思考からの逃走
岡嶋裕史(著)
/日本経済新聞出版
この作品のレビュー
平均 4.0 (11件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
大学の情報学部の教授の著作。
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最近の学生の気質から、AIが台頭してくる近未来を予見する。
「社会の舵取りをAIに任せるのがいいのだろうか? それを本書で検討していきたい。」
それが本書のテーマであり、結論としては、タイトルに反して、
「AIの思考が今後どんなに人間に優越することになっても、私たちは考えることをやめてはいけない」
と、思考からの逃走に警鐘を鳴らす。
凡そ、予想のついた内容ではあるが、日ごろから若い学生たちと多く接している教授という立場から、なぜ昨今の学生は考えることをしないのか、それは何に原因があるのかを、分かりやすく解き明かす筆致が見事で、読みやすい。
曰く、失敗が許容されない洗練された社会の仕組みに因があり、失敗を繰り返す試行錯誤の先にあるイノベーションを、いきなり求めるのは無理がある。
そもそも、人間(の多く)は、創造的な思考、あるいは意思決定が苦手であると著者は記す。
「進学でも就職でも結婚でも運転でも、相当いろんなことを間違える」
なるほど多くの学生の例を見ていて、実際に思うところであろう。
そうなると人間は、苦手なことを道具に頼ろうと考える。
「面倒なことを外部化したいという人間の業は、深く濃い」
故に、道具や機械などの技術は果てしなく発展し、考えつくものはあらかた外部化し尽くした先にあるのが「思考」、その外部化ということになる。
「最後に残った大物が思考である。これを外部化できるキラーアプリケーションがAIだ。だからAIは重要なのである。」
なかなかロジカルな展開で読みやすかった。
そして、最終的には、AIは、今後の社会には重要かつ必要であるとしつつも、
「AIの思考が今後どんなに人間に優越することになっても、私たちは考えることをやめてはいけない。」
と、若者に未来を示す立場にある教育者としての啓示を忘れない姿勢がよい。
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