【感想】機械との競争

エリック・ブリニョルフソン, アンドリュー・マカフィー, 村井章子 / 日経BP
(127件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
14
46
45
8
1
  • 量の割に高いし目新しい部分もない

    紙量をわざと増やして(しかも紙の質が悪い)稼ごうという考えが見え見えだった。

    まあ電子書籍だからこれはあまり関係ないが、内容的にも特に目新しい部分もなかった。作者はEラーニング神話を信じているようだが、私は逆効果ではないかと考えている。続きを読む

    投稿日:2013.10.25

  • この競争はお釈迦様の手のひらを飛び回る孫悟空の運命に似ている

    現代版ラッダイト運動の思想的根拠を示す本かと思っていたので、いまから予測不能なほど指数関数的に進むテクノロジーの進歩に対し、片方では憂慮を表明しながらも、そのデジタルフロンティアが約束する未来に希望を寄せるという著者の矛盾する立場に少しガッカリさせられた。
    デジタル技術の進展が「驚天動地の結果をもたらす」ほど甚大かつハイペースなものであるなら、著者が提言する教育や法規制の改革などやる前から手遅れで実効性がどこまであるのか疑問だろう。
    それでもテクノロジーが雇用に与えるインパクトの大きさは再認識できたので読んで良かった。
    続きを読む

    投稿日:2014.07.13

ブクログレビュー

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  • rafmon

    rafmon

    2013年の出版なので少し古く、かつそこからの未来想定を含む内容なので、「答え合わせ」ができるのだが、何よりAIに関する考察がやや物足りない。面白かったのは、下記のような発想。

    ー 産業革命の初期までは、立派に雇用されていた職が、20世紀の初めにほぼ消滅すると言う事態が起きた。役馬だ。325万頭が労役に使われていたが、鉄道に変わられたり、蒸気機関にとって変わられた。馬に賃金が支払われていた。

    馬が大量鶴首された。馬は、労働者ではなく、よりアナログな機械として考えるべきでは無いのか。失業者の損失は、生活保護コストや消費の減少にあるが、馬にはそれらが無い。冷酷な言い方をするなら、過剰な馬は美味しい馬肉として、飼育コストを換金する事さえできる。

    CEOの報酬と平均的社員の報酬を比べると、1990年には70倍だったが、2005年には300倍だという。このデータはやはり古いが、しかし、ここで考えるべきは、将来、CEOだけが人間でロボットやAIがワーカーになる場合、この差は極限まで広がり、CEOは残りの失業者への生活保護を支払いながら、しかし、他のCEOが提供する商品を、失業者以上に獲得するモチベーションを制度設計として保たねばならない事だ。

    ー 今まで誰も思いつかないことを想像することはコンピューターにはできない。創造的なビジネスのアイディアを出す経営者や、感動的な歌を作る作曲家は、コンピューターには置き換えることができない。肉体労働も置き変わらない。

    今や、居酒屋でロボットが客の注文に答えて料理を運んでいる。歌やイラストもAIが作る。本著の見立ては既に古い。本源的な人間の価値について、問い直すべきだが、答えが出ない。人間が作ったという「情報」があれば、錯視だとしても成立してしまう気がするからだ。
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    投稿日:2024.01.23

  • える

    える

    約10年前に書かれた本ということを前提に。
    発展による未来予想系の本だが、予想と現実が違うことがよくわかる。
    正確な未来は予想できないが、近い形では実現していく。
    その中で自分はどうするか。
    そんなことを考えた。続きを読む

    投稿日:2022.07.23

  • torumatsuki

    torumatsuki

    機械との競争によって失業者が世に溢れるディストピアを描く…訳ではなく、意外にも筆者はデジタル社会の将来に楽観的。ただし、的確な政策が講じられれば…と説く。
    トランプ政権の4年間でこの理想とは反対に進んでしまったように思える。続きを読む

    投稿日:2021.02.25

  • quazism

    quazism

    装丁が面白い。色あせたように見える黄色い紙を使用。紙が厚くページ数が少ない。内容は見た目ほどのインパクトはなかった。

    投稿日:2019.03.26

  • takeut

    takeut

    「イノベーションのジレンマ」の言葉を借りると、
    人間自体が「持続的技術」で、機械が「破壊的技術」と言えるかもしれません。

    テクノロジーの急速な進歩によって、雇用が減り、クリエーターと肉体労働者に二極化するという話です。


    1.この本をひと言でまとめると
     「機械との競争」に人は負けている。機械を味方につけよ。

    2.お気に入りコンテンツとその理由を3から5個程度
    ・eディスカバリーが弁護士の仕事を肩代わりしたように、高度なスキルもコンピュータに浸食される恐れなしとしない。(p101)
    →ちょうど昨日、「弁護士収入:2割が年収100万円以下」というニュースを見た。ネットで調べれは大抵のことはわかるからかも。

    ・ソフトなスキルの中でも、リーダーシップ、チーム作り、創造性などの重要性は高まる一方である。これらは機械による自動化が最もむずかしく、しかも起業家精神にあふれたダイナミックな経済では最も需要が高いスキルだ。大学を出たら毎日上司にやることを指示されるような従来型の仕事に就こうなどと考えていると、いつの間にか機械との競争に巻き込まれていることに気付くだろう。(p.127)
    →働き方について従来の考え方を見直さないといけない。

    ・著者からの提言(p131)
    →基本的には「小さな政府」のような考え方で、納得できる。

    3.突っ込みどころ
    ・「解説」で指摘していたが、著者が具体的な対応策として述べていることが「アメリカでは十分やっているではないか」という指摘はその通りだと思う。
    ・5章の「人類も世界もデジタルフロンティアでゆたかになると私たちは確信している」はあまりにも楽観すぎないか。楽観の根拠も抽象的。
    ・看護師を肉体労働者と分類するのはちょっとちがうのでは?
    ・技術の進化が指数関数的としているが、そこまで急激といえる根拠がわからなかった。

    4.自分語り
    ・本が硬くて読みにくかった。
    ・極論を言えば、人間にしか出来ない仕事(肉体労働)をするか、新しい仕事を創出するしかない
    続きを読む

    投稿日:2018.12.30

  • kyan88

    kyan88

    景気が良くなっても雇用環境が良くならないのは、テクノロジーの進歩による「雇用の喪失」だと。
    産業革命を牽引したのは「蒸気機関」、次が「電気」、そして現在進行中のコンピュータとネットワーク。
    「文明がこれまで成し遂げた最も偉大な功績は、機械を人間の主人ではなく奴隷にしたことである」
    しかし、人間側のスキルや組織制度が技術の早い変化に追いついていない。
    それには「組織改新の強化」と「人的資本への投資」だと。
    教育には改善の余地が極めて大きいと。
    「教育のデジタル化」
    アメリカの状況がこうである。
    日本は?
    続きを読む

    投稿日:2018.10.12

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