【感想】宇宙に外側はあるか

松原隆彦 / 光文社新書
(51件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
13
23
9
1
1
  • 宇宙の謎が解明される日は来るのか

    本書は、最新の宇宙論を紹介した本です。

    科学的に解明されたことと、仮説にとどまっていることが整理されており、一般書として非常に読みやすい本です。

    標準宇宙論で解明できていることは、宇宙が誕生して1兆分の1秒以降のことで、それ以前はまだ解明できていないとのこと。

    宇宙が誕生して138億年ですが、宇宙の始まりの謎はこの1兆分の1秒という本当に短い時間に凝縮されているそうです。

    その謎を解くべく、「インフレーション理論」、「超弦理論」、「エクピロティック宇宙論」などなど、様々な仮説が上げられています。

    それらが描く世界観は、我々の常識をはるかに超えたものばかりで、例えば、親宇宙から無数の子宇宙、孫宇宙がつくられるというマルチバースの考えなどは、凡人の私はただただ驚くばかりです。

    今、観測技術の向上で、宇宙について新しい事実が分かり、宇宙論も修正が迫られているようです。

    『それまでには予想されていなかった宇宙の大規模な構造が発見されたり、宇宙マイクロ波背景放射の温度ゆらぎが観測衛星COBEにより初めて見つけられたりと、観測的にも大きな進展がありました。それまで定量性に乏しかった宇宙論は、一気に定量科学へと変貌を遂げていくことになります。

    すると、それまでの理論主導の宇宙論にも変化が起こります。理論的に望ましいと思われていた宇宙の姿と、現実の宇宙の姿の間にギャップがあることが明らかになってきたからです

    宇宙は、人間がそうあってほしいと思うようにはなっていませんでした』

    宇宙の謎が一歩ずつでも解明され、我々に新しい知的刺激を与えてくれることを期待したいと思います。
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    投稿日:2013.10.12

  • 難解な問題を分かりやすく

    宇宙論を知る必要があるのか。もしそう思っているのなら、読んでみる価値があるかもしれません。
    宇宙は、論じられて初めて存在価値があるものだと思うのです。
    知っていて得することはないかもしれません。しかし、研究者が分かりやすく解説してくれています。
    そして、我々には知る権利も、知る術(=本著)も与えられているのです。
    続きを読む

    投稿日:2013.09.26

  • 物理の本が好きなひとにおすすめ

    物理学の専門ではないけど、どちかというと理系で、物理学とか宇宙に興味のあるひとにおすすめです。わたしは以前から量子論などにも興味があって、多少量子論解説の本を読んである程度基礎的な知識はもった上で読みました。さっき読み終えましたが、とくに後半が面白かったです。最新の物理学がわかりやすく解説されていて、とても興味深く、いままで当たり前だと思っていたことが、実はそうでないとか、まだ説明できない不思議なことがたくさんあるのだとわかりました。ヒッグス粒子が発見されたりと、進歩が目覚しい物理学ですが、まだまだわからないことだらけだし、最後は結局完全には知り得ないかもしれないのだと、謙虚な気持ちになりました。続きを読む

    投稿日:2013.11.02

  • タイトルに反して……

    宇宙の中側の不思議なことを、不思議だぉ不思議だぁ、と書き連ねている。

    なぜ、それが不思議なのかがわからない。

    投稿日:2015.06.03

  • 宇宙を知ることは人間のロマン

    宇宙を知れば知るほど、多くの謎が誕生し、新たに追究すべきことになる。これは、まるで宇宙が無限であることを暗に示しているのではないかと考えてしまう。人間が科学で考えうる宇宙には限界があり、ひとつ謎を解明すると、いくつかの謎が生まれ、また、その謎を解明すべく人間は研究する。宇宙に人間が存在することも謎であるのに、その人間が自分の存在を含めて探求していることは興味深いことである。人間は自分を知るために宇宙の謎を探し続けているのかもしれない。続きを読む

