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井伏鱒二 / 新潮文庫 (199件のレビュー)
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総合評価:
読書好き(親)
いつまでも
こういった作品が残るのは良い。 小学生の子供も、この本から学びがあった様子。 何度も読み楽しむ本ではないが、終戦記念日にあわせて読み直したい。
投稿日:2016.07.18
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間 文理
失うわけにはいかない、人類の経験の記録です。
我々の世代が、親の経験を、子どもたちに伝えることを怠っているうちに、日本が、世界が、危うい感情の世界へと歩みを進めつつあるように思われます。そんな中、この本を(今更ながらに)読んで、少しだけ安堵しまし…た。日本語を読むことができる人がいる限り、または他言語に訳されたこの本が存在する限り、失うわけにはいかない、人類の経験が、後世に引き継がれるのですから。続きを読む
投稿日:2018.12.09
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あきら
初井伏。読了まで十日ほど掛かった…サラッと読める内容でもないし、読んではいけないと思う。原爆投下の瞬間、強烈な光と音、そして爆風。淡々と描写されているのに、胸に迫ってくるこの思いは一体何なのか。怒り、…悲しみそれとも…。焼け野原となった広島の惨状は目を覆いたくなるほどでした。こんなことが実際にあったなんて信じられない…まさに地獄絵図。唯一の光は重松、シゲ夫妻と姪・矢須子の存在だ。しかし、その光さえも最後は——。戦争とは何なのか・・考え続けていかなければならないなと思いました。続きを読む
投稿日:2024.05.19
さってぃ
何人という命を一瞬にして奪った原子爆弾。教科書の1ページや毎年その日のテレビで追悼の様子を見るくらいしかなくて、よっぽど私にとっては9.11のテロのほうが刻まれている。 この本を読んで初めて惨さや切な…さを感じた。 今の私になにができるわけではないけど、日本人としてちゃんと受け止めるべきだと思った続きを読む
投稿日:2024.01.23
しんめん
意外と掴みどころが無い井伏鱒二の作品の中で、本作は克明な描写と確かなリサーチが合わさったかなり骨太な作品。 第二次世界大戦につき記した作品が林立する中、原爆と被爆者に触れた本作は戦争文学の金字塔と称…されている。 内容的なヘビーさを排して、言葉選びが平易でとにかく読みやすさが目に付いた。 当時の惨状・敗戦の歴史を後世に伝えなければならない昨今、間口が広いこの作品が文学的に重要である事は間違いない。続きを読む
投稿日:2023.11.28
kh
原爆投下後の個人の日記という設定だが、被害の描写が克明で頻繁で、なかなかストーリーがすすんでいかない。肉体への被害は多種多様に描かれているが、決して十分な生活とは言えないだろうが、食事したり出勤したり…する人がいたことは意外だった。 こんな兵器があと何発、日本に落とされるのだろう。 続きを読む
投稿日:2023.11.12
司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)
「広島で原爆の被害にあい、原爆症に苦しむ閑間重松はここ数年、姪の矢須子のことを気に病んでいる。矢須子は原爆が投下された朝、爆心から離れたところにいた。それなのに原爆症だといううわさがたっているのだ。 … そこへ縁談が持ち上がる。重松はうわさを消そうと被爆直後のことを書いた矢須子の日記と自分の書記を清書し、先方に渡そうとする。だが、矢須子の日記から、矢須子が被爆地をさまよいある気、黒い雨にも打たれていたことが判明する。 黒い雨とは、原爆がさく裂した時の泥やススを含んだ雨だ。直接被爆しなくても、黒い雨に打たれたり、親しい人を探そうと被爆地に入ったりした人たちも、原爆症になった。 井伏は普通の生活者、市民の目で、この理不尽な哀しみをつづった。原爆症にむしばまれる女性の不安と絶望の日々から、戦争の悲惨を訴えた。」 (『いつか君に出会ってほしい本』田村文著 の紹介より)続きを読む
投稿日:2023.11.01
shiho-k
日記形式で、主人公の体験が描かれている。 広島の原爆投下から終戦までが詳細に描かれている。 悲惨な状況が伝わってきて読んでいて痛々しかった。 原爆症についても、被爆直後ではなく時間が経ってから症状が現…れるということも改めて身に染みた。 「夕飯は美味しかった。主食は麦飯七割にフスマ三割の混合だが、副食は石炭統制会社へ土産にしそこねた罐詰の牛肉である。こんな甘美な味のものを僕は絶えて久しく食べたことがない。重厚な感じの鼈甲色の肉、とろりとした琥珀色の汁、唾液を誘出させるその匂がたまらない。手拭で頬被りをしなければ頬が飛んで逃げそうだ」(p226) という描写が当時の食糧事情をよく表している。 頬被りをしなければ頬が飛んで逃げそうだという表現に主人公の喜びが手に取るようだ。 多くの人々が同じような苦労をした戦争、そして原爆。 二度と同じ過ちを犯してはならない。 そのためには、当時あった出来事を忘れないことである。 読んでいて決して楽しいものではないけれど、時々戦争に関する本を読もうと思う。続きを読む
投稿日:2023.09.05
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