JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則
ニック・マジューリ(著)
,児島修(著)
/ダイヤモンド社
作品情報
全世界200万部突破『サイコロジー・オブ・マネー』著者が「絶対読むべき一冊」と絶賛!全米屈指のデータサイエンティストが最新130年間のデータと60の図表で貯金力と投資力の常識のウソを暴き出す。投資初心者から貯金と投資の原理原則を学びたいベテラン投資家まで、人生が変わる「金銭的自立」の教科書!
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この作品のレビュー
平均 4.2 (51件のレビュー)
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【感想】
本書「JUST KEEP BUYING」は、データサイエンティストである筆者が分析した、お金を貯めて富を築くための「証明済の」方法をまとめた一冊である。「証明済みの方法」とはどういうことかと…いうと、パーソナルファイナンスのような個々人に立脚したハウツーではなく、「過去50年間においての期待収益率は、○○より▲▲といった手段のほうが高い」といったような、データに裏付けられた高勝率の投資戦略を意味している。
内容としてはシンプル(がゆえにありふれたメソッド)が書かれている。現金を貯蓄するよりも投資をすること、投資をする際には個別株購入ではなくインデックス投資を行うこと、値下がりを待つのではなくドルコスト平均法を使って毎月投資商品を買い続けること(=JUST KEEP BUYING)、といった方法が紹介されている。このあたりは、近年たくさん刊行されているマネープランの本の内容と重複しているため、多くの人が見覚えのある知識ではないだろうか。
ただ、持ち家と賃貸を比較しどちらが優れているかを解説していたり、投資商品ごとのメリット・デメリットの解説を行っているところが、他の本にはない特徴かもしれない。今まで漠然と「持ち家は損」「やるなら投資信託一択」と考えていた人には、「具体的になぜその選択をしたほうが得なのか」という考え方がデータで示されるため、知識のアップデートに最適かもしれない。
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【まとめ】
0 まえがき
あなたが裕福になるためには、ただ次の3語を意識すればいい。
ジャスト・キープ・バイイング(ただ買い続けなさい)
家賃や住宅ローンを払うのと同じように投資を習慣にし、食料品を買うように頻繁に金融資産を買う――ただそれだけなのだ。
1 貯金力アップ
●お金がない人は「貯金」を、お金がある人は「投資」を重視すべき
まず、今後1年間に無理なく貯金できる額を算出する。「無理なく」と言ったのは、これは余裕を持って実現できるものでなくてはならないからだ。
無理なく貯金できる額を「予想貯金額」とする。たとえば、1か月に1000ドルの貯金ができそうなら、予想貯金額は1年で1万2000ドル増えることになる。
次に、今後1年間に予想される投資収益を決定する。たとえば、投資資産が1万ドルあり、その年利回りを10%と予想すれば、投資資産は1年で1000ドル増えることになる。これを「予想投資収益額」とする。
最後に、この2つの数値を比較する。予想貯金額と予想投資収益額のどちらが多いか?