    投稿日:2014.11.09

ブクログレビュー

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  • 本の虫

    本の虫

    誰もが一度は考えたことはある問いに対して、現段階の研究でわかっていることがつらつらと書かれています。
    難しい理系の込み入った話はなく、俯瞰的な問いかけで進められています。

    投稿日:2023.02.08

  • ゆん

    ゆん

    このレビューはネタバレを含みます

    宇宙について最低限知る、二冊目。たまたまではあったが事前に村山先生の『宇宙は何でできているのか』を読んでいたため、最低限知識に基づき、これまた最低限理解できた、気がする。(理解できていないところも多々あるのだけど)
    途中途中で復習しながら、知識が補完されていったので図らずもこの順番で良かったなと。またすぐ忘れそうなので、また数年後に、最新版の新書で知識をアップデートしたい。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2022.08.01

  • ProfessorX

    ProfessorX

    人間原理やマルチバースについて、割と詳しく書かれており、この手の本としては、なんか哲学的だなー、とか思っちゃいました‼️

    投稿日:2022.03.24

  • もん

    もん

    理解出来ないところはとことん理解出来ず、半分ぐらいは流し読みした。
    量子論って何?ってレベルの自分には少し難しすぎたのでまた知識が深まってから読むとまた感じ方が違うかもしれない。
    でも、宇宙の微調整問題という考えはすごく面白く不思議と納得してしまった。続きを読む

    投稿日:2020.10.01

  • you

    you

    宇宙に興味が湧いたので、何となく手に取ってみた1冊。理系でもないし、興味だけで読むにはあまり理解できず、残念だった。

    投稿日:2020.04.29

  • 沙都

    沙都

    「宇宙ハンパねえ……」
    と、途中からずっと思っていました(笑)
    宇宙って自分が思っていた以上に"SF”の世界だったんだなあ(意味通じるでしょうか?)

    少し前に話題になったニュートリノや重力波、あるいは、ワームホールやビックバン、ブラックホールやダークマターといったお馴染みの用語たち。

    そうした用語の解説から見えてくるのは、自分のちっぽけな常識が通用しない宇宙の姿です。

    光がまっすぐに進めない世界。
    時間も空間もない世界。
    この次元とちがう次元にあるかもしれない、平行世界の宇宙。

    SF小説や映画にはちょくちょく触れているので、こうした可能性があることは、なんとなく知っていました。でも「あくまでフィクションの話だろうな」とも頭の片隅では、思っていました。

    それがこの本の、難しさを極力排した、平易な語り口のおかげで、事実や可能性の一端を、確かに感じられるのです。
    だからこそ、宇宙は思っている以上に「SFしてる」と、自分は思ったのです。

    さらにこの本の思考は広がっていきます。物理学の理論はいつのまにか、未来や運命はあらかじめ決まっているのか、という問いに。

    そして時間や空間の話は、最終的には存在や認識といった、哲学的なところにまで行き着きます。

    語り口こそは平易なのですが、ここに至るまでの思考は、かなり難しい……
    この本の全体の自分の理解度は多めに見積もっても、3割あるかどうか……

    その上、読んでから日が経ってるので、説明できることはほとんどありません。たぶん後2、3回読めば、5~6割くらいにはいくかなあ(希望的観測)

    それでも、この本を読んでいるときは面白かった! さっきも書きましたが、SF小説や映画の世界の可能性が存在することは分かりましたし、
    難しい理論を、理系がからきしの自分にもなんとなく納得させ、論を進める筆は、本当にすごいと思います!

    本の内容は、理解できるに越したことはないです。でも時に理解できなくとも、ワクワクしながら本を読み進めることができるのだなあ、ということに、自分でも驚きました。

    それがこの本の持つ力であり、宇宙の無限の可能性の一端なのではないか、と思います。
    続きを読む

    投稿日:2020.01.01

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