【感想】月一滴

かわい有美子 / CROSS NOVELS
(13件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
6
5
1
0
0
  • 最強困ったちゃんが再び!

    「上海金魚」と「透過性恋愛装置」の続編。
    オテル・ド・エンピールのドアマンでゲイの橋本が本編の主人公。飯島という最低男に纏わりつかれ、あげく大怪我まで負わされてしまった窮地の橋本を助けたのは、バーの常連の嵯上。10歳年上で聞き上手なオトナの男です。
    互いにゲイで好意は持っているのに、深い関係になることを避けている二人。
    そんなある日、淡い恋心を寄せる上司の牧田に恋人ができたという噂を耳にして、橋本は多大なショックを受けてしまいます。

    もちろん、牧田の恋人といえばあの男、北嶋です。
    前作読んでないと何コイツ!?って思っちゃうぶっ飛びキャラ。今回もいろいろやらかしてくれてます。詳しくは「透過性恋愛装置」参照ですね。牧田と晴れて恋人同士になって、少しはトーンダウンして大人しい子羊ちゃんになってるかと思ったら、人間の性根なんてそんなに簡単に変わるもんじゃないのね。相変わらずというか、ますます困ったちゃんぶりが際立ってきましたよ。いきなり、橋本をアンタ呼ばわりするところにも失速することのない不遜さが、むしろ彼らしくて安心させられたりもしたのでした。

    橋本と嵯上は、過去に恋人との関係で似たような苦い経験があって、そのことがより二人の気持ちを引きつけ合っていきます。素直に相手を受け入れ寄り添っていくというのは、簡単に見えてなかなか上手くいかないもの。手探りでささやかな幸せを見つけていく二人に暖かい気持ちになります。

    でも、何といっても今回の目玉は、主役を食ってしまうほどにインパクト大だった「北嶋の近況報告」でしょう。むしろ、彼の健在振りを描くための本作であったと言っても過言ではありません。そんな彼が牧田の一言でカワイクなっちゃうところなんか、何度読んでもおかしくてたまらなくなります。鼻持ちならないんだけど、いいところもあって何だか憎めない最強キャラ。
    そんな困ったちゃんの北嶋が、牧田にお仕置きHされてしまう「星の滴」は、独特なエロが素晴らしいSSでした。ドSな牧田とドMな北嶋のHに、淫らさとそこはかとない品性の両方を感じることができるのです。

    それから忘れていけないのが登。辛らつで鋭い視点を持つ登が、いい立ち回りで持ち味を発揮しています。今回もキツい言葉の裏側に気遣いを感じられて、ますます好きになりました。

    久々に北嶋困ったちゃん王子を堪能できて、大満足。シリーズ通して、イラストがちょっと苦手な絵柄なのですが…
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    投稿日:2014.07.09

ブクログレビュー

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  • shirotae16

    shirotae16

    良かったです。受がひどい目にあう話は苦手なんですが、トラウマには感じない良い意味で辛さを流してしまう受だったので、嫌な気持ちにならず読み進めることができました。だからこそ、手の届かない憧れの人に失恋したときだけは流せずに自棄になってしまう受が可哀想で。でもそんな消化しにくい悲しみがあったからこそ、自分にとってのただひとりの人に巡り合えたのかな。現実の容赦のなさとお伽話の甘さが混在した物語。そしてそれを彩るのが前作、前々作のカプたち。カメオ出演どころじゃない登場に、この本を最初に読んじゃった人は随分損したのではないかと。前作・前々作を知ってるファンには嬉しい誤算です。読んでいて良かった。続きを読む

    投稿日:2015.06.06

  • ほじ

    ほじ

    静かで優しい二人のしっとりとしたストーリーだったわけなんですが、いかんせんアレがキョーレツすぎんのよ、全てにおいてあのカップルが!!主役差し置いて光りまくってましたがなwwww 
    月カップルは本当に月のような二人なんだな・・・。でもふんわり幸せなので、それでよし。だって…あんなきっついカップル2つもあったらBL世界が崩壊するってば!wwww続きを読む

    投稿日:2013.09.04

  • natsu-lib

    natsu-lib

    シリーズものと知らないまま読んじゃった。かわい先生は本当に丁寧な文書を書かれるなぁ…。決して派手ではなく、淡々と進んでいくお話が好き。

    投稿日:2012.09.18

  • yayaya

    yayaya

    実は、かわいさんのクロスノベルシリーズの「透過性恋愛装置」の方、積読本状態でまだ読んでないんです。先にこっちを読んじゃった!!うひゃひゃっ。

    投稿日:2012.05.21

  • onoza

    onoza

    嵯上さん正直になってよかったし、
    橋本もこれからだ。
    すべて読み終えて、表紙の観覧車を
    見たらなんとも言えない。グー。
    店子の登さんナイスでリアル。

    投稿日:2012.03.10

  • sktless1008

    sktless1008

    このレビューはネタバレを含みます

    「透過性恋愛装置」の主人公・牧田のホテル「エンピール」でドアマンを務める橋本と、年上で聞き上手な嵯上はバーの常連同士。
    互いに惹かれ合っているのに、真剣に恋がしたいからこそ軽い男と思われるのを嫌い中々本音が言えない橋本と、気がないと勘違いしている嵯上。

    スローながらも少しずつ距離を縮めていくストーリーが素敵でした♪

    そして、今回も王子は色々とやってくれます。
    正直、前作同様苦手なキャラではあるんですが、牧田がしっかりたっぷりお仕置きをしてくれて、それがまた良いんです!
    もっとやれ!!(笑)
    そういう意味で、北嶋はこのシリーズに欠かさない存在だなぁと思いました。

    かわいさんの描く大人の男は、本当に私好み♪
    牧田も嵯上も、本当に包容力があって、でもやっぱりエロくて素敵です!

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    投稿日:2012.03.01

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