【感想】地獄での一季節

ランボー, 篠沢秀夫 / グーテンベルク21
(1件のレビュー)

総合評価:

平均 3.0
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  • 評価はパス。雑感のみです。

    フランス語は全く分かりませんので、評価は初期値のママです。まさか今時の若者は書名を誤解するかも知れませんが、エロでもバイオレンスでもないですよ。

    本書は、既存の訳では十分とは言い切れない、原文の語り口、口調の変化を正確に把握した訳出に挑戦したものだそうです。
    また、キリスト教の信仰用語についても、字句の直訳ではなく暗喩を確認して正確な意味に訳したとのことです。
    ですので、門外漢から見ても、よりランボー自身の言葉に近づいた、労作だと思います。

    ただ、新潮社版の堀口大学、岩波文庫の小林秀雄に「インプリンティング(刷り込み)」された人間としては、多少軽い印象が否めないですね。
    むしろ、最近の若者には、現代的な語り口で読み易いかも知れませんが・・・。数年前、会社の後輩に「ランボーって、シルベスター・スタローン
    のことですよ。ね!?」て言われて、開いた口が塞がらなかった。二の句が継げないときって、人間って本当に口がポカンなんですね・・・ T_T

    愛すべき後輩よ、「オザキ、マジ、いいッス。パないっす」という若者よ。尾崎豊を慕うならランボーも読みなよ。同じ青春の葛藤が、きっと気に入るよ。
    我々の頃は、ランボーの詩を暗記して、日常会話の中でさりげなく引用するのが・・・おっと失礼説教臭いのはイカンね。
    お勧めは「言葉の錬金術」のところ。永遠の詩を書いたときランボーは、未だ海を見たことが無かったというよ。畏そるべきイマジネーション力だ。
    現代文の試験でお世話になる小林秀雄は、ランボーとの出会いを「通りの向こうから歩いてきた奴にいきなり殴られたぐらいの衝撃」と言った。
    確かに、私も初めて読んだとき、それぐらいの破壊力があった。もう、数十年前になるけど(注 十数年ではなく)。

    最後に、済みませんが、私には、誤訳でも解釈が間違っていても堀口大学が一番しっくりするかなぁ。やっぱり篠沢先生は文学者であって詩人では
    ないんだろうなぁ、なんて・・・なんかエラソーなレビューになってしまった反省。

    レビュー投稿したら懐かしくなって、封切の時に観たきりの映画「太陽と月に背いて」をDVDで買おうとしたら、エライことになってた。トホホ。
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    投稿日:2015.01.19

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