【感想】三国志 第二巻

宮城谷昌光 / 文春文庫
(21件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
3
11
6
0
0
  • 曹操、孫堅、劉備登場!

    やっと曹操、孫堅、劉備、袁紹といった三国志の主要メンバーが産声をあげ、黄巾の乱で正規軍として初陣を飾るまでを描く。宮廷では外戚と宦官が交互に権力を奪い合っていく状態が延々と繰り返され、いい加減アホじゃないの?って思ってしまう。もうちょっと学習しろよって感じ。皇帝も正しい判断力がないため、優秀な家臣を次から次へと殺していってしまう愚鈍ぶり。忠臣ほど非業の死を遂げていく有り様が、何ともやるせない。続きを読む

    投稿日:2018.06.29

ブクログレビュー

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  • まんまる

    まんまる

    ようやく2巻の終わりになって、曹操や劉備、孫堅が登場。
    長かったけど、ここまでの宦官による横暴な政治や、黄布賊が巨大化した背景、幼帝・無能な帝が続いた歴史がよくわかった。
    長すぎる序章だったけど、とても大事な情報が詰まってました!
    これで三国志がもっと面白くなりそう。
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    投稿日:2022.08.18

  • マッピー

    マッピー

    このレビューはネタバレを含みます

    この巻は延々と後漢王朝の腐敗が書かれています。
    外戚が横暴をきわめたかと思えば、次は宦官です。

    なぜ本来は何の権限も持たない宦官が、権力を持ち財産を増やしてゆくことができたのかと言うと、梁冀が、気に入らない皇帝を次々と亡き者にしていったから。
    皇太后の兄であるのをいいことに、好き勝手に権力をもてあそび、人の命を奪ってきた梁冀から皇帝の命を守ったのが宦官たち。
    桓帝・霊帝は宦官たちこそを信頼し、心ある臣下の言うことに耳を貸さない。

    宦官も、最初は純粋に皇帝の命を守っていたのだろうけれど、大量の褒賞が彼らを狂わせたともいえる。
    皇帝からしたら、ほんの感謝の気持なのだろうが、受け取った方は、「もっと」「もっと」となってしまった。
    そして歯止めがきかないまま、手段を選ばず蓄財に走り、それをとがめる者たちを誣告し陥れ殺してしまいます。

    宦官たちの悪事に気づかない皇帝の無能ぶりはさておき、何度も何度も国を憂いて皇帝に上申する清廉で能力のある官僚たちが殺されていきますが、それでも官僚不在では国が回りませんので人材を募ると、有能な人々が出て来るのです。
    しかし、腐敗した朝廷に嫌気がさして野に下るか、宦官に陥れられて殺されてしまいます。
    そしてまた人材を募ると…。
    つくづく中国というのは大きな国であり、人材の尽きない国だと思いました。

    100ページほど読んだところで、ようやく曹操誕生。
    おめでとー!
    最後の章でようやく黄巾の乱。
    早々と孫堅は討伐軍に参加しますが、劉備は…。

    ”それよりも劉備が、討伐軍の将となるほどの盧植の下にいながら、師からは嘱目もされず、官途にも就けなかったということに問題があろう。”
    結局学問は諦め、無頼の徒として当時は過ごしていたらしいです。

    さて、桓帝がどうして官僚に重きをおかず、宦官を重んじたかと言うと、梁冀の横暴に対して多くの官僚たちは何も言わなかったから。
    後漢王朝の開祖・光武帝の時は、知識の豊富な秀才である官僚は悪を正さない(流れに流される)ので、「頭がいい」ではなく、「忠義心」の熱い人物を官僚として採用していた筈なのだが、それでもいつの間にか善悪ではなく損得で行動する人たちばかりになっていたようだ。
    これは、いつの世もそうなのかもしれないけど。

    いよいよ次の巻からは知っている三国志。
    どんな切り口で書かれているのか、楽しみ、楽しみ。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2022.03.02

  • nyan0620

    nyan0620

    政権末期の権力の腐敗・堕落が描かれる。

    そんな中で、自分の信義を捨てず生きようとする人々が、次々と捉えられ、拷問により非業の死を遂げる。
    言葉をもって道を正そうとしてもいたずらに命を失うだけなのに、こういう人が多くいたというのは物語なのか、清廉な生き方を尊ぶ文化があったのか・・・。

