【感想】高原のフーダニット

有栖川有栖 / 徳間文庫
(39件のレビュー)

総合評価:

平均 3.2
1
6
25
2
0
  • 異色作も入った中編集

    火村&アリスシリーズの中編集。収録の3編はどれも120~150枚(原稿用紙換算)の長さだそうです。短編より踏み込んだことが書けて、長編より気軽に読める……というのが中編の利点でしょうか。

    「オノコロ島ラプソディ」――淡路島を舞台にしたトラベル・ミステリ風の作品。火村が警察の依頼で捜査に加わっているのに対し、アリスは無理やり乗り込んでいっている感があります……。実在の観光地なども出てくるので、淡路島近辺の方はより楽しめるかもしれません。
    「ミステリ夢十夜」――元ネタ(夏目漱石「夢十夜」)と同じく、夜見る夢をテーマにした作品。「こんな夢を見た。」で始まるような文章が、第一夜~第十夜まで続きます。全体的にショートショートっぽい雰囲気で、本家「夢十夜」よりオチがはっきりしています。厳密にはミステリではないでしょうが、夢らしい理不尽さにあふれた不思議な読み心地でした。
    「高原のフーダニット」――タイトル通り、メインとなるのはトリックでもアリバイでもなく、「犯人捜し」です。舞台は兵庫の高原(地名は架空)、火村とアリスは泊りがけで捜査……こう書くとまるでトラベル・ミステリみたいですが、実際はこの本の中でいちばん本格らしい作品だったりします。

    このように3編それぞれ違った味わいがある中で、「ミステリ夢十夜」の異色さは特に際立って感じられました。マイナーな登場人物も総動員されているし、これはシリーズファンのための「お楽しみ」的作品なのかも……?
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    投稿日:2014.12.27

ブクログレビュー

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  • 衣兎

    衣兎

    今回は中編2本にショートショートを加えたちょっと特殊な仕立て。

    中編2本も楽しかったのだけれど、個人的にはショートショート10本が面白かったなー。
    火村シリーズでは絶対に有り得ないであろう展開のものも沢山あったし、何より登場人物がオールスターな感じで「おっ、この人ここで出てくるんだ!」みたいな楽しみがあった。

    そして「高原のフーダニット」で最後に語られるアリスにとっての探偵論に物凄く納得して頷いてしまった。
    私も探偵はそうだと思う、最近は本当にそういうタイプの探偵もちらほらいるけれど(というより作者の別シリーズにもいた気がするけども)。


    もうそろそろこのシリーズも読破してしまいそうな感じだなぁ、早く読みたいようなゆっくり読み終わりたいような……。
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    投稿日:2023.11.14

  • 海月

    海月

    有栖川作品は文庫なら(笑)、ほぼ全部よんでいますが、今回も安定の有栖川さん。いつも通り、読みやすくてサクサクと読み進めた。オノコロ島ラプソディより表題作の高原のフーダニットの方が好き。間のミステリ夢十夜はフワッとしててはっきり決着しないので私的にはあまり好みではなかった。
    (2023/10/8、他の読書管理サイトからお引越し。レビューは読了当時の記録。)
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    投稿日:2023.10.08

  • miihide

    miihide

    kindle unlimited

    作家アリスシリーズの中編集。
    とはいえ、3編のうちの2編目は、雑多な夢の話を掻き集めた超短編集みたいな感じ。
    全然意味もわからなかったし、推理ものでもないし、不満だった。
    残りの2編は推理ものとして楽しんだけど、1編目の理由付けには無理がある気がしたな。
    なんか、古畑任三郎の沢口靖子の回を思い出した。
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    投稿日:2023.02.06

  • sachichiii

    sachichiii

    このレビューはネタバレを含みます

    中編と短編のまとめと、中編と。 夢十夜はちょっと怖かったり、ぞっとしたり。結局怖いのだけど。ちょっとホラー?火村とか朝井先生のキャラがちょっと違うところも、さすが夢。 短くてユーモラスで、面白い。 表題作は謎の電話から火村の後悔から、真相がちょっとさくっとしていたところまで、うん、読みやすかった。

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    投稿日:2022.10.01

  • ひとみ

    ひとみ

    有栖川さんはまだあんまり読んでないけど、なんとなく苦手なんだよな…
    トリックというよりは、有栖川さんと火村さんの掛け合いとか、人物描写が普通に面白いって感じ。
    ショートショートはけっこうはまった。

    投稿日:2022.07.22

  • 馬南神空

    馬南神空

    このレビューはネタバレを含みます

    ☆「オノコロ島ラプソディ」
     ホントはスラプスティック・コメディにしたかったらしいが、シリアスでこのトリックさすがに……笑。
    ☆「ミステリ夢十夜」
     ショートショート十連発。火村英生が殺されたり、犯人だったりという、ファンサみたいなネタが多いかな。
    ☆「高原のフーダニット」
     きめの細かい、正攻法のフーダニット。多少の無理は感じる。

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    投稿日:2021.12.13

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