【感想】ロウソクの科学

ファラデー, 竹内敬人 / 岩波文庫
(48件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
11
8
13
2
0
  • ノーベル賞受賞者推薦の書

    電気で有名な英国の科学者マイケル・ファラデーが、青少年のために行ったクリスマス講演会の講義録をもとに出版されたものである。
    この本は、昨年ノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏が、化学を志すきっかけとなったものとして有名になり、自分もその影響で購入した。

    ファラデーの講義録は、さすがに青少年向けとあって非常にわかりやすく、当時の一般社会への科学啓蒙に対する情熱が伝わってくる。「ロウソクの科学」という訳で現代でも「ロウソクの化学史」といったようなところだが、内容はロウソクの話から広がって、気体の電気分解や酸化・還元といった化学の興味深い内容に詳しく触れている。
    現代では中学の理科で習うような内容だと思うが、当時の青少年たちからしたら、これは科学の最先端の内容だろうと思う。本書にも、当時の子供達になったつもりでという記述があったが、当時この講義を聴いた子供たちは本当に衝撃的な印象を受けたに違いない。

    本書は、ファラデーの生涯についても納められており、階級支配のあった当時の英国でしがない印刷工が、王立研究所の研究者になる話は非常に印象的だった。
    幸運もあったろうが、ファラデーの科学に対する情熱が、様々な障害を乗り越える原動力になったのだろう。今からでもこんな情熱を燃やしたくなってしまった。確かにノーベル賞受賞者が推薦する本だとなぜか感心し、読んで損はないと思った一冊だった。
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    投稿日:2020.05.29

ブクログレビュー

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  • ダチョウ伯爵

    ダチョウ伯爵

    偉大な科学者ファラデーが、子ども向けに行なったクリスマス講演を書籍化したもの。特に意識したわけではないけど、飛ぶ教室もロウソクの科学もクリスマスに関連があってびっくり。

    ロウソクという身近な素材から、酸素、水素、窒素、二酸化炭素と空気中の気体の性質を興味深く解明していく語り口は見事で、こんな先生に教わりたかったと思える内容。

    ノーベル化学賞受賞の吉野彰氏が科学の世界に興味を持ったきっかけとして本書を紹介したというのも頷ける。この本の価値は明らかで、今さら内容について書くことはありません。

    ただ、残念ながら非常に読みにくいのは否めない。実験の流れを、途中に何枚か図はあるものの、ほとんど文章で説明しているため、頭の中で想像しながら読み進めるのがとてもつらかった。ちょっと集中していないと、途端についていけなくなる。

    あと、脚注が章末と講演内容の末の二箇所に分かれているのもだいぶ読みにくかった。
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    投稿日:2023.12.20

  • ISSP Library

    ISSP Library

    物性研の所内者、柏地区共通事務センター職員の方のみ借りることができます。
    東大OPACには登録されていません。

    貸出:物性研図書室にある借用証へ記入してください
    返却:物性研図書室へ返却してください

    投稿日:2023.12.15

  • seisankogakubu

    seisankogakubu

    ファラデーが子供たちに贈ったクリスマス講義。1本のロウソクが燃えるとき、発見の連続です!(三木久美子)

    日本大学図書館生産工学部分館OPAC
    https://citlib.nihon-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=1000211728&opkey=B169881722132427&start=1&totalnum=7&listnum=3&place=&list_disp=20&list_sort=0&cmode=0&chk_st=0&check=0000000続きを読む

    投稿日:2023.08.08

  • rafmon

    rafmon

    ロウソクに火が灯る現象から、少年少女に対して、科学とは何かを解き明かそうとするファラデー。見えない気体に含まれるものとは。文章と図解で、こんなにも生き生きと実験を見せて、科学の楽しさを伝えられるものだろうか。1800年代であるが、時代を感じさせない。

    果たして、子供時代に本作を読んでいたらどうだったろうかと夢想する。一人で読むには、理解が足りず、何かつまらない文章問題でも読むような感覚になったかも知れない。恐らく、理解出来なかっただろう。ノーベル賞受賞の吉野さんのように、子供の頃に面白いと思えるか否かはその後の人生の試金石なのだろうか。今でも多くの子供は、この一冊を与えると興味なさそうな反応だ。でも、実際に実験を見ると目は輝く。この違いは、文章と映像の再現力、文章から想像する力の不足。

    子供にただ与える前に、文章を映像化する力を身につけるにはどうするか、セットで考えたい。
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    投稿日:2022.07.14

  • narametenji

    narametenji

    【おすすめポイント】2019年にリチウムイオン電池の研究でノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏が、小学生の時に読んで科学のおもしろさに目覚めたと紹介した、理科の入門書です。古典的な名著ですが、こども向けに書かれた本なのでとても読みやすいです。1本のロウソクを材料に身近な現象を考えることで、シンプルに自然の法則が理解できます。
    【請求記号】430.4:Fa
    【配置場所】2階
    【URL】https://mylibrary.toho-u.ac.jp/webopac/BB28194149
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    投稿日:2022.07.05

  • tanukitune1031

    tanukitune1031

     「ろうそくの科学」はファラデーが行ったクリスマス講演について記録したものである。この本はノーベル化学賞を受賞した吉野彰さんがおすすめした本であり、理系的な知識、または考え方を身に着けるべく本書を購入した。
     ろうそくの燃焼をきっかけとして、水や酸素などの反応物について様々な実験を通して、それらの性質を解き明かしていく内容となっている。一見難しそうな内容に思えるが、大半が高校までに習うような現象を解説している。
     私が特に感動したのは炭素の性質について説明している第2講と第6講の箇所である。その理由は、これまで水素や酸素の働きなどについては理解できていたが、炭素に関しては特徴がいまいち分からなかったからである。本書を読むことで炭素は燃焼にとても大きな役割を果たしているとともに私たちの生活に深く関わっていることが容易に想像することができた。
     個人的には化学に一度おおまかに触れている高校生以上の人におすすめしたい。また、理系では知識の蓄積、文系では科学実験の感覚を味わうことができるだろう。
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    投稿日:2021.08.25

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