    そろそろ、見知った名前が出てきます。
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    投稿日:2016.05.13

  • はじめ

    はじめ

    王朝の組織としての不健全さと機能不全が浮き彫りに。
    梁皇后は善政を敷く気持ちがあったし聡明であったのに、何故兄の蛮行を見抜くことができなかったのか?身内だから目が曇ったのか、梁冀がずる賢かったのか。

    曹操、袁紹、孫堅、董卓、劉備など、漸く知った名前が出てきた。
    辺境で育ったからこそ中央の腐敗を冷やかに見ることができた董卓。
    ヤンチャもしたけどやっぱり有能だった曹操。
    孫堅といえば海賊退治。
    意外とヤンチャで劉邦を意識するかのようなスタートを切った劉備。
    楽しくなってきた。
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    投稿日:2015.09.01

  • masamzo

    masamzo

    後漢末の宦官の専横によって、政治が乱れ、黄巾の乱に至った経緯が克明かつ詳細に描かれている。ここまでが序章。お馴染みの三国志は、第3巻からか。

    投稿日:2015.05.18

  • izumiota

    izumiota

    宮城谷版、吉川版、蒼天航路の3シリーズ併読の
    「とことん三国志」、先行する宮城谷版の第2巻。

    大帝国の長期政権はいかにして腐敗していくか。
    マクロの視点では体制は「変わらないこと」で
    自壊していくとなる。
    ローマ帝国における共和制及び皇帝制の永き閉塞が
    その象徴であろう。400年続いた漢帝国も同様だ。

    宮城谷はそこにミクロな視点を持ち込む。
    漢帝国の体制は内部は変わろうとして
    何度も何度も「革命」をするのだ。

    皇太后の外戚が暴政を行なえば、宦官が改革を断行する。
    その宦官が虐政をすれば、外戚が誅殺を行なう。
    すべては「大義」のための革命だ。

    しかし、いつの世も、権力の魔力が大義を取り込むのだ。

    巨大帝国であるが故、その権力の蜜は甘美であり、
    人間の欲がそれを無視し続けることが出来ない。

    何度もリフレインされる権力闘争からは
    「人間は高潔であり続けることが容易ではない」
    という方式が浮かび上がる。

    能力のない世襲が生む皇帝支配。
    その「長期政権の夢想」という盤上で
    皇太后の外戚と宦官の間で繰り返される
    革命のオセロゲーム。

    革命のたびに、帝国は疲弊し、
    皇帝の威信は揺らいでいく。
    民衆の心は離れ、帝国以外の信心を求める。
    宮城谷のミクロの視点から描かれることで、
    太平道の発生理由が明快に示される。

    最後に「正義」のための革命の歴史をまとめておこう。
    他の三国志では、前史として無視されている貴重な記録だ。

    ・四代和帝のために宦官・鄭衆が外戚を潰滅
    ・暗愚な六代安帝の突然の死後を閻皇后の外戚が支配
    ・閻皇后の外戚による暴政に後の順帝が宦官を主体に革命
    ・順帝により殊勲の宦官孫程や曹操の祖父である曹騰に
     過去最大級の栄誉が与えられる。
     宦官が養子をとり、家系を継続させるようになる。
    ・順帝わずか30歳で崩御し、2歳の沖帝が即位。
     しかし沖帝がすぐに崩御し、順帝の血筋は絶える。
     さらに第10代質帝も外戚・梁冀によって毒殺される。
    ・曹騰の推挙で十一代桓帝が即位。
     しかし姉妹を皇后にした外戚・梁冀の暴政は続き、
     宮城を無視して自宅で政務を行なう。
     梁冀が漢帝国を決定的に堕落させる。
    ・外戚・梁冀の圧政を止めるべく桓帝は宦官・単超や
     孫程などが躍進。十常司の前提をつくる。
    ・桓帝に届けられた宦官の圧政を告発した上書を巡り
     第1次党錮事件が起きる。
    続きを読む

    投稿日:2014.09.15

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