【感想】白い巨塔(一)

山崎豊子 / 新潮文庫
(156件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
60
61
21
3
1
  • 野心に燃える男、財前五郎

    TVドラマは見た。 田宮・戝前も、唐沢・戝前も。
    でも、本で読むのがこんなに面白いなんて思っていなかった。

    投稿日:2016.06.08

  • 考えさせられる

    ドラマにもなってますし、そちらを見てから本を読んでも、本を読んでからドラマを見てもいいと思います。

    中学生の頃に自宅の本棚にあったのを手に取った時は途中で挫折しました。人間というものが難しすぎて。
    大人になってからはまるで引き込まれるように次へ次へと読みました。
    作者の取材力と執筆力は本当にすごいです。そこから生み出されるこの人間ドラマの深さをぜひ感じて下さい。

    ドラマを見た友人が財前先生が悪なんだね、と言っていましたが、私には単純にそうは思えませんでしたし、財前先生を嫌いにはなれません。むしろ里見先生が偽善なんじゃない?と思えたこともあります。それほどに“人間”というものも考えさせられる作品です。
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    投稿日:2014.09.26

  • コップの中の喧騒

    職場で読んでるとそんな古いの読んでるのかとからかわれた。そしてその時初めてドラマで放送されてたというのを知った。そんな何の予備知識もないままこの本と出会った。
    ここで描かれてるのは医療界、ひいては大学病院という狭い世界。そこでのしあがっていく財前助教授は悪としての役であろう。であるが一人の人間としてどこか悪として拒絶できないのはその虚栄心が他人事のように思えないからだ。
    狭い世界での権謀術数、医療界でなくても心当たるものがあるのではなかろうか。
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    投稿日:2013.09.27

  • 財前先生

    テレビで田宮二郎さんのドラマの名場面などを何度か見ていて知ってはいたのですが、全5巻と長編だし、古い作品だしと敬遠してました。
    いざ読んでみると時代は関係無いですね。ぐいぐい世界に引っ張られます。
    学界の裏側、医療ミス裁判の難しさなど作者の徹底した取材に基づく力強い筆力にただただ圧倒されます。
    山崎豊子作品は2作目でしたが、この作品から入られると良いかも知れません。
    続きを読む

    投稿日:2013.09.27

ブクログレビュー

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  • あや

    あや

    家族からの勧めで読み始めました。
    内容をほとんど知らず、なんとなく医療の話かと思っていたら、教授選!なんて煩わしい世界なんだとうんざりしましたが、その反面、皆が画策している様子は確かに面白い…とりあえず1巻だけ、と思いましたが早く続きが読みたいです。続きを読む

    投稿日:2024.04.08

  • にしど

    にしど

    ドラマ化もされている山崎豊子さんの代表作。
    敏腕外科医の助教授財前が教授選に向けて陰謀と名誉欲を全開に挑んでいく。
    第1巻は財前vs東教授メインの内容。
    全5巻の本作。今後の展開が楽しみ。

    投稿日:2024.02.06

  • tsukuru

    tsukuru

    かなり以前にテレビドラマでやっていたので、なんとなく手を出さずにいた本。
    己の欲望によくもまぁこんなにも正直になれるものだと半ば呆れてしまうくらい濃いキャラクターが続々と出てきます。
    改めて顔をしかめるとともに、著者のリアリティへのこだわりに心底感心してしまいます。
    いや、すごい小説です。
    続きを読む

    投稿日:2024.01.17

  • ねこまんま

    ねこまんま

    過去に読了しているシリーズではあるけど、TVドラマの再放送で読み返してみようと積んでる。
    人としての良心とエゴの境い目ってなんだろう、って考えさせられる。

    投稿日:2023.09.01

  • てるき

    てるき

    国立浪速大学医学部の第一外科助教授・財前五郎。
    彼は食道噴門癌(エソファーグス・クレプス)の手術(オペ)を得意とし、マスコミでも脚光を浴びていた。
    (胃の噴門部に癌が広がっている場合、その部分を切除したあと食道に繋がねばならず、財前がこの難しい食道・胃吻合手術に特に長けているという説明が、ドラマに比べて詳しかった(p.42))。

    東教授の定年退官が翌春に迫る中、財前が「魔術のようなメス、食道外科の若き権威者」などと世間で喧伝されていることが面白くない東は、他大学からの教授移入を画策する。
    財前が医学部長の鵜飼、医師会長の岩田、舅で産婦人科医である又一らを味方に付け、票田の獲得を目論むのに対し、東は東都大学の船尾教授に頼み、心臓外科の若き権威者である菊川昇教授を後任者にと考える。
    「万一、私が君を推そうにも推せないような突発的な支障が起ったら、どうするかね」
    「万一、そんな時には、泣き寝入りしないような方策を考えますでしょう」(p.321)
    2人の対立は医局員たちの目にも明らかなものとなり、佃は医局内工作に奔走することになる。

    一方、財前と同期で第一内科の助教授である里見脩二は、「綿密な検査」(p.108)にこだわる学究派で、財前とは異なるタイプの芯の強さを持っていた。
    「自分の良心を失ってまで教授になりたいとは思わない」(p.336)
    真っ向から対立する「人生観の違い」(p.170)がある財前と里見であるが、鵜飼教授が胃癌と診断した患者の膵臓癌を里見が発見し、そのオペを財前が執刀して互いの力倆を称え合うシーン(三章)など、2人の描き方の対比が本当に面白い。

    教授選の行方のみならず、自身の退官後の天下り先と娘の佐枝子の結婚相手にも悩む東、教授夫人会「くれない会」で爪はじきにされたことに焦る東の妻・政子、教授選で財前に恩を売り学長選への足固めとしたい鵜飼、さまざまな人物の権謀術数うずまく様が、あまりに見事に描かれていて息つく暇もないほど面白い。

    39歳の若さ(連載開始時)でこれだけの小説を書き上げた山崎豊子さんの知識量、取材力、文章構成力にただただ驚嘆させられる。
    手術の締めとなる縫合のシーン、「ぷつんと大きな音をたてて糸を切った。生と死の別れ目を告げる音であった」(p.62)
    胃潰瘍(ニッシェ)の患者(クランケ)のエックス線フィルムを見、オペの術式について言い争いをするシーン「フィルムが白黒の微妙な明暗を映し出し、それを見る東と財前の心の中の微妙な明暗をまざまざと映し出しているようであった」(p.235)
    のような深みのある、真実を突いた表現もとても好きだ。
    続きを読む

    投稿日:2023.08.15

  • MASIA

    MASIA

    国立浪速大学医学部第1外科助教授・財前五郎。
    食道癌の専門家として、マスコミからも脚光を浴び、次期第1外科教授として、自他ともに認めていた…

    現教授・東は財前を嫌い、自身の出身大学・東都大出身者を自身の後継者として、推薦するのだった。

    何としても、教授選に勝ち抜こうとする財前は、義父・財前又一の財力により、OBのバックアップ、医局のバックアップを得ることに成功し、あらゆる手を使っていく…

    財前の何としても教授になろうとする権利欲。
    貧しく、苦労をしてきたからこそだろう。
    実力もあるのだから、何の問題もないと思うのだが…
    東もそこまでしなくてもと思う。

    東からすると、退官後もそれなりに影響力を残したいのだろうが…
    老兵は去り行くのみ。

    やはりおもしろい。

    ドラマで観ているだけに、唐沢寿明、江口洋介、石坂浩二、伊武雅刀…の顔が浮かぶ…
    結末はわかっているのだが。

    続きを読む

    投稿日:2023.08.14

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