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帚木蓬生 / 新潮文庫 (28件のレビュー)
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主人公の造形がいまいちかな
大仏の製造工程や周辺の政治 社会 経済状況など、克明に描き出されている。天皇の勅にあったように「国の銅を尽くして」作り上げた大仏 というものが、しっかり存在感を持って描かれている。それに引き換え 主人…公は感情の動きが表面にあまり出てこず、欠点が殆ど感じられないので、やや魅力に乏しい気がする。続きを読む
投稿日:2023.02.23
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baen2
広国 国人 『国銅』 主人公と本の題名が読み進むにつれて どうしてそういう名を付けたのかが繋がりました。 漢詩において、おそらくこうだろうなと拡がる風景心情など、余韻に浸る素晴らしさを実感しました…。漢詩 本当に良いですね。 色んな場面で考えてさせられる優れた本です。続きを読む
投稿日:2024.04.17
bauasano
蟻の如く働くこと十年。繰り返しの過酷な毎日でも、国人は仏の教えとわずかな言葉を頼りに必死に生きた。そして遂に大仏は完成したが…。無名の者たちの深き歓びと痛切なる哀しみを描く大平ロマン、万感のラストシー…ン。続きを読む
投稿日:2023.11.12
プッチ
東大寺の大仏を作るのにどれだけの人々の苦労があったのだろう。その一人がいた、いやいなかったかもしれないが、大きな建造物を作り上げるための限りないほどの労力は今でも変わりはないのかもしれないと思った。故…郷の景信和尚と絹女を思いながら都の作業、生活に打ち込む国人の潔さ、清々しい姿が心に染みた。続きを読む
投稿日:2022.02.11
さえこ
なんか史料館か博物館を見学した気分。とてもみっしり丁寧に当時の様子が描きこまれていて読み応えあり。でも大きな舞台のわりに主人公の心の波が小さくていまいち共感できず…
投稿日:2020.08.17
yasudawataru
国人と一緒に成し遂げた達成感!読了後に感じた率直な気持ちだ。東大寺大仏建立に際して全国各地から集めらた多くの人足達の物語。働くことが税務であった時代のその活動の辛い物語が、淡々とした筆致で進んでいく。…しかしそこには大仏を造り上げていくという偉業とは別にささやかではあるが繰り広げられていく人間模様が細やかに表現されている。そして、銅造りから大仏造立、開眼供養、そして帰国までの苦労が、淡々とではあるが確実に熱気を帯びていき、たった独りになってしまったあと無事に故郷に辿り着けるのかはらはらした感じはどこから生まれてくるのか。 辿り着いた故郷も出立して5年も経てば、やはりいろいろ変化はあり期待していた世界とは違っているが、それでも何故か国人と一緒に感じる達成感に静かに浸ってしまったのだ。 現代とは比べ物にならないような人力の苦労に加え、それでも薬草摘みや仏道に関する考え方、仲間たちとの交流、そして詩歌を含めた文字への想いといった国人自身の成長にいつのまにか入り込んでしまっていた。それが帚木の魅力というかパワーなんだと思う。これまで読み進めてきた『ヒトラーの防具』や『聖杯の暗号』に連なる人知れず積み上げられた歴史の物語にまたはまってしまったようだ。続きを読む
投稿日:2018.05.05
kazubook21613
若者の成長物語なのだがなんとも切ない。奈良時代を描いた作品といえば、「天平の甍」が思い出されるが、通じるものがある。人間的な深みとか、様々なタイプの人間を描いているという点では、やはり井上靖の方に軍配…があがるが、奈良時代を描くという点では、本作品も調べが行き届いている感じがした。 帚木さんの作品は初めてだが、様々なタイプの物があるようなのでまた読みたい。続きを読む
投稿日:2017.09.18
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