【感想】鬼平犯科帳(一)

池波正太郎 / 文春文庫
(133件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
62
34
24
2
0
  • 単なる歴史小説ではない

    時代、生活、人情、様々な物を垣間見ることができる小説。
    特に池波正太郎は食べ物の描写が上手い。ちょっとした日常ともいえるそういう物事の描写がありありと目の前に浮かぶようなものであるからこそ、血なまぐさいところも人情あふれるところも、また活きてくる。
    単なる捕物小説としてのみならず、人情物としても鬼平シリーズはピカ一ではないでしょうか。

    一話一話はまったく長くないのに、その重みはどっしりとした一冊物に匹敵するもの。読後になんともいえない後味が残る時もありますが、それもまた一つの味、うま味と楽しんで読みたいシリーズです。
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    投稿日:2014.11.11

  • 時代背景を知ると、小説の肌理が全くちがって見えてくる

    ご存知、池波正太郎作品を代表する火付盗賊改方長官長谷川平蔵シリーズ。火付盗賊改方とは、江戸時代に重罪とされた火付け(放火)、盗賊(強盗)、賭博を取り締まった今で言う警察、裁判機関。ストーリーは、江戸で起こる犯罪行為を“鬼の平蔵”と呼ばれる彼が解決していくもので、時代物全般に言えることですが、特に時代背景を知っておくとおもしろい作品。平蔵が長官だったのは1787年から95年。重商主義で一部資本家を優遇し、収賄なども横行した田沼意次時代が終わり、反動から緊縮財政、思想統制を強く行った松平定信の“寛政の改革”期とほぼ一緒。そうした偏った思想や経済の停滞があった時期に起きた犯罪や人間関係と考えるだけで、平蔵の判断ひとつにも様々な意味が読み取れてきますよ!(スタッフI)続きを読む

    投稿日:2013.09.20

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  • ノンストップヒデキ

    ノンストップヒデキ

     粋だ。義理と人情。妖艶な色香。旨そうな料理。優しさ。厳しさ。
     第一話、啞の十蔵には泣かされる。切ない。

    投稿日:2024.04.08

  • ダルメシ・アン

    ダルメシ・アン

    テレビ版なども見たことが無かった私は、
    鬼平こと長谷川平蔵が悪人をやっつけてめでたしめでたし。みたいな話を想像してました。
    そこには長谷川平蔵を中心にした江戸の民の生活があり、そこで起きる事件が1エピソードごとの短編になっている。
    長谷川平蔵が中心にいる訳ではなく、エピソードごとのメインの人物がいる。
    エピソードを跨いで出てくる登場人物もいて、他のエピソードに出てくるとなぜか嬉しい。
    物語の最後は少し寂しい終わり方をするものばかりだが、それがまた良い。
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    投稿日:2023.12.24

  • カイ

    カイ

    今更ながらこのシリーズを読もうと思う。
    平蔵さんがあまり出てこない。

    【啞の十蔵】夫殺しの女をかくまった同心の話。しょっぱなから暗め。粂登場。
    【本所・桜屋敷】平蔵若い時の女性があんなことに。左馬之助・彦十登場。
    【血頭の丹兵衛】粂、密偵になる。
    【浅草・御厩河岸】立派な?盗賊を密告する苦悩。
    【老盗の夢】引退しておけば良かったのに。
    【暗剣白梅香】平蔵、刺客に狙われるが、この刺客が敵討ちの最中で…
    【座頭と猿】盗賊が女を巡ってすったもんだ
    【むかしの女】強請りたかりは、死ぬよ

    今回の推しは、粂と酒井。
    そういや「釘ぬき屋」って、闇の狩人に出てきたアレでしょうか?
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    投稿日:2022.07.29

  • あけちゃん

    あけちゃん

    あまりに有名ですが、ドラマも見た事なくそもそも時代劇を見て育ってもいないので読む機会もなかったのですが。。池波氏の『散歩のときなにか食べたくなって』や『男の作法』を読む中で、その生業としている作品を読んでおかねば、、と言う理由から。
    さすがに面白かった。一つ一つは短編ですが、盗賊や登場人物が繋がっていて、少しずつその生い立ちなどが明かされ、絡み合って行くところが、さすが、と思ったし、人気シリーズとなる事にも納得。
    そして江戸の街並み、情緒、人情。。。今更ながら好きです。今後もちょっとずつ読み進めていこうと思います。
    続きを読む

    投稿日:2022.05.07

  • たこちゃん

    たこちゃん

    名作。時代劇を見ていたし、アニメも見ていて、原作を読んでみることに。池波正太郎さんの作品、難しいにちがいない!と、凝り固まった先入観で読み始めたが、面白い!そして、読みやすい。母が大好きな理由がわかった気がする。全作品読破目指します!続きを読む

    投稿日:2022.04.04

  • ねるねる (旧shaadi)

    ねるねる (旧shaadi)

    1982年 第14版で読んだのですが、古くてバーコードもなくて…とりあえず、こちらに感想を。

    実はドラマの存在は知っているものの、一度も見たことがない。おもしろいんだろうな、とは思っていたけれど、今回、職場の方が全巻貸してくださるというので、今年は鬼平の年になりそうです!

    鬼平さん、ちょっと不良だった過去があったのか!と新鮮な気持ちに。

    様々な人間模様が書かれているけれど、人って変わってしまうんだな。という悲しさと、やっぱり人情だな!と思う温かさが印象的な第1巻だった。

    個人的には、元盗賊が狗になるというシステムが、ものすごく好き。

    まだ先は長い。どんどん読まないと、今年が終わってしまう(笑)
    続きを読む

    投稿日:2021.02.18

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