【感想】真夏のオリオン(小学館文庫)

福井晴敏, 飯田健三郎 / 小学館文庫
(27件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
2
10
11
2
1
  • とても良いと思いました

    なぜか福井晴敏氏の本は、ほとんど読んでいることに気が付きました。
    だからというわけではないのですが、本書は私にとっては良かったと思います。
    優秀な潜水艦の艦長を中心とする話です。これまでに発表された潜水艦ものの方向性からはずれてはいません。
    ただそこに、主人公である艦長さんの人柄などを通じて、最近の人々の気持ちや価値観が隠し味のように入れらている感じがします。という意味では、永遠のゼロなどの作品に少し近づいている作品といえるかもしれません。
    続きを読む

    投稿日:2015.06.12

ブクログレビュー

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  • ふち

    ふち

    太平洋戦争の一場面、潜水艦・伊77と米駆逐艦・パーシバルとの死闘。映画作品を小説化したものであり、戦記モノというよりはエンターテイメント作品。だが、結構良かった。

    投稿日:2022.09.12

  • teshiigogo

    teshiigogo

    福井晴敏氏の映画のノベライズ版。端的に言えば日本版「眼下の敵」であるが、換骨奪胎が程よくされていてよいエンターテイメントになっており、福井氏のこのジャンルでの完成度が伺われる。登場する伊77潜は実在しないのですが、モデルとなる潜水艦伊58が存在します。このあたりの描写もリアルに仕上げているのが福井流。なかなかのエンターテイメントとなってます。続きを読む

    投稿日:2018.01.17

  • 林檎飴甘

    林檎飴甘

    戦争中に使われていた戦闘のための船や飛行機、武器に詳しいわけではない。
    けれど、まったく知識のない者にとってもとても読みやすい物語になっていた。
    潜水艦という特殊な船艇における戦術、息が詰まるような臨場感。
    そして、救助中の敵は攻撃しないという人間性。
    すでに生きて戻ることは叶わない有沢との最後の交信は胸に迫る。
    必ず気付いてくれると信じ、最後の力を振り絞って敵の情報を残そうとした有沢。
    限界の中でもけっして諦めることなく、友の最後の言葉を信じ作戦を練る倉本。
    戦争が悪いことだというのはみんな知っている。
    武力に頼った解決など、何の意味もないこともわかっている。
    たとえそこに信じるべき正義があったとしても。
    立ち位置によって正義は変わる。
    自分にとっての正義は、相手にとっては理不尽な不条理かもしれないのだ。
    でも、実際に戦いに臨み、命のやり取りをするのは紛れもなく生きた人間たち。
    ひとりひとりに家族がいる。愛する人もいる。守りたい人もいる。
    戦いの中に人間性など求めてどうすると言われるかもしれない。
    それでも、どんな極限状態にあろうとも、けっして揺るがない人間性。
    それこそが尊いと感じる。
    「もう敵を殺す理由はない・・・自分で自分を殺す理由もだ」
    倉本の言葉は、戦争でなければ殺し合いなどしなくてすんだ、どこにでもいる普通の人たちが戦場に駆り出された現実を教えてくれる。
    ずっと、未来永劫、戦争などなければいい。
    世界のどの場所でも、戦争が悲惨なことに変わらないと思うから。
    設定や当時の海軍の状況、潜水艦の描写など、詳しい人にとっては「あり得ない!」と言いたくなるような箇所もあるだろう。
    撃沈できる機会をわざわざ潰すような指揮官などいない、と言う人もいるだろう。
    それはそうかもしれない。リアル感がないと言われればそうなのだろう。
    でも、この物語から伝わってくるのは、みんな真剣に生きていた時代だったということ。
    必死に戦って、必死に生きようとしていたということ。
    彼らの戦いの延長にいまの平和があるのだということ。
    忘れてはいけないことだと思う。
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    投稿日:2017.03.09

  • junjiowa

    junjiowa

    戦時小説としてはとても面白い一冊。
    ただし、「永遠のゼロ」も同じだが、これらの小説を読んで、史実と勘違いしている人が多いのは残念・・・。
    もっとも、私も含め、本当に正しい史実(バイアスのかかっていない)を教わっていないため、やむを得ないが。
    最近、朝日新聞が記事を訂正したり、ヘンテコな歴史の教科書が出たり と・・・一体真実はなに?
    続きを読む

    投稿日:2014.08.21

  • arch39

    arch39

    人間魚雷回天をつみながらも、それを使ったことがない潜水艦艦長倉本と、回天に恨みを持つ駆逐艦艦長スチュワートの知力を尽くした壮絶な戦い。この戦いはオリオンに導かれて終わりをむかえた。しかし彼らの戦争は終わらない。この世界の終戦はいつ訪れるのだろう。続きを読む

    投稿日:2014.02.04

  • まえすとろ

    まえすとろ

    池上司によるフィクション海戦記『雷撃深度一九・五 』(文春文庫)を原作にした映画作品用の脚本を元に小説化した本作。『ローレライ』『亡国のイージス』と並ぶ“夏の福井晴敏・海モノ3部作”の内の一つ。
    終戦近い大東亜戦争で最後の雷撃作戦に赴いた「伊-77」と、それを撃沈せんとするアメリカ海軍駆逐艦「パージバル」の戦いは敵の作戦を読み合う「心理戦」で展開されるので心理描写を描きやすい小説は映像作品とは違った緊迫感とスペクタクルを堪能する事が出来る。
    フィクションの架空戦記なので史実上でのツッコミは野暮とは思うが、福井作品の反戦のメッセージは「戦後の価値観」で日本の戦争が語られる部分が多く見受けられる為に何処かアニメチックな違和感は禁じ得ない。
    続きを読む

    投稿日:2013.08.31

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