予想貯金額のほうが多い人は、貯金を増やすことに集中すべきだ。予想投資収益額のほうが多い人は、所有している投資資産の配分調整に多くの時間を割くべきだ。
●思ってるほど多く貯めなくて大丈夫
貯金をたくさんできるとき(=収入が多いとき)は多く貯金する。そうでないとき(=収入が少ないとき)は少なく貯金する。できる範囲で。
自分が思っているほどたくさん貯金する必要はない。年金受給者の資産は、老後生活期間中に使い果たされるより、変化しないかむしろ増えているというデータがあるからだ。
●貯金をもっと増やすために
節約しても、資産を増やす効果には限界がある。多くの人が貧しさから抜け出せないのは、意欲や能力のせいではなく、生きていくための最低限の収入しか得られない低賃金の仕事に就いているからだ。「支出を減らせばお金持ちになれる」は、パーソナルファイナンスの最大のウソであり、お金持ちになるための王道とは、収入を増やし、収益を生み出す資産に投資することである。
●お金を罪悪感なしに使おう
①2倍ルール
2倍ルールとは、「贅沢な買い物をするときは、必ずそれと同額の投資をする」というルールである。高い買い物をするときの罪悪感がなくなる。
②充実感を第一に考える
体験を買う、自分のために贅沢をする、時間を買う、前払いする、人のために使う。以上は幸福感が高まりやすいお金の使い方だ。また、その買い物を正当化できるほどの充実感を得られるのであれば、金額の大小は気にせず買ってOK。何が自分にあったお金の使い方を慎重に考えよう。
●世間で思われている以上に、給料が増えた分、豊かさは享受できる
ライフスタイル・クリープ:収入が増えた時に、その分だけ生活レベルを上げようとすること。
ライフスタイル・クリープの際に、収入増加分のうちどのぐらいを使い、どのくらいを貯蓄すれば、必要なリタイア資金を得られるのか?
その人の現在の貯蓄率にもよるが、収入の10~25%を貯蓄していると仮定すると、収入アップ分のうちの50%を貯蓄できれば、ほぼ計画通りにリタイアできる。
●持ち家か賃貸か
家を買うときには、購入手数料が住宅価格の2〜11%ほどかかる。そのため住宅を買うのは、長期的にその家を所有する場合のみ意味がある。
一時的なコストに加え、固定資産税、維持費、保険料などの継続的コストもかかる。米国では年間の維持費は物件価格の1〜2%程度だ。また、家のメンテナンスにも費用と手間がかかる。
短期的には賃貸派より持ち家派のほうが住宅費に関するリスクが高くなるが、長期的に見ると賃貸派のほうがリスクが高くなる。賃貸は10年後の住宅費がどうなっているかわからず、常に変動しやすい家賃相場に応じて支払いをしていかなければならないからだ。賃貸は持ち家よりも頻繁に引っ越しをせざるを得ないため、費用もかかる。
では、「投資資産」として家を見るとどうなのか?データは、「家を持つことはそれほど有望ではない」という結論を示している。ロバート・シラーは、1915〜2015年の米国の実質住宅収益率を「年間わずか0.6%」と試算している。
家の価値は暴落しにくいが、長期的に富を手に入れられる可能性も低い。なにより、たとえ住宅価格が大幅に上がったとしても、その家を売って安い家に住み替えるか賃貸で生活するかしない限り、利益は得られない。
ただし、住宅を所有するべき社会的な理由はある。住宅の所有には政府から補助金が出る。その国その時の政策にも左右されるが、基本的には社会から推奨されている行為だ。また、「消費者の金融状況調査」のデータに基づいた研究によれば、住宅は「最低所得世帯の総資産の約75%を構成している。(中略)ただし、最高所得世帯ではその割合はわずか34%であった」と試算されている。最適な方法ではないにしても、住宅は資産を築くための(特に低所得者にとっての)源になっているのだ。
こうした情報から判断すると、住宅についての重要な質問は「持ち家か賃貸か」ではなく、「いつ買うべきか」になる。
・10年以上はその土地に暮らす予定
・公私ともに安定した生活を送っている
・経済的余裕がある
ときに、住宅購入に踏み切るべきである。
住宅ローンは、将来をある程度予測できるようになったときに組もう。将来のインフレに伴い給料の額面も上がっていくが、住宅ローンの返済額は変わらず、ローンの返済負担は減っていくからだ。また、頭金として住宅価格の20%を払う余裕があり、収入に対するローン比率を43%未満に抑えられれば、経済的余裕があるといえる。
●いつリタイアできる?
