【感想】エルメス

戸矢理衣奈 / 新潮新書
(22件のレビュー)

総合評価:

平均 3.2
1
4
11
3
0
  • これが”ブランド”をつくるということ

    エルメスが創業以来どのように一流としてのブランドを守ってきたのかを、エルメスの歴史も交えて解説している本。
    エルメスは並々ならぬこだわりを持ってブランドイメージを守っており、その姿勢に好感が持てます。と共に、ブランドをどう作るか、自社にも色々参考になる気がします。

    この本に難点を言うと、図版が少なすぎること。ファッションブランドを語るなら、話題にしているバッグ、スカーフの写真は載せるべきでしょう。そこが残念なので★3つ。
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    投稿日:2014.04.12

ブクログレビュー

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  • mimimom

    mimimom

    このレビューはネタバレを含みます

     1800年代発祥の歴史あるブランド。
     著者が取材を申し込んだ際、「我々はブランドではない、職人の集団」と言われ断られたそうである。
     高度な技術と、最上級の素材で作り上げた商品が、その時代のインフルエンサーに使用され爆発的な人気を得た。以降もその立場にあぐらをかくことなく、職人の研修、世界の伝統文化を保持するための文化的支援活動、そして企業存続努力をを惜しまなかったエルメス。「自分たちが変わらずに自分たちであるために、何を変え、何を変えないか」を徹底し守り続けた結果、今のエルメスがある。ブランドという表現が手っ取り早いが、この本を読んでエルメスを「ブランド」と表現するのはかえって「失礼」という気すらした。
     一方で、本書にも書かれている「一見の客に対する高圧的な態度」がもし本当なら残念である。現在のトップはそれを望んでいるのか、エルメスのステイタスが一人歩きしてそのような雰囲気を作り上げてしまったのか。上得意の顧客だけでもいいのだろうか?
     そもそも、商品の流通量が極端に少ない上に、価格も非常に高い。なので、一見客も容易く購入できない状態であるのなら、すこしくらい愛想をよくしたところで、エルメスが庶民的ブランドに落ぶれることはまずない。エルメスに興味を持って店舗に訪れた客に、感じよく接したところでエルメス側も何も損することはないのに・・・と考える。
     エルメス製品を持っている、またはこれから何か買おうと思っている、全ての人に読んで欲しい。
     私は、エルメスの指輪が欲しいと思った。他のブランドのように、ふらりと店舗に訪れて購入できればいいのだが・・・。

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    投稿日:2023.12.06

  • ひゃっほう

    ひゃっほう

    エルメスの歴史、思想などについての知識を得ることができる本。

    ヴィトンと違うな、と感じた点はヴィトンが徹底的なマーケティング戦略の結果、現在の収益をあげているのに対し(よい物つくり&高品質、という前提はもちろん有り)、エルメスは、ある一貫した思想を貫いた結果
    今のステイタスを得た、というところ。
    あくまで個人的な考察ですが。

    ブランドに魅力を感じる理由は人それぞれなので、本書の後半のように一概に世代や所得でグループ分けをしてしまうことには抵抗はあります。

    ブランド品だと意識して手にするのであればそのブランドの歴史や思想を理解した上で、と感じています。
    そういった意味でエルメスを知りたいと思う方にはオススメ。

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    投稿日:2022.11.05

  • 愛と幻想

    愛と幻想

    エルメスの伝統と確信、そのイメージ戦略。いかにブランドたらしてめいるかについて書かれた本。具体的で面白かった。

    投稿日:2017.12.18

  • kzoshima

    kzoshima

    平均年収400万円の旅館がある。サービス業界にあっては、特異な存在といえるだろう。
    神奈川は鶴巻温泉に陣屋という旅館がある。旅館としては珍しく、定休日が週に2日ある旅館だ。客単価は4万5千円となっており、高い生産性を誇る事例として先日、日経新聞に紹介された。

    エルメスは、誰もが知る高級ブランドだが、非常に高価なことでも知られている。
    100万円近くするバッグも珍しくない。

    両者に共通するのは、ターゲット戦略の巧みさである。
    陣屋は、休日を増やしながらも、非日常に対価を支払うシニア層にターゲットを絞り企画を充実させることで業績を回復させた。

    エルメスの凄いところは、その誕生から今まで、そしてこれからも巧みなターゲット戦略を取り続けているところにある。

    あるときは、「ケリー」でお姫様願望を持つ主婦層をくすぐり、あるときは、「バーキン」で働く女性たちを刺激してきた。エルメスをエルメスたらしめているのは、とにかく高い品質であるとのことだが、その女性を虜にするネーミングセンスも突出している。

    また本書を読むと、エルメスがいかに京都をはじめとした日本の伝統文化に影響を受けているかが、分かる。スティーブジョブスが禅を愛し、極限まで無駄を省いたデザインで人気を博すiPhoneを生み出したように、エルメスも日本の伝統文化をデザインとして洗練させ商品化することに成功している。

    日本人はもっと足元の魅力に気づきそれを活かしていかないと、逆輸入された舶来品に
    右往左往しつづけることになるのかもしれない。

    エルメスという圧倒的なブランドへの理解を深めることは、様々な分野のビジネスにおいてもヒントになるが、そもそも自分の国の魅力に気づくことから始めないといけないのかもしれない。

    余談だが、エルメスとルイ・ヴィトンの違いは、どこか京都と東京の魅力の違いを思わせるところがある。実際に、LVMHトップのアルノーさんは、東京の10代女性のファッションを見学に日本を訪れたりするらしい。

    一方で、一見さんお断りだが、ひとたび入り込むと抜け出せなくなる。
    エルメスと京都の魅力は似ているのかもしれない。
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    投稿日:2017.12.09

  • moonpearl

    moonpearl

    プレミアムブランドが、こんなにもグループ化してしまっていたのに、驚きだった。デュマ氏の、「今後、数十年間を通じて、伝統的工芸品であるわが社の商品をいかに残していくか、ということが最大の課題である」という言葉、実際の職人の保護育成の取り組み、教育活動、メセナ活動など、エルメスの商品を支えているのは、こういった背景なのだな、と非常に興味深く読んだ。続きを読む

    投稿日:2017.06.16

  • funfunddreissig

    funfunddreissig

    エルメスはマーケティングをしていない!というエルメス側の強い主張が印象的。売れるために何かをわざわざやってるのではなくて、最高のものを作っているだけなんだそう。それこそがエルメスのブランディングと言えそう。続きを読む

    投稿日:2015.09.09

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