【感想】僧正殺人事件

S・S・ヴァン・ダイン, 日暮雅通 / 創元推理文庫
(52件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
12
18
18
1
0
  • 最初の6作くらいまで限定ですが…

    ヴァン・ダインはこれだけしか電子化されてないんですね。
    個人的には創元リア本集めてます。
    古いと言われようが『本格』としては外せません。

    投稿日:2013.09.25

  • 「僧正」は「そうじょう」ではなく「ビショップ」と読みましょう

     ビショップだと、何となくチェスが関係するのかなぁと、思いますよね。でも、チェスに詳しくなくとも心配はありません。そしてこの話は、僧正が殺されるのではなく、僧正が殺人を犯すという事件であります。でも、僧正は登場しないんです。ビショップは登場しますけどね。
     翻訳物特有の読みにくさと、少々話が理屈っぽい傾向がありますが、そのストーリー展開は見事なものですよ。物語の終盤近くなっても犯人の目星も、その動機さえも掴むことが出来ません。沢山の登場人物が出てきますし、犯人となりそうな人も沢山いるにも関わらず、それらがマザー・グースの童謡どおりに殺されていってしまいます。
     いったい誰が?何のために?え~!この人も殺されちゃうの?といった感じで、ページをめくる手が止まりません。流石に江戸川乱歩が称賛した作品であります。ただ数学者が読むと、ちょっと待ってくれよぉと思うかもしれませんね。
     また、とても興味深い記述がありました。「自殺は、必ずしもそれ自体、擁護する余地のない行為とは言えない。」ま、これ自体にも色々ご意見があるところでしょうが、その例として、なんと乃木大将があげられています。調べてみると、この小説が発表されたのは1929年とのこと。乃木希典が自刃したのは1912年。まさかこのような小説で、しかもアメリカで書かれた小説で引用されるとは思っても見ませんでした。
     この小説は、どのように殺人が行われたかという謎解きよりも、なぜそのような連続殺人に到ったかという心理経過に主眼が置かれている気がします。推理小説ファンは読んでおくべき名作でしょう。 
    続きを読む

    投稿日:2015.07.09

ブクログレビュー

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  • ゆきなし

    ゆきなし

    マザーグースに殺すとか鉄砲であたま吹っ飛ばすとか、そういう歌があるってことが一番驚き。ヴァンスの蘊蓄はダルくて読みとばしちゃった。なんか、なんでそこで苛つくの?喧嘩になるの?って思う場面が多かったな。
    犯人は理解したけど色んな登場人物の情緒が分かりませんでした。
    続きを読む

    投稿日:2024.01.28

  • レモン

    レモン

     小学生の頃から知っていたのにようやく読んだ見立て殺人の元祖。登場人物を覚えるまで読みにくかったが、事件が次々と起こるうちにのめり込んでいった。結末のヴァンスの行動は、コナン君で育った私にとって度肝を抜く展開。それアリなの?当時のアメリカ人の感覚ってこんなもの?と疑問符がいっぱい飛び交う。動機が理解できなかったり、現代の感覚ではあり得ない展開だったり色々とツッコミ所はあるものの、全体的には面白かった。古典ミステリの名作を読めた達成感が大きい。続きを読む

    投稿日:2023.09.07

  • 鴨田

    鴨田

    見立て殺人の元祖、ということでかなり期待して読んだのだが、殺人の動機があまりピンと来ず、そんなには楽しめなかった。

    ラストのグラスの入替も、「そんなんあり?」というのが素直な感想。

    投稿日:2023.04.27

  • may

    may

    このレビューはネタバレを含みます

    苦手そうと思いつつ手に取ってみたのがちょうど4月で、小説の舞台と一致する時期に読むのが好きなのでページをめくり始めたら意外にすらすら進めて一気に終わった。推理力がないのに、それなりに古典ミステリーを読み溜めてしまったせいで、第一の殺人の時点で犯人と動機が思い浮かんでしまい、怪しい人物が出てくるたびにやっぱり自分間違ってたのかな、と揺さぶられつつ結果は予定調和…まっさらな気分で堪能できないのは残念だが雰囲気が好きで楽しめた。
    後輩エラリークイーンよりもっとペダンティックな探偵と言われるので腰が引けてたけれど、初期EQで免疫ができていた+蘊蓄の内容に必然性があるというかストーリーに馴染んでいる(端折ってしまうと「数学者は殺人に抵抗を持たなくなる」とか現実的には荒唐無稽な暴論ながら小説の中で説得力のある意見として機能させるために一見冗長な学識データが生きているところなど)。衝撃の結末?も、こちらを本歌取りしたようなYの悲劇では「え… (だめじゃない?)」だったけど、元祖は(犯人の年齢もあるかもしれないけれど)ワイングラス入れ替え時のとってつけた「チェリーニの飾り板」発言が、探偵の衒学キャラクターの効果で妙に鮮やかに決まっていて、種明かし時に不謹慎ながら笑ってしまった。法の執行者に咎められる場面から直接最後の1ページで大人の判断になったんだなとわかる終わり方自体大人な感じ。透明人間なナレーターとその原注もなんだか斬新。

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    投稿日:2023.04.16

  • いしかわ

    いしかわ

    劇的にどんでん返しがあるとかではないが探偵役ヴァンスの知識量がえげつない。
    つまり作者本人の知識量がえげつない。
    ヴァンスの頭の良さをこれでもかと説得力たっぷりにえがいてくれる。

    投稿日:2023.03.03

  • Yamato

    Yamato

    このレビューはネタバレを含みます

    全ての伏線が見事に回収される。名作古典の力を思い知る作品。
    古今東西の探偵が出てくる話において私個人としては法律に則らず探偵自身が裁きを下すことについては受け入れられない感情はある。けど洗練されていて気持ちよく読み進めた。
    家政婦や使用人が普通にいる話が何となくイギリスとかヨーロッパを思わせるんだけど地名がでてきて、そうだ、昔のアメリカなんだ、そういえばこの時代のアメリカの探偵小説を読むの初めてだなあ、と気づいた。
    ヴァン.ダイン、今更ながら好きになりました。
    他作もじっくり読んでいきます。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.02.27

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