【感想】ラエティティア覇竜戦記2 持たざる者の剣

すえばしけん, 津雪 / HJ文庫
(1件のレビュー)

総合評価:

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  • 神を相手にした賭け

    ゲームにおいては、すべてがルールに則って判定される。
    しかし、人間はチェスのコマとは違い、取れる行動パターンがはっきりと限定されているわけではない。
    トウヤの発想と読みはもちろんすごいが、ティリアの神王と祭司長の行動もなんというか・・・

    たいていの作品は仕掛けが読めるのだが、本作は読めなかったもののほうが多いかも。

    一方で、知略の勝負を描くだけの物語ではない。
    人間と接することになった精霊竜たちが感じるようになったもの。
    人間に関心を持ち観察しながら、それを理解しない《蒼の守護神》。
    それらによって描かれるのは、「人間の価値」。


    残念ながら、あとがきを見るとこれで打ち切りらしい。
    ちょっと地味だったか。『ひきこもりの彼女』よりずっと独創的で面白いと思うのだが。
    でも、よくある打ち切りパターンのように急に話をまとめて終わらせてしまったわけではなく、普通に第2話を書いて止まる形なので、
    続きを出す気になれば無理なく続くはず。
    あとわずか2国だし、完結させてくれませんかねえ?

    やっぱり最初にトウヤを放り出したフィークスの守護神とは最後に対決してほしいし。
    神王たちの出身地はどう見ても日本だが、どういう経緯で「実験場」になったのか、今どんな世界なのかも気になるし。
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    投稿日:2015.04.01

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