すべてのビジネスに、日本らしさを。
各務亮(著)
/クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
作品情報
豊かさのあふれた現代社会では、求められる価値が「機能」「便利」から、「意味」に変化しています。
ビジネスにおいても、定量的な数値を争う「競争」から卒業し、独自の「存在意義」の探求が求められています。
その状況で、日本企業が持つ「独自の強み」として「日本らしさ」をビジネスに実装していただくことが、この本で提案したいことです。
「これまでどおりにやっているのに、うまくいかない・・・・・・」
「他社の成功事例を参考にしているのに、うまくいかない・・・・・・」
「変わらなきゃいけないのに、変われない・・・・・・」
そんな悩みを持ちながら、商品・サービス・事業・イベントを設計するすべての人に向けて、
「心を掴んで応援される新しい価値」のつくりかたを伝える本です。
天命を知り追求する「求道心」。歴史に培われた「伝統的資産」。他者を受け入れる「調和の精神」。豊かな感受性による「美意識」。
日本に根付くこれらの「らしさ」は、「意味の価値」が求められる社会において、大きな強みを発揮します。
世界に展開するビジネスも、国内に注力するビジネスも、
日本に関係のあるビジネスも、関係のないビジネスも、
あらゆる価値創造に実践していただける、「日本的」思考法を伝授します。
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この作品のレビュー
平均 4.3 (4件のレビュー)
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知識より知恵を使う仕事をしたいとか、文系に行くと自分の感性が上塗りされてしまうと裏付けの無い自信があって理系に進んだりという人生ですが、海外に住んだ時にこそ日本と日本人の良さを痛感した。歳をとるとより…理論に走りそうになるけれど、人間はずっと五感で生きている。これをすぐ忘れてしまう。
コミュニティに触れる意義は、コミュニティにものを売るため、コミュニティに何かビジネス的な意義を見つけ出すでもなんでもなく、コミュニティに属することでインプットを得る環境を維持し、常に目線を高く自分をアップデートすること。コミュニティに共通ゴールがないのがその証拠。
自分がコミュニティが好きになった訳を、あらためて教えてもらった気分。続きを読む投稿日:2021.10.15
日本がこれから世界の中でどうやって戦うかの戦略論を説いている。日本の美意識は世界で勝負できるはずだ。
現時点で、目に見える不満を探せないほどに、世の中は便利になっている。
先進国で暮らしていて、実際に…は何の不自由があるだろうか?
もちろん不自由な人も確実にいると思うが、それでも日本は恵まれていると感じる。
技術の進化を考えると、確かにこれ以上機能が追加されても、普段の生活が大きく向上するとは思えない。
つまり、これ以上の機能追求は、価値の拡大につながらないということだ。
言い換えれば、機能だけでは「競争力にならない」ということである。
いわゆる「コモディティ化」というものであるが、これは実生活でも感じるところである。
自分自身年齢を重ねたということがあるが、段々と欲しいものが少なくなってきたように思える。
家の中も断捨離ではないが、不要なものはかなり捨てた。
それが今の時代背景だとも思う。
もちろん、今でも所有欲が強い人はいるだろうが、傾向としては社会全体がこの方向に変化しているのだろう。
つまり、それだけ人々の「価値観」が変化したのである。
本書の冒頭で記載されているが、これからの価値とはまさに「意味」にこそあるという。
これは確かに今ホットなテーマだ。
しかしその本質は非常に捉えにくい。
「意味」とは何なのだろうか。
例えばであるが、今世界的にもアナログレコードの売上が伸びているのがニュースになっている。
特にアメリカでは、2020年にアナログレコードがCDの売上を上回ったことで話題になった。
これは1986年以来34年振りとのことらしい。
日本でもアナログレコードの人気は再熱している。
生産額比較で見ると、2010年に過去最低の1.7億円だったのが、2020年では21億1,700万円と、10年間で約12倍。
今では、音楽はスマホのタップ一つで聞けるはずだ。
レコード盤をレコードプレイヤーにセットしてようやく聞けるのは、明らかに手間がかかる。
音質だって、アナログレコードの方が優れているとは言い難い。
当然にスマホでサブスクで契約しているなら、値段は比較にならない。
それではなぜ売れているのか?
これこそが「意味」なのだと思う。
つまり「それでも欲しい」から買うのである。
それでしか味わえないもの。
明らかに「音楽を聴く」という機能は求めていない。
それでは何なのか?
「レコードで音楽を聴く意味」なのである。
だからこの本質は捉えにくい。
掴みとった者のみが、今後生き残っていけるだろう。
その数は決して多くない。
日本はどうやってこの「意味」を作り上げていけるだろうか。
ここは真摯に自分たちの持ち物を冷静に見つめ直して棚卸することが大事ではないだろうか。
それさえ出来れば、本書では解決策を示してくれている。
枯れた技術だって実は大きな価値が眠っている。
それら技術を組み合わせるだけで、新しい価値を生む可能性があるというのだ。
日本には確かに枯れているかもしれないが、今でも素晴らしいと言える物が多数ある。
いつまでも古いやり方にこだわっているのではなく、前に目を向けて、視点を変えてみればいい。
何かと何かを足すだけで、もしくは今の機能を引き算するだけで、違う世界が見えてくるかもしれない。
実は自分自身についても同じなのではないかと感じてしまった。
「機能」を磨いても、そこだけでは戦えない。
差別化し「意味」を持つためには、自分自身の磨き方も変えていかなければいけない。
今の自分の枯れた機能に何を足したら「意味」が作れるだろうか。
自分プロデュースも相当に考えなくてはいけないと感じた。
(2022/10/2)続きを読む投稿日:2022.10.11
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