【感想】とある飛空士への恋歌5(イラスト簡略版)

犬村小六, 森沢晴行 / ガガガ文庫
(36件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
16
9
6
1
0
  • 親父さんの格好良さが光るエピローグ巻

    エピローグ巻でした。
    プロローグに2冊、更にエピローグにも1冊を費やした人類資金ばりの壮大な構成は大作と呼べるのでしょう。
    シリーズにおけるテーマは初めから一本だった様ですが、途中フラフラと彷徨っている印象を与えかねない展開もあり、フラストレーションが溜まったりもしました。
    しかし最後は落ち着く所に落ち着いて大団円という感じです。
    本巻の見所は親父さんの格好よさですかね。
    "卑しさも尊さも、生まれや身分や職業にあるのではなく、こころの在り方のみにあるのだと、ミハエルはその生き方で教えてくれた"
    見習いたいものです。
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    投稿日:2014.08.15

ブクログレビュー

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  • pbh23864

    pbh23864

    期待の方が大きかっただけに、少しばかり残念なところが目立つ。
    3巻後半、4巻におよぶ壮大なクライマックスを演じることができた彼らの、その後。
    無理に物語を終わらせようとする考えが見え隠れして、駆け足感が否めない。
    さらに、物語を盛り上げる一端となった某人物らとの邂逅。
    これまた素っ気無く描かれているため、既読の方は物足りなさを感じるだろう。

    が、一冊丸々とは言わないが力いっぱい完結へと向かい、きちんと描き切った作者の意思。言葉の端々にライトノベル感が漂うが、だからこそ真っ直ぐな言葉が届きやすくなっている。

    ライトノベルとしては、一級品である。
    作者のこれからに期待したい。
    とりあえずは、お疲れ様です。
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    投稿日:2022.09.07

  • reinou

    reinou

    このレビューはネタバレを含みます

    ネタバレ 「とある飛空士への恋歌」シリーズ最終巻。◆恋する2人の想いは政治という現実の壁に阻まれる。それは、クレアがイスラ管区長・風の使い手であるのみならず、カルエルの元第一皇子という境遇にも関わっていよう。カルエル・クレア2人の別れという幕引きは、前巻で感じた恋の成就というカタルシスとは全く異質ではあるが、決して悪いわけではない。「太陽の牙ダグラム」ラストと同様、「現実の前に一旦敗れた若者が、明日への希望を失わずに努力を傾ける」という未来志向を持ち、不幸なそれではないからだ。◆そして、もう一つの物語としての驚き。
    それは、カルエル・クレアの別離という物語の終幕後、延々と続いた歴史叙事的物語の意味と理由だ。◇正直、「空の果て」に到達する過程、本国への帰路や帰還後のカルエルの演説、家族との再会を詳細描写しなければならなかったのか(ある程度の描写はエピローグたりうるが…)。エピローグにしては長すぎる。これは読書中に生まれた疑問。まして、書かない意義を知っている著者の作ならば、猶更生まれる疑義であった。◇しかし、である。カルエルのクレア奪還への再出発とそれを母国に残留して見送るアリエル。
    一人涙し、「歌えない恋歌」として封印した愛。アリエルの諦めの過程は明確に描かれないが、その重さを理解するには、読者もまた旅する必要があった。こんな読後感が生じた。◆クレアとの別離後、カルエルは飛空士訓練に没頭し、また命令を無視しクレア奪還へ聖泉に赴こうとする。このカルエルとアリエルの関わりは食事を共にする程度で、極めつけはカルエル演説をアリエルが見守る件。◇クレアとの別れに耐えるカルエルは、旅の中、益々魅力的な青年へと変貌するが、彼の魅力を生む要因はクレアへの一途な想いだ。
    ◇女としてカルエルを独占し触れ合いたい。なのに、カルエルは決して自分には心を向けない。この自覚から、アリエルは、イスラにいないクレアの存在の重さに苦悩し、女として耐えきれなかった、こう感じるラストだ。◆その想いの積み重ね、重ね合わせを理解する上で必要なのは、旅の途上で何の出来事も起きないことなのだ。◇ダブルヒロインたるアリエルの心情を描く上で、本作は何の出来事も起きないこと、ラストに強い意味を持たせる方法を採った。ゆえに旅の経過は不可欠。◆こんな風に個人的に思えたところ。

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    投稿日:2017.01.22

  • fyukawa

    fyukawa

    家族との再会も感動的だけど、クレアを奪い返すために世論の全てを味方につけて旅立つカルの凄さとアリーの切なさ。

    投稿日:2014.10.24

  • キじばと。。

    キじばと。。

    クレアが創世神話に登場する「風呼びの少女」であることを知った空族は、彼女の身柄を引き換えに、停戦を持ちかけてきます。イスラを統治するルイス・デ・アラルコンとアメリア・セルバンテスは、空族相手にぎりぎりの交渉を続け、ついにクレアと空族の第二王子を互いに親善大使として送り出すことで合意します。

    やがてクレアが出発することになり、イグナシオのとりなしでクレアと再会することになったカルエルは、そこで自分がカール・ラ・イールであることを明かし、彼女を取り戻すことを誓います。

    やがてイスラは「空の果て」へと行き着いて崩壊し、カルエルたちはバレステロス共和国へと帰還することになります。そのころ、共和制に倦んでいた市民たちの間に、王制の復活を求める声が沸きあがっていました。そんな彼らの前で、カルエルは元皇子として演説をおこなうことを決めます。彼は大勢の人びとの前で、ニナ・ヴィエントを取り戻したいという思いを語ります。世紀のロマンスに人びとの熱狂はいやが上にも高まり、やがてカルエルはクレアのもとへ向かって旅立つことになります。

    クレアへの想いを胸に新たな旅に出るカルエルと、そんな彼を普段と変わらない態度で送り出そうとするアリエルの別れのシーンをラストに持ってくることで、ベタついた感動を避けるのは、ライトノベルではなかなか見られない、きれいな締めくくり方になっています。
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    投稿日:2014.09.09

  • 豚山田

    豚山田

    エピローグ巻でした。
    プロローグに2冊、更にエピローグにも1冊を費やした人類資金ばりの壮大な構成は大作と呼べるのでしょう。
    シリーズにおけるテーマは初めから一本だった様ですが、途中フラフラと彷徨っている印象を与えかねない展開もあり、フラストレーションが溜まったりもしました。
    しかし最後は落ち着く所に落ち着いて大団円という感じです。
    本巻の見所は親父さんの格好よさですかね。
    "卑しさも尊さも、生まれや身分や職業にあるのではなく、こころの在り方のみにあるのだと、ミハエルはその生き方で教えてくれた"
    見習いたいものです。
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    投稿日:2014.08.15

  • suenof

    suenof

    このレビューはネタバレを含みます

    恋歌シリーズ完結。
    うーん…ちょっと消化不良な感じかも。
    まぁ、次シリーズ以降に続くのかなとは思うけど。
    いろいろ泣き所もありますけど。

    空の一族の第2皇子のマニウスも、キャラがたってる割に何となく尻切れな感じだし。
    アリーがベラスカスにずっと残っているのなら、再び出会うことも少なそうですし。
    アリーには幸せになってほしいんだけどなぁ。
    カルは何だかんだ、アリーに対しての態度はずるいと思ってしまう…。

    次シリーズも読んでみようと思います。

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    投稿日:2014.06.05

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