【感想】不毛地帯 第三巻

山崎豊子 / 新潮文庫
(38件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
10
18
6
1
0
  • 東奔西走


    2009/07/21記録

    (4巻編成の第3巻のレビューです。)

    三連休を使って読了。
    アメリカ近畿商事の社長として、
    単身赴任をする壱岐正が、日本自動車業界の外資提携
    を実現させるべく東奔西走する姿を描く。
    里美副社長との確執はますます根深いものとなり、
    お互いにとって排斥したい存在となっていく。
    二人の思惑は最後まで合致することは無く、
    意外な展開でこの商戦は一旦幕を閉じる。


    後段では、五菱商事の上杉と近畿商事石油部長となった、
    兵頭良一郎が話の中心となり、
    中東を舞台とする石油開発への話へストーリーは移っていく。
    関西糸へん商社と揶揄される近畿商事が、
    鉱区開発権をめぐって社内外の営業を展開するも、
    財閥系商社の高い牙城の前に屈せざるを得なくなり、
    壱岐正の中に不屈の思いが燃え始め、その顛末は、
    最終巻へとつながることとなる。

    2~3巻を一気に読み通したせいか、ちょっと疲れた。
    少し休憩して石油の世界に浸ろうと思う。
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    投稿日:2013.12.26

ブクログレビュー

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  • MASIA

    MASIA

    『不毛地帯第3巻』

    近畿商事入社後、異例の昇進で、常務取締役業務本部長となった壱岐正。

    近畿商事の重工業化路線を推し進めようと、脱繊維化を推進しようとするが、嫉妬から反発を受ける…

    そんな中、アメリカ・ビッグスリーの自動車メーカー・フォークは日本市場への参入のため、日系自動車メーカーとの提携を模索する。

    フォーク・千代田自動車の提携を推進しようとする壱岐。
    千代田自動車と富国自動車との国内メーカー同士の提携を推進しようとする副社長・里井。
    社内抗争へと…
    そんな壱岐を憂いながら佳子は…

    2年後、アメリカ近畿商事社長となった壱岐は極秘裏に、2年前に立ち消えとなった千代田自動車とフォークの提携を進めていた…

    近畿商事の次期社長争いも絡み…

    1970年代の外資流入に対する強い拒否反応…
    当然と言えば当然で。
    その後の日本はどんどん海外へ。
    中国では合弁となったばかりに技術が…
    キャッチアップされ、今が…

    韓国もまだまだ工業化が進んでいなかったんだな…
    この後、加工貿易へと。
    そして今では日本を超える産業が…

    もはや日本経済の歴史書のよう。

    壱岐は、商社マンとしてどうなっていくのか…
    フォークと千代田自動車の提携はどうなるのか…
    近畿商事の次期社長争いは…
    壱岐と千里との関係は…

    ようやく第3巻まで終了。
    長いが全く長さは気にならない。
    終盤の第4巻へ。
    続きを読む

    投稿日:2024.02.04

  • みけ猫

    みけ猫

    なんだ、なんだ、なんだー!
    壹岐に悪い虫が急接近!!!
    寄るな、このどんくさい女め!
    ゆるさーん!しっしっ!

    ・・・と、壹岐の「ばあや」にでもなったような気持ちで読んでいた。
    この女がまったく気に入らない。婚約破棄しただとぉ???
    なんて計算高い女なんだ。ワナワナ。
    美人で、寄ってくる男がいっぱいいるのに、30過ぎてもバージンだなんて設定、非モテをこじらせたオッサン読者におもねり過ぎでしょ!

    以上がこの3巻の感想のすべてです。
    もう全部台無しだわよ。
    ぷんすか。(←何をこんなに怒っているんだか 笑)
    続きを読む

    投稿日:2023.10.09

  • ken7ynwa

    ken7ynwa

    FX次世代航空機絡みの社外政治から今度は妬み嫉みの社内政治に自動車産業と外資か。

    しかし秋津中将の娘さんとのロマンスはいらない。

    投稿日:2023.09.11

  • さくら

    さくら

    このレビューはネタバレを含みます

    主人公が異例の出世を果たし、役員として活躍し始める。しかし、その待遇を良しと思わない副社長と何かとぶつかり合う。

    そして、内助の功として献身的に主人公を支えてきてくれた妻が不慮の事故で亡くなる。しかも、主人公と喧嘩をしたあと、主人公の目の前で。

    悲しみに暮れる主人公に対して社長は、心機一転も兼ねて、アメリカ支社長になる辞令を出す。
    アメリカに渡ってからは、日本の自動車メーカー(いすゞがモデル)と外資自動車の資本提携に向けて奔走するが、またもや副社長と方針の違いでぶつかり合う。
    そして、ずっと秘めてきた、かつての上司の娘と結ばれる。

    それにしても、この時代は当たり前だったのかもしれないが、副社長の命より仕事を大切にする姿勢は見ていてイライラさせられる。
    自分は無理をして仕事をしているつもりかもしれないが、振り回される周りはたまったものではない。
    自己管理も仕事のうちというが、病を伏せて無理を重ねるのは非常に迷惑である。
    それほどまでに社長の座が欲しいのか。
    何のため、誰のための仕事なのか。

    本筋とは関係ないが、こんな時代に生まれなくて本当に良かったと改めて感じた。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.05.28

  • にしど

    にしど

    元日本軍参謀の壹岐正がシベリア強制労働を経て大手商社で商戦に挑む作品、5連作の3巻目。
    日本と米国の自動車メーカーの厳しい提携交渉の中、秋津千里との関係にも事件が…。
    絶賛一気読み中。30年以上前の作品と思えない位楽しませてくれる、次巻も楽しみ。続きを読む

    投稿日:2023.05.13

  • hito-koto

    hito-koto

    このレビューはネタバレを含みます

     山崎豊子「不毛地帯 3」、2009.3発行、634頁。第3巻は、近畿商事に嘱託として入社して8年の壹岐正は常務に。スタンドプレーと揶揄するものも。第3巻は自動車産業の話。ところで、モデルの瀬島龍三氏の奥様は2007.621、老衰で90歳で没。瀬島龍三は2~3ヶ月後、妻を追うように老衰で95歳で没。著者はこのあたりは小説として脚色され、壹岐の妻桂子は交通事故で死亡。にわかに、秋津中将の娘で陶芸家の秋津千里の存在が大きくなってきます。婚約を解消し、ニューヨークに駐在の壹岐を訪ねてまっしぐらに迫る千里。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2022.09.16

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