でコンピューターには無理が仕事を判断したそうである。この例が示すように、コンピューターが予想を超えたペースで人間の能力を超えてきてる状況を筆者は「第ニ機械時代」と呼んでいる。筆者によると現在はその「第二機械時代」のほんの序章に過ぎないとして、その根拠として、指数関数的な高性能化、デジタル化、組合せ型イノベーションの3つの特徴に裏付けられているとしている。その影響は経済的、政治的に計り知れないものであり、企業経営者、政治家を含むリーダーが状況を的確に認識し、政策を実施すべきであり、そのための提言も行っている。より多くの人々が読むべき書であると思う。続きを読む

    投稿日:2017.01.08

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