【感想】鬼平犯科帳(一)

池波正太郎 / 文春文庫
(135件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
62
34
25
3
0
  • 単なる歴史小説ではない

    時代、生活、人情、様々な物を垣間見ることができる小説。
    特に池波正太郎は食べ物の描写が上手い。ちょっとした日常ともいえるそういう物事の描写がありありと目の前に浮かぶようなものであるからこそ、血なまぐさいところも人情あふれるところも、また活きてくる。
    単なる捕物小説としてのみならず、人情物としても鬼平シリーズはピカ一ではないでしょうか。

    一話一話はまったく長くないのに、その重みはどっしりとした一冊物に匹敵するもの。読後になんともいえない後味が残る時もありますが、それもまた一つの味、うま味と楽しんで読みたいシリーズです。
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    投稿日:2014.11.11

  • 時代背景を知ると、小説の肌理が全くちがって見えてくる

    ご存知、池波正太郎作品を代表する火付盗賊改方長官長谷川平蔵シリーズ。火付盗賊改方とは、江戸時代に重罪とされた火付け(放火)、盗賊(強盗)、賭博を取り締まった今で言う警察、裁判機関。ストーリーは、江戸で起こる犯罪行為を“鬼の平蔵”と呼ばれる彼が解決していくもので、時代物全般に言えることですが、特に時代背景を知っておくとおもしろい作品。平蔵が長官だったのは1787年から95年。重商主義で一部資本家を優遇し、収賄なども横行した田沼意次時代が終わり、反動から緊縮財政、思想統制を強く行った松平定信の“寛政の改革”期とほぼ一緒。そうした偏った思想や経済の停滞があった時期に起きた犯罪や人間関係と考えるだけで、平蔵の判断ひとつにも様々な意味が読み取れてきますよ!(スタッフI)続きを読む

    投稿日:2013.09.20

ブクログレビュー

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  • ピスタチオ

    ピスタチオ

    狗となった粂八が全般通して平蔵達に重宝がられれるところが単純で印象深く、お江戸の色事情もなかなか艶めかしい。「迷わず切っちまえ」の心意気が痛快で話しの後半になるとスカッと爽快で一件落着、あい終わり。

    2巻からもこの展開が続くのだろうか、気になるが読むかどうか悩む。
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    投稿日:2024.05.12

  • Bookrium

    Bookrium

    ついにかの名作を初読。
    最近の佐伯泰英氏のシリーズと比べると問答無用で悪人を斬るところなどは人情味に欠ける印象だけど、居眠り磐音も吉原裏同心も初巻はほぼ舞台設定に終始した印象があったことを考えると、この先平蔵を中心とした主要人物が個性を見せ始めるのだろうと期待したい。
    故・池波氏と同じ台東区民としては、家の近所が頻繁に登場するので、当時の様子を想像するだけでも楽しいです。
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    投稿日:2024.04.17

  • ノンストップヒデキ

    ノンストップヒデキ

     粋だ。義理と人情。妖艶な色香。旨そうな料理。優しさ。厳しさ。
     第一話、啞の十蔵には泣かされる。切ない。

    投稿日:2024.04.08

  • ダルメシ・アン

    ダルメシ・アン

    テレビ版なども見たことが無かった私は、
    鬼平こと長谷川平蔵が悪人をやっつけてめでたしめでたし。みたいな話を想像してました。
    そこには長谷川平蔵を中心にした江戸の民の生活があり、そこで起きる事件が1エピソードごとの短編になっている。
    長谷川平蔵が中心にいる訳ではなく、エピソードごとのメインの人物がいる。
    エピソードを跨いで出てくる登場人物もいて、他のエピソードに出てくるとなぜか嬉しい。
    物語の最後は少し寂しい終わり方をするものばかりだが、それがまた良い。
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    投稿日:2023.12.24

  • カイ

    カイ

    今更ながらこのシリーズを読もうと思う。
    平蔵さんがあまり出てこない。

    【啞の十蔵】夫殺しの女をかくまった同心の話。しょっぱなから暗め。粂登場。
    【本所・桜屋敷】平蔵若い時の女性があんなことに。左馬之助・彦十登場。
    【血頭の丹兵衛】粂、密偵になる。
    【浅草・御厩河岸】立派な?盗賊を密告する苦悩。
    【老盗の夢】引退しておけば良かったのに。
    【暗剣白梅香】平蔵、刺客に狙われるが、この刺客が敵討ちの最中で…
    【座頭と猿】盗賊が女を巡ってすったもんだ
    【むかしの女】強請りたかりは、死ぬよ

    今回の推しは、粂と酒井。
    そういや「釘ぬき屋」って、闇の狩人に出てきたアレでしょうか?
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    投稿日:2022.07.29

  • あけちゃん

    あけちゃん

    あまりに有名ですが、ドラマも見た事なくそもそも時代劇を見て育ってもいないので読む機会もなかったのですが。。池波氏の『散歩のときなにか食べたくなって』や『男の作法』を読む中で、その生業としている作品を読んでおかねば、、と言う理由から。
    さすがに面白かった。一つ一つは短編ですが、盗賊や登場人物が繋がっていて、少しずつその生い立ちなどが明かされ、絡み合って行くところが、さすが、と思ったし、人気シリーズとなる事にも納得。
    そして江戸の街並み、情緒、人情。。。今更ながら好きです。今後もちょっとずつ読み進めていこうと思います。
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    投稿日:2022.05.07

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