【感想】不夜城

馳星周 / 角川文庫
(120件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
36
34
35
2
2
  • これほどのアトラクションが遊園地にありますか?

    再読。僕的には怖い位に「読ませてくれる」作品です。
    言うなれば鯛焼きの薄皮一枚剥がしたら鯛の形をしたあんこが出てきたというような…とにかく最初から最後まで退屈な部分がない一冊です。
    小説が実生活では得られない体験をさせてくれると言うのなら、僕がまず踏み入れたいと望むのがこのワルの世界という奴でして。
    道徳的な良し悪しなぞ脱ぎ捨てて肩まで浸かってしまうと、後はむしろ救いがなければないほど良いてな具合で、ほとほと感情をシェイクされての読了が約束される訳です。
    こんなアトラクション、TDLにだってありませんよ!
    お勧め。
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    投稿日:2014.03.05

  • 何度読んでも飽きない

    とにかく最初から面白い。登場人物それぞれが抱えている心の闇・・・最後の最後まで引き付けられます。

    投稿日:2013.09.27

  • あなたは何者ですか

    うん年前に読み、再読。内容全然覚えてないので逆に新鮮だったw二日で一気読み。印象に残ったのは「半々」な人間とアイデンティティーを確立している者の生き方決定的な違い。自分が誰か。両親を日本人に持ち、日本に住んでいればそんな疑問はわかないけれど、海外在住の自分にはものすごくヒットしたテーマ。「日本人の条件とは。自分は何者か」これを読んだ方は一度考えてみてもいいかもしれない。続きを読む

    投稿日:2014.08.19

ブクログレビュー

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  • よっしー

    よっしー

    十年以上も前に一回読んだことあるのだが再読した。次々と予想を裏切る展開に驚かされて後半は一気に読んだ。
    昔と今で感じた思いは違えど、クライマックスの展開でマジかと思った。少しがっくりもした。しかし解説を読むと少し納得した。なんとも言えない気持ちになったがそれがこの小説を読む醍醐味なんだと思う続きを読む

    投稿日:2024.03.29

  • ちはる

    ちはる

    色々なところで一度は読むべきと紹介されていたので何の予備知識も持たずに読み始めたが、暗い…。半々と呼ばれる健一の生き方に同情したり考えさせられたりする場面はあるものの、全体的には山も谷もなく終わった感がありうーんといった感じ。読むのも時間がかかった。でもきっとこれはそういう小説で、単に私の好みではなかっただけだど思う。

    こういう世界があるんだなというのは勉強になった。中国名の読み方がなかなか覚えられず、1人出てくるたびにメモしながら読んだ。笑
    続きを読む

    投稿日:2024.03.13

  • 沙都

    沙都

    最近読んだ小説の中で、トップクラスに壮絶な描写、そしてラストでした。謀略&バイオレンス&セックスのどストレートなノワール+ハードボイルドサスペンスと思って読み進めていたら、ラストでこんな感情になるとは思いもしませんでした。

    小説の舞台となるのは歌舞伎町。中国や台湾のマフィアが暗躍するなか、繰り広げられる追走劇と策略。

    主人公となる劉健一は、自身の生き残りをかけてかつての相棒を探し出し、組織に差し出さなければならなくなる。そこに謎の夏美と名乗る謎多き美女が絡んできて、話はどんどん加速していきます。

    健一と夏美。互いに孤独を抱え惹かれあいながらも、一方でこれまで育ってきた境遇や、そしてそれぞれの事情ゆえに、相手を信じ切れず常に疑心暗鬼の状態。しかし健一は夏美を切り捨てた方が楽と、頭では理解しつつも夏美の孤独を自分に重ね、切り捨てられない。

    二人の関係性は自分の中では、ルパンと峰不二子に近いものがあったような気がします。この女性にこれ以上関わらない方がいい、と頭では理解しつつも惹かれざるを得ない。ルパンの場合はそれがコミカルに描かれているけど、この不夜城はそれがより壮絶に、より切なく、より狂おしく描かれている印象です。

    性描写がけっこうキツイ部分が多く、今までの自分はあまりそういうのは好きではなかったけど、この小説に関してはそれに意味が感じられた気がします。

    激しく、オーバーな描写はこの手の小説ならではの、読者へのサービスかとはじめは思っていました。しかしその激しさが、魂のぶつかりあいであり、健一と夏美、お互いがそれぞれを渇望する、その感情、情欲の強さを表しているように、後半は思えてきました。単に体の関係を超えた、精神の強い結びつきがここで表現されています。

    想い人であり、命を預けあう相棒、パートナーでありながら、一方で常に裏切られるのではないかという不安が付きまとう二人。そんな二人に迫るマフィアたちとタイムリミット。二人が迎える運命は……

    それまでの性描写であったり、バイオレンスな部分であったり、そしてラストの展開と、なかなかに忘れがたい作品になりそうです。
    続きを読む

    投稿日:2024.02.13

  • シキモリ

    シキモリ

    これがデビュー作とは到底信じられない完成度の高さに只々驚くばかり。少しずつ読み進めるつもりが、思わず一気読みしてしまった。昨今、歌舞伎町や裏社会を舞台とする作品は随分と増えてきたものの、おいそれと今作を凌駕するのは困難であろうし、国産ノワール最高峰とも呼ばれている所以も堪能出来た。最悪の事態を切り抜けるべく謀略の限りを尽くす主人公・健一が抱く猛烈な生存本能は彼の抱える空虚な諦念と表裏一体なのだろうか。極限状態で惹かれ合う健一と夏美だが、あまりにも似た者同士だったため、悲劇的な結末を導くのは何とも皮肉的だ。続きを読む

    投稿日:2024.01.08

  • aogen

    aogen

    ドロッドロのハードボイルドを読みたくなって20年ぶりに読み返し。
    こんな油ぎった世界は本当にあるのかな…と思いつつ、無くはなさそうなリアリティもある。
    最初から最後まで疾走するストーリーだけど、少しの休みもないのは疲れる(笑)。あと結局、ストーリーは各派閥同士の抗争のみであって、スケールがあるようでない。
    そのドロドロを味わいたい人に。
    続きを読む

    投稿日:2023.01.23

  • こじま

    こじま

    圧倒的ハードボイルド。清々しいほどだ。
    古いものだが、著者の作品は初。入眠前の読書に充てたが、それ程時間掛からず読了。
    その間、よく夢で暴力的なものを観た。影響されやすい質。
    最近の小説ってここまでハードボイルドに振り切った作品ないような気がする。やはり読み応えがある。
    ただ、娯楽意外に得られるものはない。
    続きを読む

    投稿日:2022.11.25

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