リタイア後毎年貯金を4%ずつ取り崩していっても、30年以上は老後資金が尽きることはない。これが「4%ルール」である。言い換えれば、リタイア後1年目に予想される年間支出の25倍の資産を持っていれば、老後も安心して暮らせるということになる。
リタイア資産=25×年間超過支出(リタイア後の生活費−社会保障給付額)
といっても、リタイア後に不安のもとになるのは、お金より人間としての存在の問題である。仕事の価値はその人のアイデンティティに貢献するからだ。
2 投資力アップ
●何に投資すべきか?
多様な収入源となる投資資産を買い続けるべき。
①株式
平均年間収益率:8〜10%
メリット:世界中の株式市場は上昇傾向であり、高リターンが期待できる。資産の大部分を保有するのに最適。インデックスファンドやETFを長期で買うのが鉄板。
デメリット:変動性が高い。
②債権
平均年間収益率:2〜4%
メリット:変動率が低く、安全である。リバランスに適している。
デメリット:リターンが低い。
③不動産
平均年間収益率:12~15%(その地域の賃貸相場による)
メリット:レバレッジを使うと、他の投資資産より高いリターンが期待できる
デメリット:物件やテナントの管理が面倒。分散投資が難しい。
④不動産投資信託(リート)
平均年間収益率:10~12%
メリット:自分の手で物件を管理せずに不動産を保有できる。株価との相関が低い。
デメリット:株式以上のボラティリティがある。非上場REITは流動性が低い。市況暴落時の株式などのリスク資産との相関が高い。
●いつ投資すべきか?
なるべく早く。ほとんどの市場はほとんどの期間、上昇しているからだ。
そして、持っている現金のうち投資可能額を「即一括で」投資すること。分割投資と即一括投資を比較すると、ほとんどの資産や期間で即一括投資のほうが優れていることが明らかになっている。
投資法は「ドルコスト平均法」にする。毎月定額を買い続けるほうが、貯金して底値で一気に買うよりも良いパフォーマンスが得られる。
なるべく早く、頻繁に。これがジャスト・キープ・バイイングの法則である。
●暴落時でも平静さを保て
暴落時に株を買うと相当なリターンが期待できる。市場が暴落前の基準まで回復するのに何年かかるかを計算できれば、予想年間リターンが得られる。おおまかには、回復に5年かかるばあい(かなり遅い)でも、予想年間リターンは8%となる。つまり、回復するのに相当な時間がかかるほどの大ダメージを市場が負ったとしても、この日に株を買えば年率8%のリターンが得られることになる。市場が50%以上下落したときには、できる限り投資すべきだ。
●いつ売ればいいか?
売る時は買う時と逆で、時間をかけて少しずつ売るほうがよい。売ってもいいタイミングは次の通り。
①リバランスのため
年々特定の割合だけで買い続けると株や債券のポートフォリオが歪むため、リスク調整が必要になる。そのときに売ってリバランスをするのがよい。だいたい年1回が目処だ。ただし、売ってリバランスするよりも買い増してリバランスするほうが得する。
②集中投資状態から抜け出すため
ポートフォリオが1種類の株のみで構成されているときなど、資産構成が極端な場合に、リスクヘッジのために売る。
③自分の経済的なニーズを満たすため
自分が生きたい人生を生きるために売る。大きな買い物のために現金を用意する必要がある場合などは、資産を売却すべきである。
●お金よりも大切な「時間」
お金はいつでも稼げるが、時間は増やせない。
人生の満足度は年齢とともに上がっていく。私たちは時間の経過とともに自らの期待値を下げていき、「この先も状況は改善されないかもしれない」という疑問すら持ってしまうようになる。これは、投資家が株式を評価するときの心境と似ている。しかし、物事はたいてい予想よりよい方向に進むようになるものだ。そして私たちはバリュー株投資家のように、嬉しい驚きを感じることができる。続きを読む投稿日:2024.06.07
お金、投資、そして時間についてわかりやすくまとめられている良書。網羅的であり、これ1冊で投資に関する入門から応用までを把握することができる。
投稿日:2024.05.30
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